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2010年11月23日 (火)

『しあわせの雨傘』カトリーヌ・ドヌーヴ インタビュー

『しあわせの雨傘』カトリーヌ・ドヌーヴ インタビュー

ヨーロッパ各国で大ヒットを記録し、日本の女性たちにも陶酔のため息をつかせた『8人の女たち』から8年。あふれる才能を磨き続けたフランソワ・オゾン監督が、本作で再びカトリーヌ・ドヌーヴを起用し、きらびやかな世界に帰ってきた!観る者の予想を小気味よく裏切る結末、心躍る高揚感、そしてその後に押し寄せる深い余韻──。まるでヴィンテージ・シャンパンのような、爽快でありながら奥深い至高の逸品。1月8日より公開の映画『しあわせの雨傘』のトリーヌ・ドヌーヴ オフィシャルインタビュー。

冒頭の赤いジャージのシーンはインパクトが強く非常に驚いたのですが、最初に赤いジャージを着られると聞いてどう思われましたか?


■ドヌーブ:赤ジャージを着る案は、“撮影のときに初めて知った”ってわけではなかったの。それ以前にいろいろなものを試着して、一緒に衣装を決めるというところから私は関わっていたから、実際には赤だけではなく緑とか青とかの色んな色のジャージを着てみたのよ。オゾン監督とコスチューム係の人と一緒に決めたことなので、聞いて驚いたということはなかったわ。

赤ジャージを着られる際、頭にネットをかぶるというアイデアはドヌーブさんの案だと伺ったのですが、どのようなイメージで閃かれたのでしょうか。


■ドヌーブ:確かに頭にカーラーをつけたままというのは私が提案したわ。髪が長いのでバサバサしないように何かで止めないとと思ったのだけれど、ヘアバンドをするというのはちょっと洗練されすぎる感じがして。例えばアメリカ人女性は、朝の支度をする時、頭にカーラーをつけたまま準備をしたりするでしょう?見た感じはおかしいけれど、「出掛けるときは完璧よ」って。今回のカーラーは、そういうイメージで私がオゾン監督に提案したの。カメラテストをしてみて、OKを頂いたわ。ちょっとおかしな感じはするけれど、こうした方が洗練されずにいいかなと思ったの。

ドヌーブさんは普段ジョギングとか、ジャージを着られて身体を動かすことはあるのでしょうか?


■ドヌーブ:ジャージは着心地が良いから、田舎にいる時なんかには着たりします。ジョギングは個人的に好きではないので、どちらかというとウォーキングをしているかしらね。

本作は1977年が舞台になっており、当時の女性のあり方がとてもリアルに描かれていますが、当時と今とでは世の中の女性の捉えられ方とか社会の関わり方は違っていると思われますか?


■ドヌーブ:もちろん、当時と今とでは幸いにも世の中が変わってすごく進化したと思うし、より女性も責任を持った立場で仕事をする人も増えているわね。ただ、まだ男女平等というのは叶っていないし、実際100%叶う日がくるのかはわからないわ。でも、間違いなくこの時代と今では変わっていると思います。

ダンスシーンが印象的でした。ジェラール・ドパルデューとカメラ目線でディスコダンスを踊っているシーンはとてもインパクトが強く強烈でしたが、あのシーンの撮影は楽しかったですか?また撮影秘話などがあったら教えて下さい。


■ドヌーブ:あのシーンはすごく冒険的なもので、いろいろなエピソードがあったのよ。
まず、あのシーンは本物のナイトクラブで撮影していて、恐ろしく暑い場所だったの。特にジェラール(・ドパルデュー)は暑いのが苦手なので、リハーサルの時はシャツ姿だったけど、本番ではジャケットまで着なくてはならなかったから、それが本当に大変だったみたい。狭い場所で、人も多く、ライトも多くて、本当に暑かったわ。
もう1つ大変だったのが、振り付けね。まさか、こんなに本格的なダンスシーンだとは思ってなかったのよ!あまり長時間のリハーサル時間を取れなかったから、練習も充分でなくて。結局私たちが踊っているシーンでは、カメラの向こう側で振り付け師が背中向きで同じ踊りをしてくれて、私たちはそれを見ながら踊ったという裏話があるわ。

全然そんなふうに見えなかったです。


■ドヌーブ:振り付け師が前で踊ってたのはずっとじゃないの。振り付け師の人には、ところどころ前で踊ってもらったのよ。そのうち、ようやく振り付けを覚えることが出来たわ。プロのダンサーだったら、何てことないシーンなんでしょうけど、私たちは慣れていない上に、とにかくあんなに暑い場所で踊った経験なんてなかったから、撮影には1.5日も掛かったのよ!使われたシーンとしては短いけれどね。

ラストシーンの、『そうよ、人生は美しい』というドヌーヴさんのセリフには、すごく説得力がありました。


■ドヌーブ:あの台詞は、ジャンフェラの歌の歌詞ね。
毎日ではないけれど、私も人生は美しいと思う日もあるし、とても素晴らしい言葉だと思います。

オゾン監督とは、『8人の女たち』以来8年ぶりの仕事ですね。オゾン監督の現場というのは、楽しい感じ雰囲気なのですか?それともハード?


