『地球が静止する日』スコット・デリクソン監督 インタビュー
“スペクタクル映画だけど、リアルな演技にも注目して欲しい”
■出席者:スコット・デリクソン監督

突如、巨大な球体が飛来し、宇宙からの使者クラトゥが地球に降り立つ。彼の使命とは“地球を救うこと”。果たしてクラトゥの狙いは?人類の味方なのか?それとも侵略者なのか?
1951年に名匠ロバート・ワイズ監督が手掛けた名作『地球の静止する日』。冷戦という当時の世相を色濃く反映させたSF映画の先駆的な作品をリメイクしたハリウッド超大作『地球が静止する日』。
キアヌ・リーブスを主演に迎え、最新VFXをふんだんに使ってオリジナル以上のスケール感のある世界観を作り出したのは、悪魔裁判という難しい題材をリアルに描いた『エミリー・ローズ』のスコット・デリクソン監督。エンターテイメント色の強い作品に、現実味のある人間ドラマを持ち込むことに定評がある俊英監督にお話を伺いました。
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本作を監督するにあたり気を付けたことは?
■スコット・デリクソン監督(以下、SD)「一番重要だったのは俳優たちですね。それからビジュアルを面白くして、視覚的に物語を語ること。あとは特殊効果を用いたスペクタクルに満ちたSF的な部分と、人間ドラマとのバランスに気をつけました」
キアヌ・リーブスとの仕事はいかがでしたか?
■SD「よく働いて、自分を律することの出来る、人間としても俳優としても優れた人物です。とても仲良くなりました。彼のユニークな才能に驚くと共に尊敬の念を抱きました。観客を惹きつけ続けることの出来る数少ない俳優の一人だと思います」
ジェニファー・コネリーは?
■SD「ジェニファーは、ひとつのシーンを噛み砕いてから、準備を進めていくタイプだったので、話し合いの場をたくさん持ちました。入念に準備をした後、スッと役に成りきり、真実味のある演技をしてくれる素晴らしい女優さんです」
『エミリー・ローズ』を見た時に、作家性のある監督だと感じたのですが、本作にあなただからこその要素はありますか?
■SD「今回は自分のカラーを出すよりも、作品の内容に合わせて必要な要素を入れるように心がけたのですが、そうはいっても自分のスタイルは随所に出ていると思います」
具体的には?
■SD「ジャンル映画ですが、演技がとてもリアルである点。それから色。色の数を抑えることによって、より色が強調されています。あと、これは黒澤明監督の影響なのですが、風、雲、雨、霧といった天候を印象的に使っています。これらは『エミリー・ローズ』にも共通する私のスタイルです」
大学で哲学を学び修士号を取得しているので、もっと哲学的になると思っていたのですが、意外とストレートな内容でしたね
■SD「特殊効果をふんだんに使ったハリウッド超大作という期待を裏切らないようにしましたが、いくつか哲学的な要素も入っていると思います。でもそれは形而上学的なものではありません。本作では、世界各国で起こっている戦争や、アメリカを筆頭に多くの国が恐怖を取り除くために軍事力を乱用していることにも言及しています。破壊的な道に進もうとするのは、人間の本質で、それが戦争や経済的な混乱を引き起こしています。でも危機的な状況になって初めて、人間は変わらなければならないということに気が付くのです。人が作り上げる混乱は、人として、国として、人類として変化してくキッカケなのです。人間は良い方向に変容する前に、混乱状態を作り上げてしまう。これはとても哲学的な人間観です。世界は今、混乱状態にありますが、人間は変わろうとしていると思います。ですから、私は世界の将来に対して、比較的楽観的です」
なるほど、勉強になりました
■SD「でも、本作はあくまでも娯楽映画であり、哲学的な人間観について述べている映画ではありませんよ。そういう見方も中に入っているという作りにしただけです。あまり難しく考えないで見て下さい」
それでは最後にメッセージをお願い致します
■SD「ハリウッドの娯楽大作で、スペクタクル満載、スリル満点なのですが、素晴らしい俳優たちのシリアスな演技も楽しめます。是非、映画館で見て下さい!」
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『地球が静止する日』
公開日:2008年12月19日
劇場:日劇1ほか全国にて
配給会社:20世紀フォックス映画
公式HP:http://microsites2.foxinternational.com/jp/chikyu/
(C)2008 Twentieth Century Fox Film Corporation.
取材・文:伊藤P
カメラ:あすか









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