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2018年6月14日 (木)

是枝監督の『誰も知らない』、ベルイマンの『秋のソナタ』を思い出す『母という名の女』オフィシャルトークイベント

日時:6月8日(金)
場所:メキシコ大使館 
登壇者:斎藤学(さいとうさとる/精神科医)

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第70回カンヌ国際映画祭、ある視点部門審査員賞を受賞、『父の秘密』(12)、『或る終焉』(15)のメキシコの気鋭ミシェル・フランコの最新作『母という名の女』が、6月16日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショーとなる。メキシコ大使館にて、「アダルトチルドレン」という言葉を日本に紹介し広めた第一人者で多くの関連本を出版している精神科医の斎藤学先生を招き、“毒親”をテーマにトークイベントが実施された。


母にいったい何が起きたのか?彼女はいったい何者なのか――?闇を覗き込んだ母娘の緊張感あふれる関係にメスを入れ、母、あるいは家族という幻想を吹き飛ばす、『父の秘密』『或る終焉』のミシェル・フランコ監督、衝撃の最新作。公開に先駆け、一般のお客さまを招いて行われた試写会の上映後に、精神科医の斎藤学氏を招いてトークイベントを実施した。


本作を2回観たという斎藤氏は、「1回目は赤ちゃんを抱えて娘がこの世を去る話なのかと感じたが、周りの女性に聞くとみんなさわやかな後味の映画だったというので、観直したんです。するとこの映画は長女が語り部で、長女の目線で見てみると、ピタッとくるんです。」と話し、「この作品は私の中で“母娘もの”というくくりの中に入る。イングマール・ベルイマン監督の『秋のソナタ』や是枝監督の『誰も知らない』や近藤ようこ著の「アカシアの道」を思い出した」と過去の名作を引き合いに出し解説する。

ポスターを指さし、「皆さんはこのようなモンスターマザーは作られたもので、世間にはいないだろうと思うかもしれない。しかし私は家族療法家という仕事をしているから、この種の母たちが確実にいることを知っています。トキシックペアレンツ(毒親)、トキシックマザーと呼ばれたりしています。そういう人格の人はナルシシズム<自己愛」〉に攻撃性が加わっている。」と指摘。

さらに「伝統的な家族の中での母というのは自己犠牲を強いられることが多く、女性もどんどん活躍していきましょう、という今の世の中と合わなくなっているのです。それで今もこれからも、この映画の中の母のような存在が増えています」と明かす。さらに「人間の深いところの一つが性行為だと思うんですけれど、その部分でも女性が自己主張的になっています。日本の女性も例外ではありません」と述べる。


本作の中で、母が娘から奪った赤ちゃんに対してある衝撃的な行動をとるが、その行動に会場のお客さんの多くが理解できないと答える一方で斎藤氏は、「あの辺がこの種の母たちの特徴です。まさかそこまでやらないだろうということをパッとやれちゃう、という人格像があるんですよ」と精神科医の目線で分析。そういった“ボーダーライン”の人を見分けるコツとして、「例えばあなたにボーダーラインの友人がいるとすれば、その人はまるで2つの人格を持っているみたいに見えます。『あなただけが私の理解者よ』とベタベタ寄ってきて、無二の親友のように思わせておきながら、何かの件でその人に忠告したりすると、態度がガラリと変わる。そしてあなたを敵とみなして深夜電話や脅迫の手紙であなたを非難するようになる。実はそういうボーダーラインの人って、複雑に見えるけど4歳5歳児がそのまま大きくなってしまった、という風に見るとよくわかる。ソシオパスとかサイコパスとかみたいに反社会性があるわけではない。他の人から自分が評価されているということに過敏すぎて、自分のある部分が否定されるとパニックを起こしちゃう。そういう彼らをみるとほっとけなくなっちゃうので、捨てることもできない。悪気はなくて、子供還りしちゃってるから。」と解説。

本作で描かれる毒親についての斎藤氏の医師ならではの意見に会場のお客さんは終始聞き入っていた。
また最後にはメキシコ大使館から、メキシコ産ワインと料理が振舞われ、映画の感想や意見を交換し合っていた。
※ボーダーライン(不安定な自己、及び他者のイメージ、感情・思考の制御不全などを特徴とする障害のこと)


映画『母という名の女』は6月16日(土)より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー。

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『母という名の女』
2018年6月16日よりユーロスペースほか全国にて順次公開
配給:彩プロ
公式HP:http://hahatoiuna.ayapro.ne.jp/
(C)Lucía Films S. de R.L de C.V. 2017

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