■ドヌーブ:ハードワークであったことは確かだけれども、撮影はとても楽しい雰囲気で行われたわ。この作品はベルギーで撮影していて、ベルギーチームとフランスチームがあったの。3/4くらいはベルギーの方で撮影しました。撮影したのは秋だったけれど、この映画は春のシーンが多いから、セットを造りこんだり、照明を工夫したり、いろいろな作業があって、とにかく人が多い撮影場所だったわね。でも、撮影当初から素敵な雰囲気が続いて、オゾン監督もみんなも、楽しみながら撮影してたわ。

ずばりオゾン監督の魅力はどういったところでしょうか?


■ドヌーブ:オゾン監督は人を見る目や物語を見る目が、すごく独特。基本的には皮肉っぽい見方をしているけれど、ちゃんと色々な想像力を働かせながらものを見ることが出来る監督だわ。彼はカメラワークも全部把握しているし、常に俳優の近くにいてくれる存在ね。

本作では、製作の初期段階で監督からドヌーブさんに出演依頼があり、以降ドヌーヴさんは制作面にも関わられていたということですが、具体的にどのシーンがドヌーブさんの意見が反映されたのですか?


■ドヌーブ:そう、私はこのプロジェクトに最初から参加させてもらったの。すごく早い段階から、オゾン監督は私に声を掛けてくれたから。ただ、それは逐一状況を報告してくれたり、意見を聞いてくれたりということだったから、別に、私の発案で具体的に作られた明確なシーンがあるということではないのよ。作品がつくられていく段階ごとに関わって、全体的にコラボレーションしたっていう印象ね。
一般的には、俳優は脚本が完成されて、「さあ撮影だ」っていう段階で話をもらうことが多いけれど、今回私は、この作品が成長してくすべての過程を見ることが出来たわね。

本作でドヌーヴさんが演じられているスザンヌは、みんなから愛されている役柄。夫のロベールも態度は冷たいけど心の底では愛しているし、かつての恋人のババンからも愛を受けていました。スクリーンを見ている私たちまでも虜になってしまうような、素晴らしく魅力的な女性を演じるにあたって、気を付けたことはありますか?


■ドヌーブ:夫のロベールは、あまりいい人じゃなかったわよ(笑)。
私がスザンヌを演じるにあたって気を遣ったのは、各シーンの中で、自分がどういう形で存在するかってことかしら。この作品はコメディで、コメディというのはすごく瞬発的なエネルギーが必要とされるの。相手役の俳優と演技を共にする時に、自分の演じるキャラクターの在り方にとても注意を払わなくてはいけないし、集中力も必要とされるわ。自分がどう演じるか、というだけでなく、今回はシーン全体のことを考えて、その中で自分がどういう役割を果たすのかって考えるようにしていたわ。

話はそれますが、ドヌーブさんから見た日本の印象は?


■ドヌーブ:私にとっては、とてもエキゾチックな国。フランスの文化と全く違うという意味でも惹かれるわ。言葉が通じないフラストレーションも勿論あるけれど、でも言葉が分からないからこそ、より自分が“外もの”であるって実感できるところも魅力的なのね。私は日本の街も好きだし、文化も好きだし、映画も好きだし、料理も好きよ!日本文化全体がフランスでは人気になっているの。

ありがとうございます。では、最後にファンの皆様に、『しあわせの雨傘』の見所を一言お願いします。


■ドヌーブ:この『しあわせの雨傘』は、演じていても本当に楽しいコメディだったので、皆さんも気分爽快になれると思います。フランス映画としては、この手のコメディは稀なものですから、是非より多くのお客様に見に来て頂いて、私が演じていた時に楽しんだように、皆様にも楽しんで頂きたいと思います。


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『しあわせの雨傘』
2011年1月8日 より 新宿ピカデリーほか全国にて順次公開
配給:ギャガ
公式HP:http://amagasa.gaga.ne.jp/

©Mandarin Cinema 2010

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