« あなたは本当の“脅威”を体験する――これぞ世界が認める心理スリラーの真骨頂『テイク・シェルター』3/24公開決定 | メイン | 『サラの鍵』ジル・パケ=ブレネール監督インタビュー »

2011年12月16日 (金)

『サラの鍵』クリスティン・スコット・トーマス インタビュー

『サラの鍵』クリスティン・スコット・トーマス インタビュー

1942年7月16日のパリ。10歳の少女サラは両親と共に警官に連行される直前に、弟のミシェルを秘密の納戸に隠して鍵をかける。「すぐに帰る」と約束をして。しかし、それはフランス警察が1万3千人のユダヤ人を屋内競輪場(ヴェルデイヴ)に収容した一斉検挙だったのだ。2009年、フランス人と結婚しパリに暮らすアメリカ人ジャーナリストのジュリアはヴェルディヴ事件の取材を通じ、夫の家族の秘められた過去を知る事になる…。

弟との約束を守りたい一心で鍵を握りしめ、迫害の地獄絵を生き延びようとする少女が背負ったあまりにも残酷な運命。たとえ幸せな家庭生活を壊す事になっても真実を追究せずにはいられないジャーナリストのジュリアが、一人の人間として選び取って行くひとつひとつの決断・・・。

見るも者の心を揺さぶる作品『サラの鍵』で、ジュリアを演じたクリスティン・スコット・トーマスのインタビューが届いた。

------------------------------------------------------------

Q:原作であるタチアナ・ド・ロネの小説はすでにご存知でしたか。

■クリスティン:娘を通して知りました。シナリオを読んで素晴らしいと思ったので、この小説知ってる?と娘にたずねたところ「その映画、絶対やらなきゃだめよ、すごいじゃない!」と言ってくれたんです。当時、私はブロードウェイの舞台に立っていたのですが「それならぜひ読まなくては!」と思ったわ。この小説と出来上がった映画は兄弟のような関係です。共通する部分もあれば、それぞれに素晴らしい個性があるのです。

Q:貴女にジュリアという人物を演じる決意をさせたものは?

■クリスティン:まずストーリーです。人は前進を続けながら、どのように過去と共存すればいいかを示しています。それにジュリアは素晴らしい女性です。彼女は母親であり、娘との関係も映画には描かれています。そして自分の人生に責任をもって行動するジャーナリストとしての彼女。ジュリアは1942年7月のヴェルディヴのユダヤ人一斉検挙について、当時10才の少女だったサラについて調査をします。今を生きながら彼女は戦争とも向き合うのです。戦争について知ることは家族の秘密を暴くことにもつながります。彼女は彼女なりに償おうとする。一方で彼女自身の日常にも突如波風が立ち始めます。彼女にとっては願ってもない妊娠が、夫婦の危機を引き起こすことになるからです。ただ、苦しみの渦中にあっても人は幸福感を味わえる、それは本当に素晴らしいことです!


Q:ジル・パケ=ブランネール監督によると、貴女の人生はジュリアの人生に重なるものがあり、貴女のシンプルな演技が必要不可欠だったということですが…。

■クリスティン:個人的には胸がいっぱいになるシーンは多々ありましたが、お涙頂戴な演技はご法度でしたから!私は外国人としてもう何年も前からパリに住み、医者やジャーナリスト、弁護士の知り合いが大勢いる環境で生きています。最近では、イラクやコソボの戦地を取材した素晴らしい女性報道記者と知り合いになりました。現地で彼女は悲惨な情景を目の当たりにしていた。それでも自宅に戻るまでは、気丈に取材を続けたそうです。語り伝えることは私たちひとりひとりの義務じゃないでしょうか。目を見開いて見ることです。感傷や弱気に負けて立ち止まってはいけないのです。それはまさにこの作品を通して、監督が見事に実践していることです。監督は悲劇を扱いながら、過剰な感傷主義を回避しているのです。


Q:精神的にきつい役だったかと思いますが、どのように役と距離を置くのですか。

■クリスティン:それが私の仕事です!25年前からやっていることです。なので、今回のような精神的に影響を受けがちな役でもどうやって対処すればいいかはちゃんと解っているのよ。でも、正直なところ、今回撮影終了時には完全にノックアウト状態で、実際ダメージはありましたね。それはこの映画が全ての原因ではないのだけれど、いつも素晴らしい役をいただけるのはラッキーなことなので、毎回、全力投球できるパワーを持ち続けたいですね。


Q:共演者について

■クリスティン:監督に「夫役には誰がいいですか」と聞かれたので、「フレデリック・ピエロ!」と答えました。彼には何ともいえない色気があり、男っぽさを感じます。そして子役のメリュジーヌ・マヤンス(主人公:サラ)も素晴らしかった!中でも、これはすごいと思ったシーンがあります。警察が管理人の女性に鍵を渡し、地下の物置を開けるよう促す重要なシーンです。そのときサラは、「大人はみんながみんな信用できる人たちばかりじゃない、親切なんかでもない!」という複雑な表情を見せるのです。本当に素晴らしい女優だわ。


Q:最後に一言。

■クリスティン:この映画が本当に描いていることを忘れないで欲しいわ。それは人生が続いていくということ、人間には立ち直る力があるということなの。最悪な悲劇に直面しても私達は進みつづけるのよ。

------------------------------------------------------------
サラの鍵『サラの鍵』
2011年12月17日より銀座テアトルシネマほか全国にて
配給:ギャガ
公式サイト:http://www.sara.gaga.ne.jp/
©2010 - Hugo Productions - Studio 37 - TF1 Droits Audiovisuel - France2 Cinema

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/306383/27611901

『サラの鍵』クリスティン・スコット・トーマス インタビューを参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。




最新映画ナビ関連ブログ

最近の記事