『ATOM』 マリアン・ガーガー(プロデューサー) インタビュー
■出席者:マリアン・ガーガー

あの手塚治虫の名作「鉄腕アトム」が、ハリウッドで遂に映画化。3DCGデザインにより新たに蘇ったアトムは、愛らしくも躍動感が溢れ見る者を魅了する。
日本発のキャラクターは、ハリウッドで映画化されると残念な結果になることが多かったが、この『ATOM』は原作の大切な部分をそのままに、今の時代にマッチした新生アトムとして見事に蘇った。
オリジナルに対する誠実さを失わずに本プロジェクトをプロデューサーとして纏め上げたのは、ドリームワークスでアニメーションの仕事に携わっていたマリアン・ガーガー。「鉄腕アトム」及び『ATOM』の魅力についてお話を伺いました。
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「鉄腕アトム」は、アメリカでどれぐらい知名度があるのでしょうか?
■マリアン・ガーガー(以下、MG):「アトムはアメリカでもポップカルチャーのアイコン的な存在で、知名度はかなり高いです。ただ、アトムの名前と顔が一致しても、そのストーリーを知っている人はあまりいないと思います。ですから、今回の映画が、多くの方々にアトムの物語を紹介出来る機会になれば良いなと思っています」
ではなぜ、「鉄腕アトム」を紹介しようと思ったのでしょうか?
■MG:「とても素晴らしい物語であり、特別な存在だからです。映画にしても優れた作品になる可能性を秘めていると思い、今回、映画化しました」
マリアンさんは「鉄腕アトム」のどこに魅力を感じたのでしょうか?
■MG:「やっぱり物語の持つ深遠さですね。子供を失った親が、そっくりのロボットを作るというアイディア自体が素晴らしいと思いました。そして、深くアトムに触れるつれ、作品に込められた人間性、道徳観、メッセージ性といったものにも興味を持つ様になりました」
「鉄腕アトム」は50年以上も前に誕生しましたが、何故、今『ATOM』なのでしょうか?
■MG:「アトムが持つメッセージ性はとても力強く、時が経っても色あせるものではありません。人間性溢れるアトムのキャラクターはとても魅力的であり、普遍だと思っています」
科学の進化が目覚しい今の方が、逆に響くような気がします
■MG:「映画化するにあたり、アトムの見かけもそうですが、アトムを取り巻く環境も現代に合うように変えました。だからそのような感想を抱くのだと思います」
「鉄腕アトム」は長大な物語ですが、今回、どう物語を作っていこうとしたのでしょうか?
■MG:「確かにアトムには数多くのエピソードがありますが、アトムが映画化されるのは今回初めてです。ですから自然の成り行きとして、“アトムの誕生”という最初の部分を皆さんにご紹介することにしました」
プロデューサーとして、どの部分に特に気を付けましたか?
■MG:「製作期間が20ヶ月しかなかったので、とにかく仕上げること!でした(笑)。それは冗談として、アトムは日本の方々が大切にしてきたキャラクターですから、日本の方々が『ATOM』を見た時に、“これはおかしい!”“これはアトムじゃない!”といった違和感や不快感を抱かないように作ることに気を付けました」
どのようにして回避したのでしょうか?
■MG:「今回、手塚治虫さんの長男である手塚眞さんや、手塚プロダクションの清水義裕さんとパートナーシップを組んで製作させて頂きました。彼らのアドバイスはとても貴重であり、有益でした」
手塚眞さんとの出会いはいかがでしたか?
■MG:「光栄に思っています。手塚眞さんをはじめ、手塚プロの方々は今回のプロジェクトに対して、とても前向きでした。まず、キャラクターのクリエイティブのライセンスを我々に渡してくれました。そして、“日本以外の人たちにアトムを理解してもらうためには、どうしたら良いのか?”という課題に、一緒に取り組んで下さいました」
日本語吹替え版はいかがでしたか?
■MG:「素晴らしかったです。上戸彩さん(アトム役)、役所広司さん(テンマ博士役)を始め、日本人のキャストの方々は本当に見事でした」
特に上戸彩さんは、日本人が見ても上手い!と思わせる演技でした
■MG:「アトムはいつも女性の方が声を当てられていたと聞いております。日本語が分からない私が聞いても、いかにもアトムの声という感じで、とても説得力がありました」
本作の魅力は?
■MG:「まず物語が良く出来ています。その魅力的なストーリーにアクションやコメディといった要素が散りばめられているので、『ATOM』をご覧になった方は、魅了されて最後まで楽しんで頂けると思います。そもそも映画というものは、物語が面白くなければ何をやっても上手くいかないものです」
全米ではかなり大規模な公開となりますが、プレッシャーはありませんか?
■MG:「幸福感だけよ!(笑)。スクリーンの数が多ければ多いほど成功する可能性が高くなりますし、より多くの人に見ていただけるチャンスになりますから、大規模な公開は嬉しい限りです」
ヒットしてシリーズ化というような構想は?
■MG:「勿論よ!そうなれば良いなって思っています」
それでは、最後にこれからご覧になる方に、一言お願い致します
■MG:「本作品に関わった全ての人が、日本の宝であるアトムに敬意を表しています。キャスト、スタッフだけでなく、パートナーの企業の方々全員が、その気持ちを大切にして本作品に取り組みました。だから、アトムのことを知っている人が見てもがっかりしない作品になっていると思います。また、知らない人でも楽しんでもらえるはずです。オリジナルを知っている、知らないに関わらず映画として独立して成立しているので、是非ご覧になってください」
取材・文=伊藤P
<マリアン・ガーガー プロフィール>
『ポカホンタス』(’95)の製作コーディネーターとしてアニメ界入り。1995年にドリームワークスの14番目の社員として入社し、『プリンス・オブ・エジプト』(’98)のプロダクションスーパーバイザー、『スピリット』(’02)のプロダクションマネージャー、『シンドバット 7つの海の伝説』(‘03/V)の製作幹部を務める。また『マウス・タウン ロディとリタの大冒険』(‘06/V)、短編“First Fight”では製作を担当した。
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『ATOM』
公開日:2009年10月10日
劇場:新宿ピカデリーほか全国にて
配給:角川映画、角川エンタテインメント
公式HP:http://atom.kadokawa-ent.jp/top.html
(C)2009 Imagi Crystal Limited Original Manga (C) Tezuka Productions Co., Ltd.




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