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2015年10月28日 (水)

ベント・ハーメル監督「感情や、生きるということを表した映画です」『1001グラム ハカリしれない愛のこと』公式インタビュー


10月31日公開の映画『1001グラム ハカリしれない愛のこと』のベント・ハーメル監督のオフィシャルインタビューが到着した。

『ホルテンさんのはじめての冒険』『キッチン・ストーリー』で“愛すべきオジサン”主人公たちを生み出してきた名匠・ハーメル監督が、初めて美しい女性を主人公に据えた今作で表現したかったこととは?

『1001グラム ハカリしれない愛のこと』予告編
https://youtu.be/M9smXbB6Q3c

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「計量」を題材にしているところがユニークですが、この映画の狙いは何なのでしょうか。

実際にパリの国際度量衡局で撮影を行ったのですが、自分自身、学ぶためにも何度も足を運びました。ある国は本当にキログラム原器を失くしてしまったという噂を聞いて、おそるおそる職員の方に質問したら「それは本当です」と言っていました。実際の研究者たちはそんな失敗もしたりする普通の人間であって、自分の物語と研究者たちの物語はかなり早い段階で交じりあっていて、結局は人間の話であり、感情や、生きるということを表した映画です。

人間というものは、永遠や死といった対処できないものに恐怖を感じ、だからこそ自分たちを計る基準や物差しを求めてしまうのだと思います。この作品は、人はなぜそういったものを求めてしまうのかと掘り下げた映画でもあります。

劇中で印象的であった「人生で一番の重荷は背負うものがないこと」というセリフをはじめ、監督の書くセリフには重みのある言葉がたくさんありますが、これは監督の生活の中から滲み出てくるものなのでしょうか。

私は恵まれた人生を歩んできたと思いますが、みなさんと同じような人生経験もしているし、そういうところが滲み出てきている部分もあると思います。ただ、先ほどの言葉はノルウェーの詩人の言葉で、ある新聞の記事を目にして引用しました。マリエの父の兄弟関係をちょうど言い表していたのと、もっと言えば、この作品の理解につながるような部分があると感じたのです。

ノルウェーが青色の寒色系で、パリがオレンジなどの暖色系といった美し色使いが印象的でしたが、どういったことを意識していましたか。

劇中の色使いについては、25年仕事している撮影監督と綿密に計画していて、主人公の心の変化、内なる旅を表すように意識しました。マリエは人生に対して抗っていて、人生の指標になるものにしがみついて生きている。そんな彼女が最終的にパリへ行って人生に対して「イエス」と言うのです。北にあるノルウェーは寒色系、パリは暖色系としてはいたのですが、それよりもこういったマリエの心模様を表現するムードを大切にしました。実際のノルウェーの研究所は北側が赤色で南側が青色という色彩設定をされていたので、北側で撮影する際は赤い柱をわざわざ青に塗らせてもらったりしました。

主人公のマリエを演じるアーネ・ダール・トルプはいかがでしたか。

アーネは本当にすばらしい役者でした。劇中で笑顔を小出しにしていったほうが娯楽性があったのかもしれませんが、そうではなく、ずっと抑えて演技をし、最後に朗らかになる、ほぐれていく感情を見せるという演出が僕らの判断でした。アーネの解釈したマリエのキャラクターもそうであるとすごく共感してくれました。だから最後の最後までマリエの笑顔は見られないのです。

この映画を作るまで知らなかったのすが、実は彼女はいくつかの言語を話せるのです。当初パリでのシーンは英語で脚本を書いていたのですが、フランス語で演じてもらうことができて、より良いものになりました。

今回、東京国際映画際の審査員として来日されていますが、ご感想はいかがですか。(インタビューは映画祭会期中に行われた)

たくさんの映画を観ること、また、短い時間ではありますが世界中から選ばれた、趣味や好みやバックグラウンドが違う審査員とともに映画を観られるというのがとても楽しいです。4回も来日しているのに、今回京都に2日間訪れた以外は、仕事ばっかりで東京にしかいたことがなかったので、もっと日本のほかの場所に足を運びたいですね。
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『1001グラム ハカリしれない愛のこと』

2015年10月31日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開
配給:ロングライド
公式HP:http://1001grams-movie.com/
BulBul Film, Pandora Film Produktion, Slot Machine (c) 2014

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