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2010年12月12日 (日)

『最後の忠臣蔵』役所広司 オフィシャルインタビュー

『最後の忠臣蔵』役所広司 オフィシャルインタビュー

忠義という名の、気高く美しい愛が、時代を超えて人々の心を打ち、膨大な数の小説、映画、ドラマ、舞台に形を変えて、今も語り継がれている史実「忠臣蔵」。だが、大石内蔵助以下、赤穂浪士四十七士による討ち入り、切腹というクライマックスは本当の結末ではなかった。なぜなら赤穂浪士の中に、討ち入り後の役目を帯びた二人の生き残りがいたのだ…。『ラスト サムライ』『硫黄島からの手紙』で、アメリカから見た日本の心を描き切ったワーナー・ブラザースが、今度は日本人の目で、真っ向から挑む本作『最後の忠臣蔵』。瀬尾孫左衛門を演じる役所広司オフィシャルインタビュー。

『最後の忠臣蔵』役所広司 オフィシャルインタビュー

『最後の忠臣蔵』は<忠臣蔵>のその後の物語ですが、池宮彰一郎さんの原作は以前からご存知でしたか?

■役所広司:知らなかったですね。撮影に入る段階で読みました。

読んでみてどんな印象でしたか?

■役所広司:原作はいつも映画に比べて長いので、読み続けていくとどんどん深い部分まで読めていきますが、それをどう映画化するかですね。『最後の忠臣蔵』は特に原作の最後の部分だけですし、吉右衛門の物語のエピソードとして孫左衛門は出てきます。そこをどう映画時間にするかという点では、脚本の田中陽造さんが人形浄瑠璃を絡めたり工夫をされて、より個性的でオリジナルの部分のある脚本になったなと思いました。

侍の忠義として討入り後に同志たちが切腹をする中で、孫左衛門は可音を育て上げるという大役を担いました。映画を観ていて自分だけが生き残ったことに対する辛い気持ちが感じられましたが、孫左衛門はどのような気持ちだったのでしょうか?

■役所広司:孫左衛門は討入りから外れろと言われて違う使命を与えられますが、主と最後を共にできないという寂しさはあると思います。でもその後与えられた使命をまっとうしていくことは孫左衛門にとって喜びだったと思います。使命を果たして息つくということは決めていたのだと思います。一番辛かったことは、育て上げよと言われた娘に対して、恋情というか、男と女として見てしまった自分の気持ちじゃないでしょうか。そこが一番人間的で、ただ単に親代わりで娘を育てたというのとは違って、後半にかけて自分の中に恋情があったことに戸惑いがあったんでしょうね。それは辛かったと思います。ただ育て上げて主の元に行くというのは、それ自体が目的なんだということですね。

『最後の忠臣蔵』役所広司 オフィシャルインタビュー

当時の主従関係にあった絶対的な絆を見ていて感じたんですが、当時の忠義や主従関係に対して、どういった印象をお持ちですか?

■役所広司:お家って言いますよね。自分たちの国というか。家ということはやはり自分たちの家族とか子孫はその家によって守られていく。そのお家があって、そのお城一つだけではなく、そこに住んでいる庶民たち含めて守っていくのが侍だと思いますね。そういった意味でお家=主というものに奉公することは喜びで、自分たちの一族が全部そこで生きて来られたということがあるので、会社員でいつでもヘッドハンティングされたらいけるという現代の状況とはまた違うかもしれないですね。雇う方もしっかりと面倒を見てきたというのはあるのかもしれませんね。

生涯をかけて大石様に仕える、ということが現代では考えられないと思いますが、若い人たちにはどこを見て欲しいですか?

■役所広司:もちろん若い人たちにも見てもらいたいですよね。日本映画の中で時代劇というジャンルは非常に良いものだと思います。それを若い人たちが観て楽しんでくれれば、色々な時代劇でかつての自分たちの先祖の姿を紹介できると思います。今回の場合はやはり自分たちの国のプライドのために戦った四十六士という仲間がいて、彼らは討入りを成就させて黄泉の国に旅立ちましたが、孫左衛門と吉右衛門はそれ以外の使命を与えられて、それをまっとうした。今は時代も変わったし、現代人だったら自分だけでも生きたいと思うかもしれないけれど、やっぱり自分たちの仲間、自分もその一員だと思えば自分だけが生きながらえることはできないというか。残りの人生を生きたならば、死ぬまでずっと”生き残ってしまった自分” に対する後ろめたさというのを感じていないといけないのではないかと思いますよね。それだけの意思を貫徹させる人間として、侍として、男としての力が昔の日本人は強いなという感じがしますね。

瀬尾孫左衛門を演じる上で、もっとも気を使われたシーンはありますか?

■役所広司:もう武士という生き方が廃れてきている時代に、一生懸命武士として生きようとした男として、気持ちの上でそのあたりが一番大事かなと思いました。最初から武士というのではなくて、最初は足軽として座敷にも上げられない、庭先で膝をついている身分ですからね。

『最後の忠臣蔵』役所広司 オフィシャルインタビュー

最初から役への心持ちは固まるものですか?それとも撮影中にだんだん変わっていったりするのでしょうか?

■役所広司:撮影に入る前に台本以外に色々なものを読んだりしました。原作の中にも映画に役立つところとか、討入りってどんな事件が発端でどんな風にして起こったかを僕はあまり知らなかったので、そういうのを読んだりしながら瀬尾孫左衛門というリアリティを考えていきました。あとは現場に行ってからですね。現場でセットに身を置いていくうちに自分の中に染み入ってくる感じですね。映画のセットというのは結構影響するんですよ。お芝居ですから現実にあることではないことをやるわけですが、良いセットだったり、良い衣装だったりすると気持ち良く、ためらいなく嘘がつける(笑)。

非常に豪華なキャストが見所ですが、共演者の方々とのエピソードはありますか?

■役所広司:一番お話ししたのは佐藤浩市さんですね。色々な日本映画の情報を話したり、あとは一緒に競馬をやったり。で、一緒に負けたり(笑)。

佐藤浩市さんはどんな方ですか?

■役所広司:本当に色々なジャンルで色々な役にチャレンジして、すごく素晴らしい俳優ですからね。僕は娘役の桜庭さんとのシーンが多かったですが、佐藤さんが来たときは安心して頼もしい感じがしましたね。

桜庭さんはしっかりされた印象で、ベテランの雰囲気がありましたけど、普段はいかがでしたか?

■役所広司:しっかりした子だと思いますよ。監督が桜庭さんを愛情もってしごきましたから。そういう意味では桜庭さんも頑張っていましたね。

杉田監督の印象は?

■役所広司:杉田監督は以前テレビドラマで一度ご一緒させてもらいましたが、とにかく時間をかける、非常に丁寧で粘り強い監督です。

今作の見所は?

■役所広司:時代劇で描かれる昔の日本人の生き方というのは、現代人としては学ぶべきところが非常にたくさんあり、この映画でも忠義とか自分に与えられた使命をまっとうするその精神がつまった映画だと思います。これは映画ですが、こういう人たちが頑張ったからこそ、自分たちの命がつながってきているのに、精神だけが途中でちょっと消えうせてきているような気がします。これから日本人として、日本人のプライドを持って生きていくためにはこういう昔の日本人たちの教えというのは大きいのではないかなと思いますね。
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『最後の忠臣蔵』
2010年12月18日 より 丸の内ピカデリーほか全国にて
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式HP:http://www.chushingura.jp/

©2010「最後の忠臣蔵」製作委員会

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