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2008年8月27日 (水)

『インビジブル・ターゲット』ベニー・チャン監督 インタビュー

“往年の香港アクションのレベルを目指した”

出席者:ベニー・チャン監督

『インビジブル・ターゲット』ベニー・チャン監督

ジャッキー・チェンの90年代の傑作『WHO AM I?/フー・アム・アイ』、2000年代最高傑作との呼び声も高い『香港国際警察/NEW POLICE STORY』。このジャッキーの代表作を手掛けたベニー・チャン監督が、ニコラス・ツェー、ショーン・ユー、そして、ジャッキーの息子であるジェイシー・チャンというフレッシュな若手俳優を起用して、ドラマチックなアクション超大作『インビジブル・ターゲット』を完成させた。
最近、元気のない香港アクションの復活と、次世代アクション・スターの発掘を志したベニー・チャン監督にお話をお聞きしました。

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本作の魅力は?

■ベニー・チャン監督(以下、ベニー)「まず、ニコラス・ツェー、ジェイシー・チャン、ショーン・ユーの組み合わせが新鮮だと思います。それからアクションですね。この3人を使って、香港アクション映画全盛期だった80年代~90年代のレベルにまで、アクションの質を引き上げよと思いました」


監督が影響を受けた香港アクション映画は?

■ベニー「まずブルース・リーの作品は外せないですね。子供の頃に見て、興奮しました。動きを真似するほど影響を受けました。それからショウ・ブラザース製作の作品ですね。特にチャン・チェ監督『英雄十三傑』(’70)、『嵐を呼ぶドラゴン』(’74)からはかなり影響を受けています。あとは、ジャッキー・チェンやサモハン・キン・ポーの作品です。それから、もうこの業界で働いていましたが、リー・リン・チェイ(ジェット・リー)の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズ(‘91、’92、’93、’97)も好きです。『インビジブル・ターゲット』では、これらの作品のクォリティを目指しました」


やはり、最近の香港アクション映画のアクションの質は、下がっていると感じているのですか?

■ベニー「下がっていると思います。次の世代に繋がっていなかったですし、先輩たちはハリウッドへ行ってしまいました。アクション映画を好んで撮る人たちもいませんでした。アクション映画を高いレベルのまま維持させるだけの人材が、いなくなってしまった。これが、レベル低下の原因です」


主演の3人に、次のアクション・スターを託したいという気持ちもありますか?

■ベニー「3人で試そうとは思いました。特にニコラスは武術が大好きで、アクション俳優の方向へ進みたいようです。ショーンとジェイシーは、アクションがあまり好きではないようです」


ニコラスのその方向性は、ジャッキー・チェンとのコラボレーションの影響がありそうですね

■ベニー「ジャッキーの影響もあると思いますが、彼は格闘ゲームが大好きなんです。格闘ゲームのキャラクターのように強くなりたいと思っているようです」


『軍鶏 Shamo』でショーン・ユーにインタビューした際に、あまりアクションはやりたくないと言っていたのですが、何故本作に出演したのでしょうか?

■ベニー「多分、そのインタビューは、『インビジブル・ターゲット』の撮影後のインタビューだと思います。『軍鶏 Shamo』の後直ぐに、本作の撮影に入りました。この2作品で大変な思いをしたから、もうアクションをやりたくないと言ったんだと思います」


主演の3人は本格的なアクション俳優ではありません。やはりジャッキーに比べるとアクションの撮影は大変ですか?

■ベニー「全然違いますね。ジャッキーは武術に長けているので、ジャッキーだったら簡単にできることでも、基礎のない3人にはなかなか出来ません。ですからこちらが、きちんと出来るようにいろいろと見てあげる必要があります」


アクションが出来ない俳優たちで、アクションシーンを撮影する際に、注意している演出方法は?

■ベニー「出来る様にみせるために、時間とお金をかけて何度も何度も練習をさせます。香港ではフィルムを使って育てるという表現をするのですが、ジャッキーだったら1、2回で済むアクションシーンを、彼等に20回ぐらいやらせて覚え込ませます」


彼等のアクションには満足ですか?

■ベニー「彼等が頑張った結果は、フィルムに反映されています。誰が見ても大変そうに見えるし、スタントを使っていないことも判って頂けると思います。ですから、彼等の仕事ぶりにはとても満足しています。でも、将来的に彼等がアクションへの道に進むかどうかは判りません。ショーンはもうやらないと言っているようですし、ジェイシーも音楽の方に興味があるようです」


敵役を演じたウー・ジンは、本格的なアクション俳優ですが、今後、彼が香港アクション映画を担っていくということはないのでしょうか?

■ベニー「ウー・ジンは、本作以降、アクション映画の道に進むと言っていました。今、中国のテレビシリーズに彼が出演すれば、相当なお金になるはずです。それを蹴ってまでして、香港アクション映画の道に進んでくれるようです。彼ぐらい格闘が出来る俳優は今いません」


ジャッキーの息子である、ジェイシー・チャンが出演していますが、ジャッキーから何かコメントはありましたか?

■ベニー「“僕の息子だからって、特別扱いをするな。楽よりも苦労をさせて欲しい”と言われました。私にだけでなく、スタッフ全員に言っていました。普段よりジャッキーは“楽に生きて欲しくない。苦労して欲しい”と言っています。ジャッキーなりの親心だと思います」


最後に、これから本作を見る方へメッセージをお願い致します

■ベニー「フレッシュな俳優を使って、古き良き時代の香港アクション映画を志して頑張って作りました。絶対満足していただけると思いますので、是非、劇場に足を運んでください」


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<ベニー・チャン プロフィール>
1981年から本このテレビ局に勤務し、ジョニー・トーのアシスタントの他、多くのドラマを監督・プロデュース。1990年の『アンディ・ラウの逃避行』で映画監督デビューを果たし、『衝鋒隊怒火街頭』(‘96・未)で一躍注目され、ジャッキー・チェンの指名により『WHO AM I?/フー・アム・アイ』(’98)を共同監督。その後もジャッキー製作の『ジェネックス・コップ』シリーズ(‘99、’00)を監督。更に05年に監督したジャッキー主演作『香港国際警察/NEW POLICE STORY』は、アジア各国で大ヒットし、多くの賞を受賞した。ジャッキーとのコラボレーションとしては06年の『プロジェクトBB』もある。香港アクションを担う映画監督。

『インビジブル・ターゲット』
公開日:2008年08月30日
劇場情報:シネマスクエアとうきゅうほか全国にて順次公開
配給会社:アートポート
オフィシャルサイト:http://www.invisible-target.jp/
(c)2007 Universe Entertainment Limited, Sil-Metropole Organisation Ltd., Guangzhou Ying Ming Media Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED

取材・文:伊藤P

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