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2009年6月22日 (月)

『美代子阿佐ヶ谷気分』水橋研二さん インタビュー


『美代子阿佐ヶ谷気分』水橋研二さん インタビュー

後のサブカルチャーに大きな影響を与えた伝説の雑誌「月刊漫画ガロ」の次世代の作家として注目を集めた安部愼一が、阿佐ヶ谷に居を構え、後の妻・美代子と同棲生活を送りながら発表した同名青春劇画を映画化。私生活に根ざした創作スタイルゆえに生じる不安、焦り、絶望を、赤裸々に映し出していく。答えのない疑念に悩む安部と、彼に寄り添う美代子の姿が、痛々しくも、ある種ストイックなまでの純愛として描かれる。「ガロ」ゆかりの人々が多数出演、1970年代の東京・阿佐ヶ谷の空気感が、観る者を昭和の時代に誘う。

今回は安部愼一氏を演じられた水橋研二氏にお話を伺いました。

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安部愼一さんの漫画はお読みなられましたか

■水橋研二(以下、水橋):「はい、読ませていただきました。台本と一緒に漫画も送られてきて読ませていただいたのですが、本当に衝撃を受けました!上手い言葉が出て来ないのですが、「凄いな」の一言です。
漫画は好きで良く読むのですが、今まで読んだ漫画とは別格のエネルギーを感じました。漫画と言うよりも個展を見ているような感じに近いかもしれません」


本編を観てのご感想をお聞かせ下さい

■水橋:「本編も衝撃的でしたね(笑)。ものすごいエネルギッシュで、温度や汗が滴り落ちるのも感じ取れるような作品になっています」


難しい役柄だと思ったのですが如何でしたか

■水橋:「最初お話しをいただいたときは、お受けするかどうかとても悩みました。変な話、安部さんはご健在でご覧になるだろうし。どんなに頑張っても僕は安部さん本人にはなれない。僕は水橋研二でしかないので。
「これでいいのだ!!赤塚不二夫伝説」(TVドラマ)で赤塚先生を演じさせていただいたときも、すごい悩んだんですよ。(変更:すごく)赤塚先生が亡くなられてそんなに時間も経っていないし、ご家族の方もご覧になるでしょうし。「全然違う!」って思われてしまったら、すごい辛いというか。かといって「ソックリ!」と言われても嬉しいのですが、何か不安にもなりますよね。
今回のお話しを受けると決めた後もずっと不安は残っていました。撮影中も考えていましたね。でも今は作品が完成したので開き直っていますけど(笑)。」


安部さんを演じる上で心がけた事は?

■水橋:「“普通”の事を止めようと思いました。原作での印象なのですが、僕の中で安部さんは別の世界の方だと思ったので。
例えば待ち合わせをしていて、相手が来たら「おう」と声をかけるかどうか?と考えると、絶対言わないと思うんですよ。安部さんが普段どんなふうに人と接するか分からなくて、台本どおり台詞を喋ればいいのですが、色んな想いを込めて一言一言いわなければダメだと思ったんです。
そこで僕自身普段“普通”と思っていることをなるべく止めて、安部さんに近づこうとしました。物事を別の角度から捉えることが出来ると思って。色々と試行錯誤して演じたのですが、それが出来ているかどうか分かりません。お客さんに判断して頂くだけですね」


のっけからすごい演技ですよね

■水橋:「演技になるべくフィルターをかけないようにしました。監督の演出がそうだったのもあるのですが。「出て来た感情があるなら、全てすぐ出せ!」と言われました。人と喋るときって相手の言わんとしている事も察しながら、平坦な調子で喋りますよね。でも演技中はそれを完全に無視して、すごく勝手で自由に台詞を言いました(笑)。
あんまり段取りふうにはしないとは決めていました」


監督とは役柄についてどのような事を話されましたか

■水橋:「台詞をどんな感じで言うとかではなくて「もっと何か出てくるんじゃないか!?」とか「もっと探ってみよう!」と、貪欲に演技の表現方法を一緒に探しました」


実際に安部愼一さんにはお会いされましたか

■水橋:「まだお会いしていません。監督は何度かお会いしているのですが、安部さんを演じる際に監督から「本作は安部さんのドキュメンタリーに近いけど、あくまでも映画だから。今、安部愼一はお前なんだから」と言われ随分楽になりました。ちょっと過激に演じすぎたかな(笑)」


劇中では特に安部さんがガロで執筆中の悩める20代前半を描いていますが、水橋さんが20代前半にはどのような事に悩んでいましたか?

