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2019年9月17日 (火)

『象は静かに座っている』処女作にて遺作!無名の新人監督の1本が世界で驚嘆&絶賛されたワケとは?

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ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞&最優秀新人監督賞スペシャル・メンションを W 受賞、金馬奨では作品賞&脚色賞&観客賞をトリプル受賞!29 歳の俊傑フー・ボー監督作『象は静かに座っている』が 11 月 2 日(土)よりシアター・イメージフォーラム他にて公開となる。処女作にして遺作となってしまった本作が世界中を席巻するその訳は?その魅力に迫る。


【STORY】世界の果てを一緒に見に行こう。きっと未来は変わる
炭鉱業が廃れた中国の小さな田舎町。少年ブーは友達をかばい、不良の同級生シュアイをあやまって階段から突き落としてしまう。シュアイの兄は町で幅を利かせているチェンだった。チェン達に追われ町を出ようとするブーは、友達のリン、近所の老人ジンをも巻き込んでいく。それぞれに事情を抱えながら、遠く2300km 先の果て満州里にいる、一日中ただ座り続けているという奇妙な象の存在にわずかな希望を求めて 4 人は歩き出す――。

★若き才能が遺した“命を懸けた”デビュー作!
田舎から己の夢を叶える為に、北京へやってくる若者たち。「都市で作品を発表すれば、この生活は変わる――」そんな微かな希望を抱いて、上京を決意する若者は多く、フー・ボーもその一人だった。フー・ボーは、チェン・カイコー、チャン・イーモウ、ジャ・ジャンクーを輩出した中国唯一の映画専門の学術機関である北京電影学院を卒業。才能の豊かさと運にも恵まれ、フー・ボーは小説家として著書「大裂」「牛蛙」を上梓。その文才は、中国の人気作家・余華も「才華溢れる作家を一人見つけた。名前は胡遷、彼の中短篇小説は既にかなり成熟していました。中国最大のウェブサイト当当網が本を出したり映画を撮ったりすることになり、この作家はきっと頭角を現すと思いました。彼の小説は素晴らしかったですよ、現在の我々のような作家の作品よりもよいと私はみていました」(三田文学 132 号 余華氏×飯塚容氏対談より抜粋)と、認める程であった。そして「大裂」の中のたった 13 頁の短編から『象は静かに座っている』を撮りあげたのだ。自らのありったけの熱意を込めた本作は 4 時間弱の大作として完成。しかし、地価上昇し続け、人口も膨れ上がる大都市・北京で食べるにも精一杯の生活は、若者の夢も希望も蝕んでいき、思い半ばにしてフー・ボーは 29 歳の若さで自らこの世を去ってしまう。その後、ベルリン国際映画祭で、新人賞に値する賞と批評家連盟賞を受賞。さらに金馬奨では作品賞&脚色賞&観客賞と、新人監督として異例の三冠を獲得する。その熱狂は世界十数国の映画祭に招待されるなどして広まったが、監督自身がその瞬間を目にすることは叶わなかった。その話題は日本にも伝わり、耳の早い観客たちの手によってフィルメックスでの一回上映は即日完売。この度、日本での待望の一般公開となる。


★類まれな完成度に世界の名匠が絶賛!
しかしこの作品が注目されているのは前途洋々な監督の悲痛な最期というセンセーショナル理由だけではない。世界的には、エキセントリックな作風で国際的な認知度を高めるビー・ガン、本国で爆発的大ヒットとなった「ニセ薬じゃない!」の監督ウェン・ムーイエと並んで”中国新世代監督”として注目されたフー・ボー。本編は、それぞれ別の境遇にいる男女四人の、ある片田舎の一日の朝から晩までが描かれる。その中でガス・ヴァン・サント『エレファント』を彷彿させる、人物の背を追い続けるショット。人物に寄り添い、建物から建物へと縦横無尽に駆け回るカメラワーク。一日に数時間しかない日没前の自然光を使用したライティングなど、ワンシーン毎に心血を注いだ類まれな完成度に、実際にフー・ボーが師と仰いだタル・ベーラに、ダルデンヌ兄弟、ガス・ヴァン・サント、イ・チャンドン、アン・リーなど名だたる監督たちが驚愕し、賛辞を贈ったのだった。生活に貧窮しながらも一縷の希望に向かってもがき進む。『象は静かに座っている』の登場人物たちは、まるで監督自身の生き写しのようで、監督の”魂そのもの”といえる全てをかけた傑作となったのだ。話題が話題を呼び続ける、フー・ボー監督のデビュー作を、ぜひ劇場で体感してほしい。

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『象は静かに座っている』

2019年11月2日より、シアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開
配給:ビターズ・エンド
(C)Ms. CHU Yanhua and Mr. HU Yongzhen

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