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2013年11月25日 (月)

『あさひるばん』主演 國村隼インタビュー「僕にもこういう映画ができるんだと思えた」


連載35年目を迎え、コミック累計発行部数2500万部、映画化され22作が作られた国民的人気の『釣りバカ日誌』。その生みの親、やまさき十三氏がなんと72歳で映画監督に初挑戦した。タイトルの『あさひるばん』とは、高校時代の元野球部トリオの苗字、浅本、日留川、板東から取られたもの。かつての同級生3人が30年ぶりに再会し、故郷・宮崎でひと騒動を巻き起こす人情コメディだ。そんなハートウォーミングな作品に、主人公・浅本役で出演した國村隼に話をうかがった。コワモテな役柄の多い國村の新境地とは――。

『あさひるばん』予告編はこちら

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この映画へのご出演のきかっけはどんな経緯だったんでしょうか?

■國村:(原作で監督の)やまさき十三さんが3年くらい前から映画を撮りたいとおっしゃっていて、私に声をかけてくれていたんです。おそらく『釣りバカ』のようなテイストなんだろうな、と想像していました。最初は(出来上がった)この映画とはまったく違う話でしたし、登場人物も(私が演じた)“あさ”(浅本)と全然違うキャラクターでした。

やまさきさんとのお付き合いは長いのですか?

■國村:やまさきさんから「君とやりたい」とおっしゃってくれたんです。「あれ? 何を観ていただいたんだろう?」と、意外な気がしました。それまで個人的なお付き合いはなく、それがファーストコンタクトでした。

今回演じられた“あさ”の役柄には共感できるところがありますか?

■國村:演じるキャラクターには、そこにリアリティーを持たせて演じたいと思いますが、根っことしての自分を消すことはできません。自分ではないんだけど、役柄とシンクロするようにイメージします。“あさ”は甲子園を目指していますが、私は草野球しか経験がありませんし。でも、女性に対して煮え切らないところは似てるかな(笑)。

國村さんは“ヤクザ”を演じる時と、“普通の人”を演じる時とはどちらが難しいものですか?

■國村:ヤクザに対しては、観る人にも固定のイメージがありますよね。だからそれをいかに崩すか、というアプローチもできます。その意味で、普通の人は逆に難しさがあります。“あさ”のような普通の人をエンターテインメントとして成立させるのは、なかなか大変なところがありますね。

釣りのシーンは、釣り好きの國村さんのこだわりが?

■國村:やまさきさんにちょっとワガママを言わせていただいて、釣りのシーンがあるなら、餌釣りやルアーではなく、ぜひフライ(フィッシング)にしてほしいと。フライのテクニックはいろいろあるんですが、(撮影の)鈴木達夫さんのフレームを意識しながら竿を振っていました。

そういえば『釣りバカ』に一度ご出演されていますね(第14作『お遍路大パニック!』)。

■國村:私、三國連太郎さんが大好きなんです。いつか三國さんとご一緒したい、と思っていて。三國さんに会いたいから参加した、というのが本音です(笑)。

回想シーンの高校時代から、中年男になった現在まで空白の部分を考えましたか?

■國村:演じる役柄の、そこに至るまでの人生とその後。僕が興味があるのはそこなんです。どんなに極悪人でも、生まれた時から悪いわけではないしね。「コイツが今こうなっているのは、どんな人生を歩んできたんだろう、どんな育ち方をしたんだろう」って妄想しているのが楽しいんです。

あさひるばん


今回は板尾創路さんとご一緒ですね。

■國村:昔から知っています。彼の監督デビュー作(『板尾創路の脱獄王』)は一緒にやりました。今回の“ひる”(日留川)の役はピッタリだと思いましたね。

“ばん”(板東)役の山寺宏一さんと三人でプロレス技をかけるシーンは面白いですね。

■國村:撮影中、お二人とは映画の中の“3バカ”と同じような雰囲気でしたよ。“あさ”がプロレス技を食らうところは3人で「どうしようか」と考えていたところ、さすが板尾は映画監督ですね。「撮りやすいのは寝技やね」と。それで“首4の字固め”と“足4の字固め”。「やられるのは誰がいい?」「やっぱり“あさ”やろ」ということに。脚本では、ただじゃれ合っている、という感じでしたが、監督に「こんなんでどうですかね?」と言ったら、監督も「それでいきましょう」と言ってくれました。

これからも演じたことのない役柄を演じていきたいですか?

■國村:撮り手が、國村隼という役者にこんな役をやらせてみたい、とイメージを刺激する存在でありたいと思っています。その意味で、こういうアットホームな映画に指名していただいたのは嬉しかったですね。観終わって何か“ほっこり”して、「あー、面白かった」と言えるような映画に声をかけていただいて、「僕にもこういう映画ができるんだ」と思えて、今後が楽しみになりました。

最後にメッセージをお願いします。

■國村:やまさき十三さんが、72歳にして初めて映画監督に挑戦されました。『釣りバカ』を書いた方がどんな世界観の映画を撮ったのか、楽しんでいただけると思います。映画館に来て、3人のバカな(笑)おじさんが18歳の頃に戻って楽しんでいる様子を見て、僕らの年代だったら持っているであろう“青春のしっぽ”が今でも付いている、って感じてもらえると思います。“しっぽ”を確認に来てください。


インタビュー・文:川井英司 スタイリスト:島津由行 ヘアメイク:堀口一美
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(プロフィール)
1955年、大阪府出身。81年に『ガキ帝国』で映画デビューを果たす。その確かな演技力と圧倒的な存在感で、数多くの映画、TVドラマで強い印象を残している。海外での評価も高く、『ブラック・レイン』(89)『KILL BILL vol.1』(03)などにも出演。最近の出演作は『少年H』『許されざる者』『風立ちぬ』『そして父になる』、そして主演作『地獄でなぜ悪い』(13)。公開待機作として『抱きしめたい』『渇き。』がある。
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『あさひるばん』

2013年11月29日より全国にて
配給:松竹
公式HP:http://asahiruban.jp/
©2013 やまさき十三 / 「あさひるばん」製作委員会

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