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2017年4月28日 (金)

清水富美加と松井玲奈、意外性のあるキャスティングで、息ピッタリの漫才コンビが誕生! 映画『笑う招き猫』 飯塚健監督インタビュー

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清水富美加と松井玲奈という二人女優が若手女性漫才師を演じ、実際に漫才を披露している映画『笑う招き猫』。この映画で二人は見事な間で漫才を披露し、芸人「アカコとヒトミ」としてその才能を披露している。この作品で監督・脚本・編集の三役を務めた飯塚健監督にインタビューを実施。清水富美加の女優引退など、公開前に映画の内容以外のところでも話題となってしまった本作だが、撮影中の清水富美加の様子などについても話を聞いた。


・『笑う招き猫』を監督することになった経緯を教えてください。

■飯塚健監督:だいぶ前になるんですが、山本幸久さんの原作小説「笑う招き猫」と出会ったんです。それでぜひ映画化したいと思いまして、とりあえず脚本を一度書き起こしたんですね。そして身近なプロデューサーに話を持ちかけて、動き出したのがきっかけです。


・ヒトミ役を清水富美加さん、アカコ役を松井玲奈さんが演じているわけですが、彼女たちを選ばれた経緯を教えてください。

■飯塚監督:この映画はヒトミの目線で動いていく物語なので、まずストーリーラインを背負えて、且つ漫才師という特殊な役柄ができるのは誰かと考えました。それで清水富美加以外は考えられないなと。そしてその相方・アカコ役ができるのは誰なのか。「いかにも」というキャスティングにはしたくなかったんです。それで以前、深夜ドラマを一緒に作った松井玲奈の名前があがりました。その時、クセモノ揃いの俳優さんたちともわたりあえる女優だなと思った印象がありまして。彼女であれば対応力、瞬発力もありますから、決定しました。


・この二人も組み合わせに鑑賞前は意外性を感じていたんですが、観ているうちに、この二人が起こす化学反応を感じました。漫才も、ここまでこの二人ができるという確信はあったのですか?

■飯塚監督:確信とまでは言い切れないかも知れませんが、できなきゃと困るとは思っていましたね。
お客さんが、二人が並んだポスターを見た時に、「ああ、仕上がってるな」「なんか読めちゃうな」と思えるようなキャスティングにはしたくなかったんです。「この二人の組み合わせだとどうなるのか予想がつかない」と思ってもらえるような、意外性が生まれたらいいなと。それを二人がうまく形にしてくれましたね。


・松井玲奈さんが演じたアカコは、登場人物のみんながアカコに翻弄されつつ、アカコを好きでたまらない、というような、いっぷう変わったミューズのような女性でした。松井さんにはどういう風に演技指導されたのでしょうか?

■飯塚監督:いろいろ細かく言わせてもらったのですが、一番は動きですかね。アカコがどういう人間か、変わった部分が見えるようにしたかったんですね。


・アカコは非常識人、ヒトミは常識人の代表的存在、という感じでしたね。アカコとヒトミが初めて出会うシーンの、アカコが路上で招き猫を売っているシーンも印象的でした

■飯塚監督:言ってみれば、アカコは『岸和田少年愚連隊』におけるカオルちゃんのようなキャラクターなんですよね。界隈の危ない人と言いますか(笑)。基本はトラブルメーカーで、マネージャーに呼び出されても足組んで話を聞いているようなね、そういう“アカコらしさ”を表現してもらいました。


・主演のお二人、「アカコとヒトミ」としての漫才の息もぴったりでしたが、どのくらい漫才を練習していたのでしょうか?

■飯塚監督:漫才のみで言えば、撮影前に練習できたのは、2、3時間の練習を3、4回くらいでしょうか。ただ撮影に入ってからは空き時間を使って、二人が自主的に練習を延々としてくれて。


・そんなに短い練習期間で、あれだけ息を合わせられるものなんですか!?

■飯塚監督:普通は無理だと思います。ほんと、二人の練習の賜物です。少しでも合間があれば、どちらかが「はいどうも?」と始めて、もう一人が乗っかって漫才が始まる。そんな毎日でしたから、自然と「アカコとヒトミ」になっていってくれました。「さあ、練習します」という決まり切った雰囲気ではまったくなくて。


・清水富美加さん、松井玲奈さん、この二人の女優さんをそれぞれ一言で表すと、どういう女優さんでしょうか。

■飯塚監督:清水は、回転率がよくて、瞬発力がありすぎるくらいある女優さんだと思います。向上心も高いですし。
松井は、スタートこそ遅くても、必ず求めるところにたどり着いてくれる人。ご一緒するのは今回で二回目ですが、すっかり信頼しています。


・実は、この作品を拝見するまで松井玲奈さんがここまで弾けた演技をされる女優さんだと思っていなかったんです。これまでのイメージを180度くつがえす演技で、驚いてしまいました。

■飯塚監督:多くの人はそうだと思いますよ(笑)。ですが今後、アイドルをやってきたという特殊なスペックを武器に、もっともっと女優然としてくると思います。


・漫才師が主人公ですが、漫才の演出をするうえで心がけたことはありますか?

