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2016年9月26日 (月)

男子禁制!エロス×カオスに満ちた、狂熱の青春エンターテインメント『過激派オペラ』早織&中村有沙インタビュー

『過激派オペラ』
演劇界の奇才・江本純子が、自身の自伝的小説を原作に、初となる映画監督に挑んだ衝撃作『過激派オペラ』(2016年10月1日公開)。 舞台づくりに青春のすべてを懸ける、女性劇団員たちの狂熱の日々をリアルに描いた本作で、主人公の重信ナオコを演じた早織と、その恋人である岡高春役の中村有沙とともに、エロス×カオスに満ちた本作の濃密な世界観に迫る。

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本作は、女性同士の恋愛関係も含め、衝撃的なシーンが多い印象ですが、最初に台本を読んだ時の率直な感想を聞かせてください。

■早織:オーディション前に脚本を読んだのですが、とても面白かったです。私が演じたナオコが女たらしということで、ラブシーンも多く描かれていましたが、それはこの物語のひとつの側面にすぎないと思いました。それよりも、本作が強調したいのは青春群像の部分。ナオコと春が恋をして、仲間とも演劇に燃えて…。彼女たちが痛々しいほどリアルに生きている、狂熱の世界観にとても惹かれました。

■中村:中には過激なシーンも多いですが、決してイヤらしさばかりに感じないのは、物語の軸に「演劇に対する熱」みたいな実直さがあるからだと思います。初めて脚本を読んだときにも、まず楽しげな雰囲気が伝わってきましたし、完成作を見てもコミカルでポップなテイストに仕上がっているので、多くの方に抵抗なく楽しんでいただけると思います。


早織さんが演じたナオコは、「女たらしの女性演出家」という複雑な人物、役作りの中で難しさを感じた部分はどこでしょう?

■早織:撮影がクランクインする前に、リハーサル期間が6日間ありました。その期間中、江本監督は何かを具体的に指導するのではなく、役柄を役者に委ね、それを観察しながら試しているような感じで、演じる者の「個」を引き出していくんです。そうした演出の中で、私は自分自身と向き合った結果、役柄に悩んで落伍し、ナオコとしてしっかりと一人で立つことができなかったんです。撮影イン前の段階から足を引っ張る形になってしまったわけですが、劇団員役みんなのフォローで、何とかその後の撮影を乗り切ることができました。そういう意味では、ナオコがどこか情けない人物像に仕上がったのは、そのときの私のリアルな人格が反映された結果だと思いますね(苦笑)。


撮影中の現場の雰囲気はいかがでしたか?

■中村:リハーサルと撮影は、実際に劇中で登場する稽古場で合わせて3週間ほど行いました。そこで、リハーサル初日に監督から出された指示は「ここがあなたたちの稽古場だから。はい、やって!」というその言葉だけ。そこから先のシチュエーションは、本当にすべて役者たち次第…。これまで誰かの演技指導に頼っていた自分の甘い部分をガツンと殴られたかのような、真のリアルな演出がそこにはありました。


中でも、江本監督との思い出深いエピソードを教えてください。

■早織:「殴るよ!」と言われた時は驚きましたね。もうどこのシーンで何が原因だったか覚えてないんですが…確固と演じられない私に苛立たれた監督がそうおっしゃって。「顔は勘弁してください」と返しました。この返答、『過激派オペラ』の原作小説『股間』に出てくるんですけど、咄嗟に頭に浮かんだ言葉でした。まぁ笑いが生まれる訳もなく、その場はただならぬ雰囲気で(笑)他の役者さんが「ちょっと走ってくれば?」と言って間に入ってくれたので、そのまま外へ走りに行きました。

■中村:あのとき、みんな「本当に行っちゃったよ…」という感じで、出て行く早織さんの背中を見つめていました。作品の中でも、稽古場に流れる気まずい雰囲気に、複雑な表情を浮かべる劇団員たちの姿が描かれていますが、そのシーンと同じような顔をしていたと思います。江本監督はときに厳しくもありますが、普段は優しくてクール。「この人についていく!」と思わずにはいられないような色気のある女性だと思います。


主人公のナオコは、次々と女性たちを惹きつけてやまない、言うなれば「魔性の女」ですが、その魅力とは?

