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2012年6月29日 (金)

松たか子×阿部サダヲ&西川監督がお互いを大絶賛!『夢売るふたり』完成披露試写会

■実施日:6月28日(木)
■場所:日経ホール
■登壇者:松たか子、阿部サダヲ、西川美和監督

夢売るふたり

『蛇イチゴ』『ゆれる』『ディア・ドクター』で国内外の映画賞を総なめにし、いま最も注目すべき映画監督・西川美和の新境地となる最新作『夢売るふたり』。人々が日々すれ違いながら生きる東京で、松たか子と阿部サダヲ演じる夫婦が始めた結婚詐欺が、男と女たちのさまざまな“愛”を焙り出していく本作の完成披露試写会が開催され、松たか子、阿部サダヲ、西川美和監督が舞台挨拶を行った。

舞台挨拶では撮影時のエピソードも語られ、松たか子の蕎麦好きが明らかに。撮影中は何人ものスタッフが「松さんと蕎麦に行った」と自慢したという。また、舞台上の紐を引くと、松たか子、阿部サダヲ、西川監督がそれぞれ「男とは」「女とは」「愛とは」について考えた内容が登場する垂れ幕トークも実施された。

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松さん、阿部さんをキャスティングしたきっかけは?

■西川監督:映画賞か何かに(作品が)かかった時に初めてご挨拶させていただいたのですが、そこでは女優さんたちがキラキラしている中で、松さんはひっそりと座っていらっしゃいました。その時、こういう言い方するの失礼かもしれないんですが、“あ、この人普通だなぁ”と思って。完全なサラブレッドなのに、普通って、女優さんでは珍しいなと思って。今回は“普通の人”、市井の人を描きたくて、松さんがそういう役を演じられるのかなと。あとは、内容がグロテスクな話なので、これを演じてもらう女優さんには、“品”というものが絶対必要だな、そうでないとグチャグチャになっちゃうな、と思っていたので。今回は松さんにお願いしようと思いました。

阿部さんは、ずっと一緒にお仕事をさせていただきたいな、何かきっかけさえあれば…と思って狙ってたんです(笑)。お二人の組み合わせを、私も見たことないし、どういう雰囲気になるのかイメージがつかない部分もあったので。そこが化学反応を起こしてくれるとおもしろいなと思いました。お二人とも好きな役者さんだったので、このたびキャスティングしたという次第です。


松さんと阿部さんの初共演について

■松:とても楽しかったです。お芝居をしていることを“楽しい”と思えるのは幸せだな、と思えましたので、好きな俳優さんが共演でよかったなと。自分の目が確かだったな(笑)、狂いはなかったと思いました。

■阿部:共演する前の松さんのイメージは、ほんと完璧な人、欠点の無い人、という女優さんで。監督が「OK!」って言ったら「うん、わかってる」「そうでしょ」みたいな(笑)。そういう人かなと思っていたのですが、お会いしたら全然そんなことはなくて。監督からOK がかかっても「今ので良いでしょうか」と。普通…というか、さっきも入場時に転びかけてたり。普通より…下でもいいぐらい?(笑)でも芝居は本当に素晴らしい女優さんです。


『ゆれる』『ディア・ドクター』は男性目線の映画でしたが。今回女性目線で描きたかったものは?

■西川監督:女性のみっともないところ。誰も見たことのないというか、厳密にはそんなことないんだろうけど、なかなかスポットを当てられない、女の、同性からもスポットライトを当ててもらえないような、都会の片隅で一人、自分の生きる道を模索している女性というのを描いてみたいなと思いました。女の人の生活ってどんどん多様になっている、それだけに悩みも複雑で。30 代とかになってくると、色んな複雑な思いを抱き、あがきながら、歩んで行くしかない、っていう。そういう、大人の女性の“生きづらさ”を描いてみようかなというのが今回ありました。


