『空へ-救いの翼 Resucue Wings-』手塚昌明監督 インタビュー

航空自衛隊、航空救難団を舞台に、リアリティに裏付けされたダイナミックな本物のレスキュー・アクション大作が誕生した。全篇を貫くのは“命の尊さ”。そして、ディテールまでもがリアルな命懸けの救難活動の圧倒的な迫力。人命救助の“最後の砦”として最も困難な現場に投入される航空救難団のプロ意識には、感傷の入る余地はない。物語は、そのプロフェッショナル集団の中で、悩み、揺れながら、成長していく新人女性パイロットの等身大の姿と、彼女がその一員として育んでいく覚悟と誇りを感動的に描く。
今回は本作の監督である手塚昌明氏にお話を伺った。
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まず、作品が出来上がっての感想を聞かせてください。
■手塚昌明監督(以下、手塚監督):「ダビング作業が終わって、完成した作品を見ると、とにかく不思議だなあと思いました。
最初から最後まであれだけのホンモノのヘリコプターが飛びまわっている映画は、自分の記憶にありませんから。そして主演の高山君が、とてもいい味を出しています。暑い中、緊張していたと思いますが、懸命に頑張ってくれたなあと思います」
観ているほうが緊張してしまうほどリアルで迫力のある映像ばかりですが、航空自衛隊の方々とのロケハン(ロケーションハンティング)はどのように行ったのですか?
■手塚監督:「山岳救難の場面で、自衛隊の方が「(撮影場所)どこがいいですか?」と聞いてくださったので、剣岳(北アルプスの立山連峰にある標高2999mの山)がいいと言ったんです。さすがに自衛隊の方たちも、「えっ!」と驚いていましたね。標高が高くとても険しい場所なので、やはり実際に行ってみると、とても険しくて人を降ろせる状況ではありませんでした」
リアルな操縦シーンなどを見ていると今にも観ている方も操縦できそうな気になってきますね。
■手塚監督:「そう言って頂けると嬉しいです。飛行中の計器類や操縦系統の画、リアルな無線のやり取りをたくさん入れたので、観ていると操縦席にいるような感覚になると思います。実際の無線は、映画の十倍以上ありますけどね(笑)」
監督自身もヘリコプターやメカがお好きだそうですね。
■手塚監督:「小さな頃から大好きでした。ヘリコプターやジェット機、戦車や戦艦などに憧れましたね。少年がそのまま大人になってしまったようなものですよ(笑)。撮影中も「触っていいですか?」なんて聞いたりして。自衛隊の方も、僕を見ていて、メカ好きだというのが分かったようです。よく戦争映画で、出撃に向かう戦艦大和なんかの横を、ゼロ戦(艦上戦闘機)が通過したりするじゃないですか。今までミニチュアや合成で行われていたものを、今回の作品では、絶対に実物でやるんだと、心密かに決めていました。実際の護衛艦の横を実物のヘリが通過する、という贅沢なシーンになっています」
暑い夏に撮影されたと聞きましたが、基地での撮影はいかがでしたか?
■手塚監督:「紙コップでお茶を飲んでゴミ箱に捨てるのが普通だと思うのですが、今回は基地内での撮影だったので、エプロンやヘリの機内にお茶のポットを持ち込むことができませんでした。特別な許可をもらってペットボトルをクーラーボックスに入れて、撮影が終わるたびにそのペットボトルを飲みに戻っていました。連日猛暑の中での撮影は、長袖のフライトスーツと重い装備を着けた俳優さんたちには本当に大変だったと思います。高山君が走っているシーンの撮影は、直線で3キロある滑走路の端だったんですが、F-15の着陸とタイミングが合わなくて、何度も撮影しました。炎天下だったので、彼女もかなりバテテましたね」
今回の作品で、監督自身の「新たな挑戦」があったとしたら、それは何ですか?
■手塚監督:「ゴジラや戦国自衛隊とは全く違った、等身大の女の子の普通の日常を描いたということですね。まあ、自衛隊なので、全然普通ではないかもしれませんが(笑)。救難隊のパイロットの話ですけど、OLの方や女子高生も、「こうやって頑張っている女の子がいるんだ」という新鮮な気持ちで、高山君演じる川島遥風を見てもらえると確信してます。パイロットは一人で飛んでいるわけではなくて「みんなに守られているんだよ」というメッセージも伝わればいいんですけど。特に映画の中で言えば、UH-60Jは、U-125Aというジェット機が必ず先導しているんで、「一人ぼっちじゃない」ことが伝わると思います。U-125AとUH-60Jが同じフレームに入って並んで飛行した時は、涙が出ましたね。自衛隊の方がそれを見て「そんなに喜んでもらえて嬉しいです」と言われました」
三浦友和さんや浅田美代子さん、木村佳乃さんのようなベテラン俳優さんまで出演されていますね。
■手塚監督:「三浦(友和)さんとは、僕が若い時に三浦さんが主演した映画の助監督をしていたので、長い付き合いです。三浦さんは男の僕が見ても、本当に羨ましい位、素敵に歳をとられたと思いますね。木村(佳乃)さんはサングラス姿が本当に似合っていましたが、当初準備していたレイバンのサングラスでは木村さんの顔が小さすぎてサイズが合いませんでした。似た形の別のもので撮影しました。浅田(美代子)さんは、優しくて明るいお母さんを演じてくれました。敬礼が素敵でしたね」
主演の高山侑子さんについてはいかがでしたか?
■手塚監督:「編集やダビング作業の時は、劇中のとても凛々しい高山君の姿しか見ていなかったので、たまに会うと、「こんなキャピキャピしてたんだ」と改めて高校一年生だということを実感します。CMなどで見ていても、とても15歳には見えなかったですから、年齢不詳でしたね。現場でも碧(鈴木聖奈)と姪子(瀬戸早妃)と三人並んでも、高山君が一番年上に見えるんですよ。実際は一番年下なんですけどね(笑)。また、彼女は現役の高校生なので、夏休みを全て撮影に費やさなくてはいけなかったんですけど、色々な意味で一生忘れられない夏休みになったでしょうね(笑)」
これから、この映画を観る人にメッセージをお願いします。
■手塚監督:「たくさんの方にこの映画を観て頂きたいと思ってますが、特に小学生や中学生が、「こういう人たちがいるんだ」と知ってもらいたいと思いますね。川島遥風という主人公が、悩み傷つきながら、頑張って一人前のパイロットとして成長していく姿を観て頂ければと思います。仕事、仲間、友情、生命の大切さ、色々なことを感じて頂けると思いますので、映画館で是非ご覧になってください」
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『空へ-救いの翼 Resucue Wings-』
配給:角川映画
公開:2008年12月13日
劇場:角川シネマ新宿ほか全国にて
公式HP:http://www.sorae-movie.jp/
©「空へー救いの翼 RESCUE WINGS―」製作委員会









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