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2017年1月20日 (金)

『破門 ふたりのヤクビョーガミ』小林聖太郎監督インタビュー

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イケイケやくざの桑原とズボラで貧乏な建設コンサルタントの二宮という二人が活躍する黒川博行原作の「疫病神」シリーズ。シリーズ5作目の「破門」は、映画製作費という名目でヤクザから大金をせしめて逃げた詐欺師を桑原と二宮が追うという物語。この「破門」が映画化され、やくざの桑原を佐々木蔵之介、建設コンサルタントの二宮を横山裕が演じている。1月28日(土)から公開となる『破門 ふたりのヤクビョーガミ』について、小林聖太郎監督にお話を伺った。

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まず、この作品を監督することになった経緯を教えてください。

■小林監督:2年前の年末に、佐々木蔵之介さん主演で黒川博行さんの「破門」を映画化しないかという話をプロデューサーからいただきました。ちょうどその頃、WOWOWのドラマ枠で同じく黒川さん原作の「煙霞~Gold Rush~」の脚本を作っていたんです。黒川作品が2作品続くことや、脚本に『毎日かあさん』やドラマの「深夜食堂」で組んだことのある真辺克彦さんが入っていることもあって、縁を感じて引き受けました。


原作を読んでみて、どう感じられましたか?

■小林監督:小説としては面白かったんですが、映画化するには二つの意味で大変だなあと感じましたね。まず、「疫病神」シリーズの5作目を映画化するということで、イケイケやくざの桑原とグータラな建設コンサルタントの二宮、二人の関係性ができあがっているところから物語を始めないといけないということが一点。もう一点は、長編小説なので映画化した時にどこをどう残すかが難しいなと。単にダイジェストにするのではなく、大胆に改変を加えながらも、全体の印象が変わらないような脚本作りに力を入れました。


今作の主人公の二人は、建築現場のもめごとをサバく建設コンサルタントとやくざという設定です。そこに橋爪功さん演じる映画プロデューサーの小清水が企画を持ち込むところから話が始まりますよね。映画プロデューサーの出資金詐欺の話なんですが、題材として作りにくいというようなことはなかったんでしょうか。

■小林監督:作りにくいとか、タブーといったようなことはないですよ。割とよくある話で、騙した人も騙された人も知っています。この5年で知人が二人逮捕されましたし…(笑)。


劇中に「最近はコンプライアンスの問題があって裏社会への取材はできない」というセリフがありました。今作では取材はどうされたんですか?

■小林監督:劇中の話だけでなく、やっぱり本物の暴力団への取材はできないんですよ。暴対法施行以前にヤクザのひとたちと付き合いがあったという不動産屋さんなんかに話を聞いたりはしましたけどね。実際に「コンプライアンスが…」と取材をしてはいけないと言われたこともあったので、あえて嫌味のようにセリフの中にも入れさせてもらいました(笑)。


取材できないことで、監督として不便だったりしないのでしょうか?

■小林監督:なんとも言えないですね。ただ、これは映画なのでリアリズムだけを追求する必要はないと思っています。「こんなヤクザいないよ」と言われたとしても、映画の中でキャラクターとしてしっかり存在させることが大切だと思っています。


佐々木蔵之介さんが主演ということが最初に決まっていたそうですが、相手役に関ジャニ∞の横山さんが選ばれた理由はどこにあるのでしょうか?

■小林監督:まずプロデューサーから候補として名前が上がったんですね。僕はテレビドラマをあまり見ないので、彼にはバラエティの印象があったのですが、彼の過去作の芝居を見ると、なかなか面白い俳優だなあと思い、彼に決定しました。


彼の俳優としての魅力はどんなところでしょうか?

■小林監督:物事に没入しきらずに、常に少し離れたところから冷静な目で自分の置かれた状況を見ているような部分が彼にはありますね。長所と短所は表裏一体だと思うので、それを醒めていて怖いととる人もいれば、面白いととる人もいると思いますが、俳優としては、自分を客観視できる魅力的な部分だと思います。


シュッとしたイメージのある横山さんが、今回の二宮のようなものぐさでグータラな役をしているのが意外でした。

■小林監督:二宮は原作ではそんなに男前ではないズボラな役ですしね。情けない役柄で、横山くんの新たな魅力が発掘できたかもしれません。あと、横山くんはすごく鍛えていていい体をしているので、それがわからないように気をつけました。


お風呂に入るシーンも、服を着たまま入っていましたよね?

■小林監督:原作では、二宮は脱いだり着たりするのがめんどくさいので、服を着たまま風呂に入ってついでに洗濯も兼ねてしまうというズボラ過ぎる男なんです。映画でそのエピソードをどこかで盛り込みたいと思い、撮影前に急遽このシーンを追加しました。横山くんが裸で風呂に入っていたら、ちょっと細マッチョ過ぎて二宮のイメージには合わないと原作ファンには思われたでしょうね。


二宮のズボラさを表現でき、さらに横山さんの裸を隠せると、一石二鳥だったんですね(笑)。
桑原役の佐々木蔵之介さんですが、彼の俳優としての魅力はどこにあると思いますか?

■小林監督:そうですね、身体的能力も高く、俳優としての反射神経がある俳優さんですね。芝居の反応が鋭いというのか、キレがいい。脚本の読み合わせの初日から、すごくテンポがよく、横山さんとの掛け合いで息もぴったりだったんです。ただ、今回の役柄でいうと桑原と二宮はお互いに一緒にいたくないと思っている役なのであまりテンポが良くなり過ぎてもダメだということで、あえて息を合わせないようにしてもらいました。


二人は嫌い合っているようで、お互いに助け合っている、不思議な関係ですよね。

■小林監督:嫌いなやつとコンビを組まざるを得なくなって、面白くない気持ちで文句を言い合っているんですよね。二宮は桑原に対して「自分は男としてコイツに負けてるんじゃないか」と複雑な思いを抱いていたり…。「俺のことが嫌いになったんか」なんてセリフもありますし、二人のラブストーリーと言えなくもないかもしれないですね(笑)。


腐女子にも喜ばれるかも…。

■小林監督:そう、実はBL映画なんですよ!いや、嘘ですけど(笑)


【取材・文:松村知恵美】


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『破門 ふたりのヤクビョーガミ』
2017年1月28日より全国にて
配給:松竹
公式HP:http://hamon-movie.jp/
©2017「破門 ふたりのヤクビョーガミ」製作委員会

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