撮影中、印象に残っているエピソード

■松:最初のシーンの撮影が夜のパートだったので、撮影は夜になってから明るくなるまでの勝負だったんです。普通の人が寝静まった頃に働き出して、普通の人が働き出す頃に終わる、みたいな。こう、昼夜逆転みたいな生活をしてみて、夜のお仕事の人たちの生活が少しわかった気がしました。


本当にたくさんの女優さんとの絡みがありましたが。

■阿部:絡み…(笑)。それぞれの個性がおもしろかったですね。みなさんそれぞれ、劇中では職業がバラバラで、松さん(里子)が見つけてきた人もいれば、僕(貫也)が見つけてきた人もいるんですけれど、その人たちの役への入り方がすばらしいと思いました。上映前なのでどこまで言っていいかわからなかったので、また今度…(笑)。

■西川監督:阿部さんはどの女の人と一緒にいても楽しそうでした。松さんは―…なんだろう、この人(笑)。

■阿部:たぶん、間違いなく言えるのは“お蕎麦が好き”なことですね。

■西川監督:何人ものスタッフが「松さんと蕎麦に行った」と自慢していましたね。しかも蕎麦、食べるの早いんですよ。

■阿部:蕎麦食べる以外も、現場入りも、着替えも、何でも早かった。歌舞伎の早着替えかっていうくらい(笑)。

■松:好きです、ええ。浅草など下町がロケ地だったので、蕎麦屋を見つけては一人で入ったりしていました。


【垂れ幕トーク】

■松:男とは。と聞かれても答えに困るものである本当に思いつかなくて…。あまりにも困っていたら夫が考えてくれたんですが、その内容が「(男とは)歌舞伎の家の娘に聞くな」っていうもので、ちょっと波紋を呼びそうだったので(笑)。本当にわからなくて、白旗を上げてしまいました!すみません!

■阿部:女とは。うちのネコみたいである僕も松さんみたいに書きたかった。その勇気がなかった。いいなぁ…。そのとおりだと思う。だから、こんな答えになってしまったんですが(笑)。わかんない、ってことです。飼ってるんだか飼っていないんだか、なついているんだかいないんだかもわからない。なついていると思ったら、急にいなくなるし、なんだかよくわからないけど怒ってるっぽいときもあるし…。女の人っぽいなと思って。まぁうちのネコ、オスなんだけど。(会場笑い)

■西川監督:愛とは。と、語るやつほど、我愛(いと)しなり。まぁ、そんなもんです。むつかしいというか、色んな愛の形のひとつです、この二人が演じたのは。こういうつながり方でも、夫婦ってあるんだな、と。

夢売るふたり

これから観るみなさんへ一言ずつ

■西川監督:お二人いつもゆったりと、全然緊張していないような雰囲気で現場にもいらしていたんですけれども。お芝居は…完璧でしたね。もう何も言うことがないぐらい、二人とも素晴らしいお芝居をしてくださって。それ(芝居)に対しての心構えも、しっかり準備されてきたなぁと感じました。全力で役に対して向き合ってくれて、非常に血の通った作品になったと思いました。是非楽しんでいってください。

■阿部:自分がこれまで役者をやってきて、今までやったことがない役、やったことがない表情を引き出していただいたと思います。初めてなんです、こういう役。観終わった後に話したいんですが、観た後に色んな意見があっていいというか、一人一人全員違うんじゃないかっていうぐらいで。本当におもしろいですよね。今日、一緒に観に来た人と、三夜ぐらい話し合っていただけるんじゃないかっていうぐらい(笑)不思議な映画だと思います。また二、三回観て意見が変わってもいいなとも思います。

■松色んな見方ができる作品だと思います。自分以外の人の意見に寛容な気持ちで物語を楽しんでいってください。

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『夢売るふたり』
2012年9月8日より新宿ピカデリーほか全国にて
配給:アスミック・エース
公式HP:http://yumeuru.asmik-ace.co.jp/
©2012「夢売るふたり」製作委員会

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