『バイオハザード ディジェネレーション』神谷誠監督 インタビュー
“ゲームファンの期待を裏切らない作品にしたかった”
出席者:神谷誠監督

ミラ・ジョヴォヴィッチの主演で実写映画化されているゲーム「バイオハザード」。しかし一部設定こそ共有しているものの、作品的にはゲーム版のパラレルワールド的な位置づけであり、ゲームファンからはゲーム版と“地続き”な作品を求める声が根強かった。そこで登場するのがシリーズ初となるフルCG映画『バイオハザード ディジェネレーション(バイオDG)』。ゲーム「バイオハザード4」の後日談であり、新作「バイオハザード5」へ繋がる物語と、ゲーム版と完全連動した作品だ。すでに08年10月18日~31日に期間限定で公開され、ゲームファンに好評を得ている。そして12月26日、この作品のDVD&Blu-ray&UMDが早くもリリース。そこで本作の監督である神谷誠にインタビュー。ゲーム版への思い入れや作中でのこだわりなどについてお話を伺いました。
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どういった経緯からこの作品を監督することになったのでしょうか?
■神谷誠:「僕は元々特撮の仕事をしていて、以前は川北紘一さんの助監督や樋口真嗣さんの助監督をやっていたんですけど、何年か前にカプコンの「ディノクライシス3」というゲームでCGムービーを監督したことがあったんですよ。結構な分量のムービーで、実はこの時の絵コンテが樋口さんで、CG制作が今回の『バイオDG』と同じデジタルフロンティアだったんです。で、その時に「お世辞とかセールストークとか全く抜きで、マジでバイオハザードが好きなんですよ!」って話を散々したんです。それで今回カプコンとソニー・ピクチャーズの間でフルCGのバイオハザード映画を作るという企画が立ち上がり、CG制作がデジタルフロンティアとなった時に、「それだったらバイオハザードが好きで詳しいし、デジタルフロンティアと仕事をし慣れている神谷が監督でいいんじゃないか」ってことになり、オファーが来たんですよ。あの時バイオ好きをアピールしておいたのが功を奏したのかもしれないですね(笑)」
バイオハザードシリーズのどんな部分がお好きだったんですか?
■神谷誠:「実は大人になるまで家庭用ゲームをほとんどやったことがなくて、子どもの頃からモデルガンが大好きで集めていたんです。その一方で中学生くらいの一番多感な時期にジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』に出会って。当時劇場で公開された『ゾンビ』は予告ではあった残酷なシーンがカットされちゃったりしてたんですけど、それでもすごく面白くて、以降ホラー映画にハマっていったんです。高校生の頃は洋物のビデオソフトレンタル店でホラー作品を借りまくってましたね。で、そんな若者がいい大人になった頃にバイオハザードの1作目が発売されたんです。「ゾンビをいろんな銃でバンバン撃ち殺していくって、銃好きでホラー映画好きな俺の好物が盛り合わせになったゲームが出たのか!」と思って、即プレステとバイオハザードをセットで買いました。それで仕事から帰ってやり始めると、朝になるまでやり続けちゃって。「あの扉の先にいくまでは……」って感じで(笑)。それと他のゲームも経験した後で感じたことですが、バイオハザードってすごく映画的に作られたゲームなんですよね。映画のカット割のようにカメラが固定されていて、そこをキャラクターが動いていく様子とかはすごく映画的。そういう部分も僕にしっくりきたんでしょうね」
ちなみにゲーム版で一番好きなタイトルは何ですか?
■神谷誠:「バイオハザード2が一番好きですね。アクションと謎解きのバランスが僕にとってちょうどよかったんです。おじさんになってからゲームを始めているので、アクションが多すぎるとついていけなかったりするんですよね。アクションがあったら、その分謎解きも欲しいんです。その辺のバランスはバイオハザード2が一番しっくりきました」
今回の主人公のレオンとクレアも、バイオハザード2からの登場ですね。
■神谷誠:「このふたりが主人公になったのは僕の思惑以前に、プロデューサーたちの話し合いで決まった部分なんですけどね。プロデューサーの小林裕幸さんがバイオハザード4のプロデューサーをやられていて、その主人公のレオンを使って、バイオ4の続きの話を映画でできたらいいなと思われていたんです。そこに今度はソニー・ピクチャーズの方から「レオンを出すんだったらバイオ2のクレアも出せないか」という話が出て、ふたりが主人公になったんです。バイオ2好きな僕にとってはラッキーでしたね」
ゲーム版のバイオハザードらしさがしっかりと生きた作品でしたが、逆に監督らしいテイストの演出が盛りこまれたシーンはありますか?
