『マンマ・ミーア!』メリル・ストリープ来日記者会見
大ヒットミュージカル映画を引っさげ、メリル・ストリープ12年ぶりの来日!
日時:2009年1月22日(木)
会場:ザ・リッツ・カールトン・東京 グランドボールルーム
登壇者:メリル・ストリープ

ABBAのヒット曲で構成された世界的に人気のミュージカルを映画化し、現在ミュージカル映画における世界最高興収記録を更新中の『マンマ・ミーア!』。日本では1月30日より公開となるが、これを前に主演のメリル・ストリープが来日し、記者会見を行なった。
作品ではメリル・ストリープ自身も歌とダンスを披露しているが、その演技については「今回は中年女性のまぁまぁの歌とダンスでも、その喜びさえ表現できればいいと思った。だから歌の大好きな自分を解き放って歌った」とのこと。また今年度のアカデミー賞ノミネートも有力視されているが、その発表を目前に控える中、おどけながら「そうなればいいわね」と、ノミネートに対する期待を述べていた。
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険しい場所で歌ったり踊ったりしていましたが、撮影は大変だったのでは?
■M.ストリープ:「現場で出演陣が「こんな楽しい映画、ギャラなんていらないよ!」ってジョークを言うほど撮影は素晴らしい時間で、「恥を知れ!」と言われてしまうほど楽しい思いをしていたわ。毎日スタジオでは大きなスピーカーでその日に撮る音楽をガンガン流していたんだけど、それがパワーの源となって、私たちは思い切りエネルギーを発散することができたの」
ABBAの歌を聴くと、やはり踊りだしたりしてしまうんですか?
■M.ストリープ:「70年代はABBAがすごく流行っていて、当時はどこのクラブにいってもABBAの曲がかかっていたわ。私もその頃から親しんでいて、この映画への出演が決まった時にも「ABBAの曲は全部知ってるから大丈夫よ!」と言ったくらいだったの。でも聴きかじっただけだから、歌詞を自分で勝手に変えて覚えてしまったりしていて。で、現場にABBAのメンバーが来ている時に「違うよ?」って言われて(笑)。だから一度頭をクリーンにして、25年間間違って覚えていた歌詞は一度忘れた上で、また演じなおしたわ」
歌とダンスを披露するために、特別なトレーニングはしたんでしょうか?
■M.ストリープ:「この映画は完璧な歌やダンスを見せる必要はなくて、「中年の女性がまぁまぁの歌と踊りを披露すればいいんだ。おばさんになっても音楽を聴けばまた火がついて踊りだすし、誰もが音楽を聴けば踊りだす。その喜びさえ表現できればいいんだ」と納得して演じたのよ。他の映画でも歌ったりしたことはあるけれど、それはその映画のキャラクターとして歌ったもので、メリル・ストリープ自身の声でものじゃないわ。でも今回はメリルになって歌ってもいい映画だと思ったから、歌の大好きな自分を解き放って心から歌ったのよ」
ゴールデングローブ賞にノミネートされ、アカデミー賞でもノミネートが有力視されていますが、ノミネート発表を前にした今の心境は?
■M.ストリープ:「(木や木製品を叩く厄除けのおまじない“knock on wood”をしながら)そうなればいいなぁ、と思っています(笑)」
※M.ストリープは『ダウト~あるカトリック学校で~』でアカデミー主演女優賞にノミネートされた。
ロケ地はとても素晴らしい風景だったようですが。
■M.ストリープ:「実はほとんどはロンドンのパインウッドスタジオでの撮影だったのよ。ロンドンは元々雨が多いけどその中でも特に雨の多い夏の撮影で、スタジオには『007』の撮影で使ったトタン屋根のセットがあったわ。で、雨が降るとそのトタン屋根から「だだだだだだだーっ!」ってすごい音がするから、音楽の音量を上げて雨音を消して撮影していたわ。その夏はロンドン近郊で洪水が起こるほどひどい雨だったのよ。その後ギリシャのエーゲ海の北の方にある街に移って「ダイシング・クイーン」なんかのシーンを撮ったんだけど、こちらは歴史的な少雨の年だったの。しかも大規模な山火事があって現地の観光はどん底だったのね。そんな時にこの映画を撮影したのよ。そうしたら『マンマ・ミーア!』が大ヒットして、そのおかげで撮影地だった一帯の観光事業が復活したのよ」
共演した3人の男性の感想は? 彼らの歌はいかがでしたか?
