タランティーノも絶賛!『フローズン・リバー』東京フィルメックス上映&監督来日

3連休最終日の11月23日(月・祝)。有楽町朝日ホールにて、特別招待作品『フローズン・リバー』が上映された。
初監督にして初長編となった本作は、アカデミー賞主演女優賞・オリジナル脚本賞にノミネートされ一躍注目の話題作となった。そんな話題の作品『フローズン・リバー』が、アジア映画中心の映画祭にもかかわらず東京フィルメックスで上映が決まり、多くの方が来場された。また、日本初来日となったコートニー・ハント監督を迎えてのQ&Aは、作品終了と共に沸き起こった拍手と共にスタート。
『フローズン・リバー』公式HP>> http://www.astaire.co.jp/frozenriver/
実話を本にしているが、脚本を執筆するためにリサーチにかけた時間や、実話とは別に脚色したエピソードは?
■ハント監督:「実際に背景となる状況があり、アイデアはそこから生まれてきた。保留地を媒介にして起きる様々な出来事がアイデアとなっている。その地域に住んでいる人々のドキュメンタリーとしての要素もあるわ」
凍りついた川を車で渡るシーンが多く登場するが、撮影実現に至った経緯は?
■ハント監督:「ハリウッドならCGやら製作費をかけて、いくらでも作る事は可能でしょう。ただ、それだと常識に欠けると思います。私たち(インディペンデント映画)は、もちろんお金のこともあるが常識に基づき、近くの大学の氷専門家に、氷の厚さと安全性について、きちんとレクチャーを受けました。また、技術スタッフ自身も研究してくれた。私自身が母親であるからこそ、キャストのリスクには最大限の注意を払ったわ」
Q&Aでは、上映後に沸き起こった拍手の余韻からか、客席からの挙手が相次いだ。
作品のキーワードである『母性』に絡めて、なぜ父性ではなく、母性を強く打ち出したのか?
■ハント監督:「(脚本を書き始めた段階では、母性ありきではなかったと前置きし)元々のテーマは、境遇の違う2人の女性が、ひとつのことに連帯できるかが重要だったの。でも仕上がった脚本を読み返してみて、2人の連帯の要が『母性』であると気づいたわ」
主人公2人が追い詰められた状況を脱してからの展開は?
■ハント監督:「あの土地での実際の状況を活かしたかった。2人が行っている不法移民の密入国手引きは、確かに犯罪だけど、特定の誰かが傷つく犯罪ではないの。この曖昧さを残したのは、彼女達ならどう考えて行動するだろうか…キャラクターの個性に正直でありたかったから」
また、その個性から生まれるレイとライラの関係性の変化にも触れ「当初は白人・先住民と異なる立場で、お互いを嫌悪していた2人が、逃れられない状況で行動を共にするうちに、最後には「繋がり」が生まれていった」と、登場人物たちに身を任せて書いたことを強調した。
失踪したレイの夫が、なぜ一度も作品中に登場しなかったのか?また、なぜ夫を必死で探さなかったのか?
■ハント監督:「一般的なハリウッド映画のセオリーとして、女性が危機に瀕している時に、どんな男性であれスクリーンに登場すると『男性が女性を助けるだろう』と、観客を惑わす結果になると思うの。夫が何度も所在不明になる経験をしていることを踏まえれば、夫の長期間不在に信憑性がある。もし5分遡って、夫がいなくなった予感や、探す状況を描いていたら、全く違うタイプの映画になってたでしょうね」
最後にキャスティングへのこだわりについては?
■ハント監督:「実際のモホーク族をキャスティングするとは不可能だったので、ライラ役には容姿の似ていたミスティ・アップハムを起用したわ。レイ役のメリッサ・レオは、『21グラム』(2003年、アレハンドロ=ゴンサレス・イニャリトゥ監督)でレイ同様に力強い女性を演じており、実際に会ったときも、人間的な存在感に満ち溢れていた。コミュニケーション能力にも優れており、何より主役を張る素晴らしい才能の持ち主」
ここで時間となりQ&Aは終了。日本語版パンフレットの特別販売が告げられると、急遽ハント監督のサイン会が催され、50名近い観客のサインに、気さくに笑顔で応じたハント監督には、再度大きな拍手が送られた。
『フローズン・リバー』
配給:アステア
公開:2010年正月第二弾
劇場:シネマライズほか全国にて順次公開
公式HP:http://www.astaire.co.jp/frozenriver/












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