■飯塚監督:実は漫才の演出はそんなに難しくないんです。“芝居”というよりも“演し物(だしもの)”ですからね。映画における高級なオプションだと考えていて、そこまで凝り固まった演出はしていないですね。そうすることが演出と言いますか。


・ネタ作りや監修は、漫才師「キンピラ」役でも出演されているなすなかにしさんがやられているんですよね。

■飯塚監督:そうです。本物の漫才師目線で、ネタはもちろん、トータルの所作などを見てもらいました。例えば、ステージに登場してマイクの高さを変える仕草とか、デビューしたての漫才師が、客席を見られなくて相方のほうばっかり見てしまうとか。“あるある”を注入して頂きました。


・お笑いの現場のリアルな目線で監修しているということですね。それでは、監督が映画を撮影される時に撮影現場で一番大事にされていることはなんでしょうか?

■飯塚監督:言うならば、メリハリですかね。撮影は、すべてのシーンで全部粘っていると現場のピッチが上がらないんです。スケジュールのことも当然ありますし。だからこそ、「ここは妥協せず、徹底的に粘る」というシーンと、「2、3時間でさっと撮影して次の現場に移動する」というシーンのメリハリは意識しています。あれもこれも粘っていると、現場も疲弊しますしね。例えば、22:30終了予定を20:10に終わらせたという日もありました。


・2時間! そんなに巻けるものなんですか。

■飯塚監督:その日は次の日、清水が朝から大阪で生放送に出演する予定があって。撮影終了後、車で移動する予定だったんです。でもその日、20:30に現場を出られれば、最終の新幹線に乗れると小耳に挟みまして(笑)。挟んだ以上はやるしかないですよね。長距離を車移動するより、パッと終わって新幹線移動するほうが、早く休んでもらえますから。どうせその次の日も大阪からうちの現場に戻ってきて撮影するわけですし。少しでも回復してもらった方がいいに決まってる。なのでチームのみんなで巻きに動いて、清水を送り出したということがありました。次の日、少しは元気になって現場に戻ってきてくれたので、正解でしたよね。そういうメリハリが撮影には大事なんです。


・確かに、俳優さんもスタッフさんも、ちゃんと休養することで、全体のクオリティを上げられるということがあるんでしょうね。

■飯塚監督:休むのも仕事です。それと僕は編集にも大きく関わるので、粘ってあれもこれもと欲しがらなくとも、作品を成立させる最低限の素材が見極めやすいのかも知れません。編集は、武器の一つと言えるかもしれませんね。


・これまでに起用した俳優以外で、他に起用してみたいと思われる俳優さんはいらっしゃいますか?

■飯塚監督:それはもう、いっぱいいますよ! そのなかでも特に名前を挙げるとするなら、うーん、…明石家さんまさんですかね。さんまさんでシリアスめの作品を作ってみたいです。常に、これまでやって来た作品とはかぶらないような、新しい作風を意識したいと思っています。


・では、最後にちょっとデリケートな話なのですが…。清水富美加さんが女優を辞められたということ、どう思われますか?

■飯塚監督:一緒に撮影していた間は本当に現場を楽しんでくれていたし、絶対また一緒にやろうと言っていたんですよ。あれだけ才能があって信頼して役を任せられる俳優とは、そうそう出会えないですからね。残念でならないです。


・本当に、この作品の彼女を見ていると、女優としての才能の塊のように感じました。

■飯塚監督:実際、彼女に代われる人って、そういないと思います。彼女だけができる表現、雰囲気というものがありました。且つ向上心もあって、確実に十年後も一線にいる人だったんですけどね…。多くの作り手が同じことを言うと思います。真面目だからこそ、考えすぎてしまう部分があったのかもしれませんね。

二人の女性漫才師を主人公に、夢に向かう彼女たちの葛藤と友情を描いた本作。撮影現場は「楽しいけれど厳しい」とよく言われるそうで、映画トータルで俳優たちのベストな演技を引き出すために、メリハリをつけながら演出されているというお話が印象的だった。そのメリハリが清水富美加と松井玲奈、二人の女優の才能を引き出し、彼女たちの新たな一面を開花させてくれたと言えるだろう。清水富美加と飯塚健監督、二人の再タッグを見てみたかったと思わせられたインタビューだった。


【取材・文:松村知恵美】


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『笑う招き猫』

2017年4月29日より 新宿武蔵野館ほか全国にて
配給:DLE
公式HP:http://waramane.jp/
(C)山本幸久/集英社・「笑う招き猫」製作委員会

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