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2008年7月18日 (金)

『帰らない日々』香山リカ(精神科医)×生駒芳子(マリ・クレール編集長)トークショー

“辛さの対処法は?読めば少し楽になる?”

日時:7月17日(木)
場所:スペースFS汐留ホール
出席者:香山リカ(精神科医)×生駒芳子(マリ・クレール編集長)

『帰らない日々』香山リカ(精神科医)×生駒芳子(マリ・クレール編集長)トークショー

誰にでも起こりうる交通事故の悲劇の“その後”を描いた作品『帰らない日々』が7月26日より公開される。公開に先立ち特別試写会が開催され、香山リカさん(精神科医)、生駒芳子さん(マリ・クレール編集長)による対談トークショーが行われた。悲しみの処理の仕方や、昨今の事件と家族の問題など興味深い内容のトークショーとなった。

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『帰らない日々』を見ての感想

■香山リカ:「この映画のテーマになっている交通事故だけでなく、殺人事件など死亡1名というようなデジタルで表示された数字では計り知れないほど家族に与える影響は大きい。私は診察で心のケアをしているので、この映画の心理描写がとてもリアルだと感じました。とても丁寧に描かれていて、胸が詰まる思いでした。

■生駒芳子:「私には13歳の子どもがいるので子供の突然の死というのはリアルすぎて想像するのを避けたぐらいです」


現代の日本では自分で解決できないような悲しみや苦しみを抱えた方は増えているかと思いますか?

■香山:「幸せな家族でも“戸棚の中にはミイラが1体隠れている”と言われています。どんなに幸せそうな家庭でも、問題があるということです。家族でも個人でもどこかに闇の部分を持っているもの。セレブで一流で見た目にとても幸せそうでも、どこかがほころぶと全てが水の泡になってしまったり、うつ病の人を抱えた家族でその時は地獄のようでも、そこから家族の絆が生まれ最終的に幸せだったり……幸せってなんだろうって最近思います」

■生駒:「昨日14歳の男の子のバスジャックがありましたが、最近家族関係から起こる事件が多いですよね。
この映画は幸せそうに見える家庭とそうでな家庭の両方を描いていて、ドラマの展開でどんどん家族の形が変わっていきます。幸せな家族なんていなくて、みんな幸せになろうとする家族なのではないでしょうか」


女性と男性の悲しみの対処の違いは?

■香山:「心には回復力があります。でも処理を間違えるとおかしな方向へ行ってしまいます。悲しむべき時には悲しまないといけない。泣くだけ泣いてどん底までいけば、そこから希望へとむかう力を人は持っています。悲しくてもそれが何を与えてくれたかを考え、肯定的に捉えることが大事です」

■生駒:「悲しみの対処方は本当に人それぞれだと思います。この映画にも扱われていましたが、亡くなった子どもの部屋をそのまま残そうとする人もいれば、見たくない人もいる」


悲しみに沈んだ時、どのようにしてその悲しみを克服されますか。

■香山:「ジタバタしないようにします。無理してカラオケやスポーツをしたりするとその場ではスッキリしても、余計につらくなったりします。気持ちも物理的なものなので、毛布をかぶってじっと再生を待つのがいいと思います。失恋やペットの死に対する休暇なども必要かもしれませんね」

■生駒:「とことん悲しみます。底の底まで泣きわめいて、そしたら浮かびあがるような気がします。そして浮かびあがるときに自分で自分を励まします。途中で悲しむのをやめたら、爆発したりずっと残ったりするので。それでも悲しみは人生に深みを与えるもの。悲しいことのない人は人の痛みも分からない。私は離婚を経験していますが、それまでは、離婚はわがままなことだと思っていました。経験してはじめてわかるものです。経験によって引き出しができます。通ってよかった道だし、そこが深みになると思います」

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『帰らない日々』
配給会社: ブロードメディア・スタジオ
公開日: 2008年7月26日 (土)
劇場情報: シャンテ・シネにて
公式HP: http://www.kaeranaihibi.jp/

あの日、あの場所で、すべてが変わってしまった…。9月の暖かいある夜、大学教授のイーサン一家は、最愛の息子を突然の事故で失ってしまう。妻のグレース、一人残された娘のエマそれぞれが、事故は自分の責任だと思い込み、哀しさのあまり家族の心は離れ離れになっていく。遅々として進まぬ警察の捜査に業を煮やしたイーサンは、弁護士に調査を依頼する事を決意。小さな町の弁護事務所を訪ねると、事件を担当する事になったのは、ひき逃げ犯人ドワイト・アルノーその人だった。事故をきっかけに崩壊していく2つの家族、2人の父親。互いの運命が交錯する時、果たしてどのような結末がもたらされるのか…。

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