■M.ストリープ:「あの3人は個人でもグループでも、話のわかるイイ男たちだったわ。みんな家族をギリシャに連れてきていて、ファミリーでわきあいあいと映画を撮っているような雰囲気だったわね。コリンとステランはクレイジーなユーモアのセンスがピッタリと合っていて、私との関係よりその2人の関係の方がアヤシイくらいだったわよ(笑)。ピアースの歌についてはいろいろと言う人がいるけど、私にとってはハートに訴える感動的な歌だったわ。あれ以上スイートな声はないわね」
ミュージカルの映画化ですが、ミュージカル版と映画版の違いはどんなところにありますか?
■M.ストリープ:「映画は大きなスクリーンで見せるから、キャラクターの細かい部分までしっかりと映し出されるの。だから舞台では見逃すようなディテールを映画ではクローズアップすることができるのよ。娘との時間の、ほんの一瞬とかね。舞台はリアルタイムで進行するから、一瞬を細かく描写することは不可能。でも映画なら、たとえば「スリッピング・スルー・マイ・フィンガーズ」が流れている間に親子の歴史をモンタージュで挿入したりできる。そういう意味で、映画の方がより自由な演出ができるんじゃないかしら。舞台でミュージカルを演じたことがないから、はっきりとしたことは言えないけどね。他にも最後に教会に行く場面ではすごく長い階段を上っていくけど、その「階段を上る」という行為そのものが興奮を呼び起こすの。舞台ではそういう風に身体を動かすことはできないし、それに映画のロケならば本物の風の音や波の音があって、演じる私たちの気分も高揚する。そういうものは舞台にはないと思うわ」
映画の中では母親のドナは娘のソフィに父親の存在を秘密にしていましたが、ご自身はお子さんに若い頃の恋愛の話をされたり、秘密にしていたりすることがありますか?
■M.ストリープ:「秘密はあるわよぉ(笑)。でも昔の恋愛のことは話さないわ(笑)。娘には昔の体験から「こういうことはしちゃだめよ」っていう警告めいた話をしたいんだけど、娘は一切そういう親の話には興味を持たないのよ(笑)」
この映画について、一番好きなことは何ですか?
■M.ストリープ:『マンマ・ミーア!』の最も素晴らしい部分は、悲しくて、辛くて、経済は先が見えない今の世界の中にあって、作品の音楽や人物、物語が、「シンプルなところにちゃんと幸せがあるんだ」ということを教えてくれるところ。「その日その日をしっかりと生きていけば楽しい人生が送れる」ということを教えてくれるのよ。私はミュージカル版を見た時に、まさにそういう体験をしたの。9.11の後にミュージカルは公開されたんだけど、その頃のニューヨークはみんな本当に落ち込んでいたわ。で、末娘の10歳の誕生パーティーで彼女のお友達をどうやって喜ばせようか考えていたら、新聞に「マンマ・ミーア!」の記事が出ていて。それで子どもたちを連れて見に行ったのよ。最初子どもたちはみんな「行きたくない」とか言っていたんだけど、いざ見始めるとシートの上に立って踊りだしちゃっうくらい興奮して。こっちが「シートの上に立っちゃダメ!」って叱るんだけど、止まらなくなっちゃったわ。劇場から街に戻っても踊っていたわね。それは娘たちだけじゃなく、老若男女、いつもは冷めた様子のティーンエイジャーや旅行者も一緒になって踊っていた。そういうパワーを持ったミュージカルを今の時代に映画化できたことは、とても意味があると思うわ」
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『マンマ・ミーア!』
公開日:2009年01月30日
劇場情報:日劇1ほか全国にて
配給会社:東宝東和
公式HP:http://www.mamma-mia-movie.jp/
(c) 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
■あらすじ
母・ドナに女手ひとつで育てられたソフィは、父親が誰か知らない。そんな彼女の夢は“結婚式で父親とヴァージンロードを歩くこと”だ。その結婚式を目前に控えたソフィは母親の日記を盗み読んで、“父親候補”と思われる母のかつての恋人たちに招待状を送ってしまう。そして結婚式前日、突然あらわれた3人の元恋人にドナは仰天。さらに3人が「自分が父親だ」と言い出してしまい……。
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■人物紹介
メリル・ストリープ
1949年、アメリカ・ニュージャージー州生まれ。『ジュリア』(77年)でデビューすると、『クレイマー、クレイマー』(79年)でアカデミー助演女優賞を受賞。さらに『ソフィーの選択』(82年)ではアカデミー主演女優賞を受賞し、ハリウッドきっての演技派女優としての地位を確立。その後も数々の作品でアカデミー賞のノミネートされ、ノミネート回数最多記録を持つ。『いつか眠りにつく前に』(07年)では娘のメイミー・ガマーとの共演も果たした。









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