« 土屋太鳳が“殺人鬼”役に挑む!『人狼ゲーム ビーストサイド』予告編を公開 | メイン | 初の映画にFukase「あんなに演技したことないから恥ずかしい…」『TOKYO FANTASY SEKAI NO OWARI』先行上映&舞台挨拶リポート »

2014年8月11日 (月)

『ホットロード』三木孝浩監督インタビュー

『ホットロード』三木孝浩監督インタビュー

1986年から別冊マーガレットで連載され、全4巻で700万部という驚異的な発行部数を記録した紡木たく原作の伝説的コミックスを映画化した『ホットロード』。母親とうまく関係を築けないでいる14歳の少女・和希が、不良チームの少年・春山と出会い成長していく物語だ。主人公の和希を演じるのは「あまちゃん」で大ブレイクした能年玲奈。和希の恋人で不良チーム“Nights”のリーダーとなる春山を演じるのは、映画初出演となる登坂正臣。この二人のフレッシュな俳優を主演に迎え、伝説的コミックスの映画化に挑んだ三木孝浩監督に、伝説的作品の映画化について、若い二人の主演俳優などについて、話を聞いた。『陽だまりの彼女』『僕等がいた』などの恋愛青春映画の名手として知られる三木監督が、この映画に込めたテーマとは…?

______________________________________________________________________


名作コミックス「ホットロード」の映画化と言うことで、プレッシャーではありませんでしたか?

■三木:連載当時から、女子の間で絶大なる人気の漫画だというのは知っていたんですが、読んだことがなかったんです。でも、今回この作品を監督することとなって、同世代の女性が普段ではありえないくらいの熱い反応で…。やはりバイブル的作品なんだなと、周りの反応を見て身が引き締まる思いでしたね。


原作を読まれた感想は?

■三木:すごくフレッシュに感じましたね。携帯のない時代のコミュニケーションの取り方だとか、会えないからこそ強くなる相手を思う気持ちだったり、当時ならではの恋愛のあり方というのを新鮮で面白く感じました。
また、和希と春山という二人の恋愛だけではなく、和希とママという娘と母の愛情のあり方をすごく丁寧に描かれているんですよね。ママが母親になるまでの物語でもあるし、和希が娘になるまでの物語でもある。自分が親世代になったからなのかもしれませんが、そこにすごく魅力を感じました。


主演の能年玲奈さんの魅力と言うのはどういったところでしょう。

■三木:能年さんは明るく活発なイメージがあると思うんですが、実際に会うと大人しくて、瞳の奥底に世界がある感じがするんです。内に秘めているものが大きな人だなと。紡木先生は「二人のまなざしを撮って欲しい」と言われたんですが、二人の目に惹かれた部分が大きいんだと思います。


監督から、能年さんや登坂さんにどのように演出されたんですか?

■三木:僕が演出で色付けすると言うよりは、彼らが持っている魅力をそのまま引き出したいと思っていました。二人も紡木さんにお会いしてリハーサルや演技を見てもらっているので、「そのままでいい」という安心感はあったと思います。


和希が原作よりも強い人物のように描かれていると感じたのですが、これは監督の解釈なのでしょうか? それとも能年さんの解釈ですか?

■三木:強さというのは弱さの裏返しだと思うんです。強い言葉を母親にぶつけたりするのは、和希の弱さを裏返しで表現しているんですよね。こういった表現は能年さんの演技のプランですね。


原作以上に和希と母親の関係性について濃く描かれているように感じました。

■三木:「今、なぜホットロードが映画化されるのか」と考えると、連載当時に、和希と同世代だった読者が今、ママの世代になっているんですね。あの頃は和希側で見ていた物語が、今は“母親になりきれず娘との関係性に悩んでいる”母親の立場も理解できるようになっている方も多くいらっしゃると思います。当時のファンたちが和希目線でも見られるし、ママ目線でも見られる、今だからこそ描かれるべき題材だと思ったんです。母娘で一緒に見てもらえるような映画になれば、良い時間を過ごしてもらえるのではないかなあと。そういう意味で、ママと和希の関係をより濃く描いたという部分はあります。


和希とママのマンションのセットやバイクなどが原作通りで驚きました。美術などにもこだわられたのでしょうか?

■三木:バイクは年代が出てしまうし、ファンの皆さんも見たい部分だと思うのでこだわりを持ってその時代のものを揃えたのですが、それ以外では、年代感が出過ぎないようにはしました。“1980年代”というよりも、“携帯のないあの頃”という感覚で、今の若い人たちに古さを感じさせないように気をつけましたね。


春山と和希の二人の自然なやりとりが魅力の作品だと思うのですが、能年さんと登坂さん自身の関係性はどんな感じでしたか?

■三木:二人ともまだ演技経験が少なかったので、リハーサルなども最初は照れたり人見知りしながら演じてました。そういう意味では、俳優二人の成長と共に、撮影が進んでいったのがよかったです。最初は殴るシーンから始まって、反発し合っていた二人がだんだんお互いを見る表情や眼差しが変わっていくんですが、彼ら二人の実際の関係性と連動していたような気がします。


和希が髪の毛を染める重要なシーンがありますが、そのシーンはどうでしたか?

■三木:これまで一度も髪を染めたことがなかったそうで、能年さん本人が一番ドキドキしていたみたいですね。今の若い人たちはファッションとして気軽に髪の毛を染めると思うんですが、あの頃は“髪を染める”というのが反抗心の現れだったりしたんですよね。でも、能年さんにとっては“髪を染める”というのが一大事だったので、彼女だからこそ、あのシーンに意味を持たせられたと思います。


これから起用してみたい俳優さんはいらっしゃいますか?

■三木:割と若い俳優さんと仕事させていただく機会が多いんですけど、若い俳優さんは自分の魅力に無自覚なところがすごく魅力的なんですよね。映画を撮影していく中で、芝居をしながら俳優本人がどんどん成長していったりするので、また新しいフレッシュな俳優さんと仕事をしたいなと思いますね。映画の中で俳優さん自身の成長が見てとれると、演出冥利に尽きますよね。


監督が映画を撮っていく上で一番大切にしていることはなんでしょうか。

■三木:自分が10代の頃に、映画に助けられたり、映画を観ることで想像力を広げて来られたという部分があるので、“あの頃の自分”に見せたい映画が撮れているかというのは、意識しているかもしれないですね。今の10代の子たちが想像力を広げられるような作品になればいいなと思いながら作っています。


監督が一番影響を受けた映画というのは、どの作品になりますか?

■三木:一番影響を受けたのは、大林宣彦監督の『時をかける少女』や『ふたり』などの新尾道三部作などがちょうど10代だったので、ガッツリはまって見ていた作品ですかね。


『陽だまりの彼女』と『ホットロード』で江の島を舞台に二作品撮られていますが、“江の島三部作”というようなものを撮られては?

■三木:ハハハ、もう一本撮ればできますね! 江の島はすごく素敵な場所なんですよね。江の島ってとてもシンボリックで、昼も夜もいろんな表情がある、面白い場所です。


ロケ地とかにはもお詳しいのでは?

■三木:そうですね、かなり詳しいです。でも、もう撮り尽くしたかもしれない(笑)


【取材・文/松村知恵美】


______________________________________________________________________

『ホットロード』
2014年8月16日より全国にて
配給:松竹
公式HP:http://hotroad-movie.jp/
©2014『ホットロード』製作委員会 ©紡木たく/集英社

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/306383/32366585

『ホットロード』三木孝浩監督インタビューを参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。




最新映画ナビ関連ブログ

最近の記事