神谷誠:「たとえば、冒頭の空港に飛行機が突っ込んでくるシーンがそうですね。ストーリーについて話し合っている時に「せっかく空港が舞台なんだから、飛行機が突っ込んできちゃうのがいいんじゃないですかね」って提案したんです。特撮ばかりやってきたので、どうしてもそういう考え方になっちゃうんですよ。あと海外の映画だと、タイトル前のツカミでけっこう派手なことやるじゃないですか。でも日本映画ってそこまで予算が潤沢じゃないんで、なかなか派手なことはできない。けどCGならそれが出来るんじゃないかって。CGの担当者の顔をチラチラ見ながら提案しましたけどね(笑)。実際には冒頭が長くなってしまい飛行機が突っ込んだところでタイトルを入れることはできませんでしたけど、そういうイメージで作っていました。あとは怪物とか建物の壊れ方とか、そういった部分には気を使いましたね」
クリーチャーの動きは監督らしさとゲームらしさ、どちらを意識しましたか?
■神谷誠:「最初プロデューサーに「最近走るゾンビが多いですけど、うちのゾンビは走りません」って言われたんですけど、僕も元々ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』から入っているんで、ゾンビの動きのイメージは一緒だったんですよ。逆にイメージがずれていたのは、アメリカの声優さん。アメリカはゾンビの本場なんで、ゾンビの演技なんかすぐにできると思ったんですけど、意外とみんなうまくなくて。下手すると「ブレイ~ン」とかしゃべり出したりするんです。「それは『バタリアン』に出てくるゾンビだろ!」ってツッコんでましたよ(笑)。そんな風にダメ出ししていたら、音響監督に「じゃあ監督が手本を見せてくれ」って言われたんで、お手本を見せたんです。そうしたらそれが知らないうちに録音されていて、その後にくる声優さんたちは僕のお手本を聞かされて演技していましたね(笑)」
一番ゲームシリーズのファンを裏切りたくなかった部分は?
■神谷誠:「やはりレオンとクレアにゲームと違うことさせないことですね。このふたりを大切にしたし、その辺りのカプコンからのチェックも厳しかったですね。キャラクターのモデリングや描き方のチェックも厳しかったし、とにかくゲーム版のファンが観てがっかりするようなことのないよう注意しました。ただ『バイオDG』オリジナルキャラのアンジェラとレオンがいい雰囲気になるので、「きぃー! ワタシのレオンをぉーっ!」って感じで歯噛みをされている女性ファンは多いらしいですけど(笑)」
<神谷誠監督 プロフィール>
1965年、東京生まれ。川北紘一、樋口真嗣らの下で助監督などを務めた後、『ホワイトアウト』(00年)で特撮監督を担当。以後『亡国のイージス』(05年)、『日本沈没』(06年)、『L change the World』(08年)などで特撮監督を務める。オムニバス作品『真・女立喰師列伝』(07年)では小倉優子主演の「歌謡の天使 クレープのマミ」を監督。本作で長編監督デビュー。
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『バイオハザード ディジェネレーション』
発売日:2008年12月26日(金)
販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
価格:
DVD コレクターズ・エディション 4,980円(税込)
Blu-ray 5,980円(税込)
【限定5000セット】フィギュア付 Blu-ray BOX 12,800円(税込)
UMD(R) 3,990円(税込)
<作品のあらすじ>
ラクーンシティの「アンブレラ事件」から7年後。アメリカ中西部の空港にいたクレアは利用客の中にゾンビを発見する。ゾンビに襲われて人々は次々にt‐ウィルスに感染していき、そのパニックにクレアも巻き込まれてしまう。大統領直轄エージェントとなったレオンは、特別指揮官として事態の鎮圧に乗り出すが……。
(C) 2008 カプコン/バイオハザードCG製作委員会









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