■水橋:「何も無いかもしれない・・・(笑)。僕、あんまり悩まないんですよね。もちろん不安な事は色々ありましたが、悩んでも仕方ないって思っちゃうんです。悩むんだったら前へ進もうとしますね。ある意味あっけらかんとしているのかも(笑)」


演じられた安部さんに似ているなと感じる部分はありましたか?

■水橋:「うーん、考えた事が無かったですね。多分似てないかもしれません。直接本人にお会いしていないので、何ともいえませんが。ただ、あそこまで一つの事に信念をもって突き進める事は凄い事だと尊敬しています」


自分とは違う性格の人物を演じると、それが中々抜けないと聞いた事があります。水橋さんは如何でしたか?

■水橋:「今回に限らず演じた事はすごく印象的に残っているのですが、すぐに抜けてしまうんですよね。上手く言うと短期集中型なんだと思います。
いつもそうなんですが、人や小道具に役作りを助けてもらっているんです。美代子(愼一の妻)を演じた町田マリーさんであったり、坪田監督もそうですし、衣装やセットがそうさせてくれるんです。現場の空気感ですね。
なので家に帰ると「あ、お腹空いた。パスタ食べよう」とか普通に思ってしまうんですよね(笑)。ただ、今回に限ってはそういう“普通”の事をやめようとは考えていました」

町田マリーさんとの共演されての感想をお聞かせ下さい

■水橋:「第一印象は「素朴な女性だな~」と思いました。ただ現場に入るとガラッと雰囲気が変わって、とても魅力的な女性に変わっていくんですよ!実際に演じているときよりも、映像で見たときの方が艶みたいなものを感じましたね。すごく素敵な女性です」


今回町田さんとの絡みのシーンが多いですが、コミュニケーションは結構取られたのですか?

■水橋:「絡みのシーンが多いからと言って必要以上に喋ったり、無理にコミュニケーションは取りませんでした。撮影の合間はの時は二人でボケーっとしてましたね(笑)。控え室が一緒の事が多かったのですが、僕はウォークマンで音楽を聴いていれば、町田さんは体育座りでいたりとか。良い意味で何も喋らなくても苦じゃない二人だったと思います」


安部さんはどんな事があろうと美代子さんを愛し続けていますが、そこまで一人の女性に惹かれた理由は何だと思いますか?

■水橋:「一般的に言う好きとか愛では無いような気がするんですよね。最初はお二人ともそう言う形だったのかも知れないけど、僕も経験した事が無いような所で繋がっています。長く一緒にいたからってわけでもないでしょうし、他人には分からない感覚なんでしょうね」


本作に出演されて水橋さんの中で新たに得たものは?

■水橋:「いっぱいあります。毎回役をいただいたときは、何か新しい物を見つけようと取り組んでいて、本作に関してはどこまで頭で考えない演技が出来るか挑戦しました。それが出来ているかどうかは皆様の評価だと思うのですが、でもそれに挑戦した事はどこか身体に残っていると思うんです。次のお仕事をいただいた時そういう役柄を要求されても、臆することなく演じる事が出来ると思います。
ここまでエネルギーを出してお芝居をした事がなかったので、良い意味で自分の中でもビックリしています。勉強させていただきました」


次はどういった役を演じてみたいですか?

■水橋:「どんな役にでも挑戦したいです(笑)。この前の取材時に「水橋さんってカメレオンみたいですね」とライターさんに言われ、実は僕もそれを目指していて。どんな役にもなれるよう努力するのみです!」


最後に映画のPRをお願いします

■水橋:「役者、スタッフ、監督、安部愼一さんのエネルギーを感じ取って欲しいですね。それをご自身の中に取り込んで、何かに活かしていただけたら嬉しいです。観たらドキっとすると思いますよ」

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『美代子阿佐ヶ谷気分』
配給:ワイズ出版
公開:2009年7月4日
劇場:渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開
公式HP:http://www.miyoko-asagaya.com/

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