■早織:なんでしょう、どこか憎めない、放っておけない雰囲気があるんでしょうかね(笑)

■中村:普段は舞台の演出家として、厳しく劇団員たちにまくし立てたりする一方、突然に「いひひ」と可愛らしく笑いかけてきたり、頼りない表情で甘えてみせたり…。そういうギャップに女性は弱いんだと思います(笑)。


一方、ヒロインの春は、舞台にかける情熱や意思の強さがあり、凛とした女性に見える反面、恋愛シーンでは嫉妬深かったり、ヒステリーを起こしたり…。ある意味では、女性のリアルな内面をそのまま体現しているような役柄ではないでしょうか?

■中村:街中で2人が喧嘩して、春がナオコを叩きまくるシーンがありますが、あの部分などはまさにリアル。女性の一面をむき出しで表現していると思います。実際、巷で喧嘩をしているカップルを見かけることはあるし、普段は大半の人たちがモヤモヤした感情をうまく隠せているだけで、それが思わず溢れ出してしまうような修羅場は誰にでもあるはずなんです。そういう、恋愛におけるリアルな風景をありのままで演じたいと思いました。

■早織:ナオコは、そういうふうに自分の感情を直球でぶつけてくる春の強烈なエネルギーに惹かれたはずだし、それこそがパワフルな舞台の創作意欲にも繋がったんだと思います。きっと2人は、お互いにどこまでも追求し合っていける、かけがえのない関係性だったんでしょうね。


熱烈なキスなど、女性同士のラブシーンは最初から抵抗なく演じられましたか?

■早織:抵抗を感じる暇がないほど撮影中は一所懸命でした(笑) これまで女性にキスをしたことがなかったので、女性の唇の柔らかさや、接近したときの男性との香りの違いは新鮮でしたね。

■中村:不思議と違和感はなかったです。役柄を通し、人を好きになるとキスしたくなるという本能が働いたのかもしれません(笑)。


『過激派オペラ』という作品が、女優人生に与えたインパクトはかなり大きいのではないでしょうか?

■早織:女優として13年ほどキャリアを積んできた中で、いつしか変についてしまっていた自尊心みたいなものが、今回の撮影を通して粉々に打ち砕かれたんです。これは、江本監督のもとでしか得られなかった貴重な財産だと感謝しています。一度、何もないまっさらな状態になり、これからどう進んでいくのか…。その葛藤は、撮影が終わった昨年の夏からずっと続いていますが、いまは目の前にあるひとつひとつの作品と真摯に向かいながら、いつか振り返ったときに本当の自信が持てるよう、頑張っていかなければいけない時期だなと感じています。

■中村:私も子役からずっと芸能界でやってきた中で、人の目を気にして、無理しても努めて笑顔で振る舞うといった、本当の自分をごまかすようなクセがついてしまっていたんです。そういう幼稚で未熟な部分を、江本監督に「甘いんだよ!」と全部露わにされた気がしました。人は関係ない、自分に素直に生きていい。その中で夢中になれるものがあれば全力で…。撮影を通し、江本監督にそう教わったように感じています。


最後に本作の見どころを教えてください。

■早織:この作品をひと言で表すとしたら、まさに「狂熱」。「熱」だけではなく「狂」がつく部分も含めて、見応えたっぷりで楽しんでいただける青春映画だと思います。

■中村:最高のカオス!痛々しいほどまでにリアルで、全力投球な彼女たちの姿を見て、いっぱい笑って元気になってもらえると嬉しいです。


【取材・文/中山理佐】


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『過激派オペラ』
2016年10月1日よりテアトル新宿(レイト)ほか全国にて順次公開
配給:日本出版販売
公式HP:http://kagekihaopera.com/
©2016 キングレコード

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