« 『カメレオン』塩谷瞬インタビュー | メイン | 興行ランキング 2008年6月21日~6月22日 »

2008年6月23日 (月)

『カメレオン』藤原竜也インタビュー

出席者:藤原竜也

『カメレオン』藤原竜也

相手によって巧みに佇まいを変える不思議な男ゴーロ。故・松田優作をイメージして書かれたハードボイルド・アクション『カメレオン』でこの難しい役に挑んだのが、若手実力派筆頭株・藤原竜也。劇中、激しいアクションもこなしてワイルドな魅力を爆発させる彼に、本作に懸ける想いをお聞きしました。

______________________________________________________________________

まず、脚本を読んでの感想を聞かせて下さい。

■藤原竜也(以下、藤原):「率直に言ってすっごく難しいと思いましたね。下手したら、キャラクターや芝居のことも含め、監督や脚本家の想いがまるっきり違う方向にいってしまうかもしれない危険性もあるし、その反面、僕が今まで演じたことのなかったようなゴーロという役は俳優としていい経験になるだろうし、うまくまとまったら非常に面白い作品になる。伸るか反るか、どちらかだろうなと」


完成作を観終わっての感想は?

■藤原:「フィルムのなかで自分が確かに存在できたという想いを抱けたので今まで感じたことのないような満足感を得られました。うまく撮っていただいた阪本順治監督や、カメラマンの笠松(則道)さんにも、本当に感謝しなければいけないですね。スケジュールはタイトだったんですが、スタッフさんたちの『いいカットを撮るんだ』『いい映画を作るんだ』という想いがひとつになって救われたなと思いました」


満足できたということですね。

■藤原:「阪本監督の力だなと思いましたね。こういった一昔前の匂いを感じられるような懐かしい映画は、近年あまり見ないですし、アクションシーンもとてもかっこいい。映画として純粋に素晴らしいと思えるような作品を撮らせてくれた……挑戦できたと思いました」


ゴーロは松田優作さんを意識して書かれていますが、その点でプレッシャーはありましたか?

■藤原:「この難しい作品を、阪本順治さんと作るんだという想いの方が自分のなかで大きかったのでその点は全く意識しませんでした。ただ、ゴーロはわけのわからないことだらけだったので監督と一緒に作り上げていったという感じでしたね。最初に、タバコと大量のマッチを渡されて、『とりあえずこれで役を作っていってほしい』と言われて、『そう言われても……』と思って(笑)。あとは、監督が『みんなが冷めているのにひとりだけ熱くなったり、その逆もあり』などとゴーロの人物像をいろいろ書いて下さったのでそれを参考にしました。さらに、間の取り方やセリフの強弱、テンポなどに監督は非常にこだわりがあったんですね。例えば『そのセリフとセリフの間にふた間入れる』という、微妙なところで指導があったので、それもゴーロを体現する一要素なのだと思いました」


セリフのリズムを重要にしていたと?

■藤原:「リズムも含め、非常に細かいところなんですけどこだわっていましたね。でもそれは一方で、僕の仕事上での癖――舞台と映像では発声方法が180度異なりますから、その癖みたいなものが出てしまう瞬間があって、それを排除するというか、そういったテンポを出すことでこの作品と僕とを擦り合わせていくという監督の計算だったのかもしれません」


ゴーロという役もそうですが、藤原さんはカリスマ性のある悪の匂いのする役柄を演じることが多いですが、ご自分でも意識しているんでしょうか?

■藤原:「そういう作品もありましたけど、特にはないです。『カメレオン』に関しては、自分でも初めてと言っていいほど、俳優としてストレートに表現できた作品だと思いました」


スタントマンを使っていないということですが、アクションシーンは圧倒されました。

■藤原:「今、振り返ってみると非常に危険なことをやっていましたね(笑)。けっこうイッパイイッパイだった部分もありましたよ。アクション監督が『王道のアクションはやらせないよ』なんておっしゃる面白い方で、いろいろなアイデアを出して下さったんですよ。その結果、今まで経験したことのないようなスタントをして、身体的には大変でしたけど、その分すごく面白かったですね」


怪我などは?

■藤原:「いっぱいしていました、誰にも言いませんでしたけど(笑)。毎日筋肉痛になっていましたし。この作品は毎朝現場に行くのが楽しみだったんですけど、アクションシーンの撮影日はさすがに少し落ち込んでいましたね。今日はきついなあって」


クライマックスで、敵と対峙してお互い銃を投げるアクションシーンがありましたが、ユニークでしたね。

■藤原:「あれは、僕がお互い銃を投げ合うことによって、ゴーロが『ちょっとゲームでもしようじゃないか』という挑発するような雰囲気が出るんじゃないかと言ったんですよ。他にも監督をはじめ、みんなで色々な動きを提案していましたね(笑)」


藤原さんから見て阪本さんは現場ではどんな方でしたか?

■藤原:「モノづくりに関してストイックで、決して妥協しない方でした。それと、強烈に芝居することを嫌う監督なのかなと感じましたね。『そんなことする必要ない』とか『そんな芝居いらない』とNGが出たこともありました。で、こちらが『ああ、わからなくなってきたなあ』という状況でした演技にOKが出ることもあって。テイク数も多くて厳しかったですが、むしろそれが楽しかったことのひとつですね(笑)」


振り返ってみて、苦労したシーンなどはありますか?

■藤原:「阪本監督が『ラブシーンを撮るのが初めてなんだ』とおっしゃっていたんですけれど、水川(あさみ)さんとのキスシーンで、僕自身も今日はタバコを吸ったらまずいだろうとか、直前に歯磨きしなくちゃいけないなとか、そういう緊張はありました(笑)」


『カメレオン』に出演したことで役者として成長したと思う点はありますか?

■藤原:「映画という分野の面白さに改めて気づかされましたね。それに才能のある監督と仕事することの充実感を得られましたし、身近でその才能を見られてすごいなと思いました。舞台と映画は違うので、自分の中ではまだまだわからないことだらけですが」


映画のお話から離れますが、藤原さんというとやはり舞台の人というイメージがあります。

■藤原:「現実的な問題として舞台は、小屋(劇場)を押さえたり、稽古や地方公演も含めて長くかかる本番など、非常に時間を費やして作っていくものなので、早め早めに出演を決めているんです。そのなかでタイミングが合い、『カメレオン』のような映画に出演させていただくんですけど。でも舞台を捨てたら俳優として成長していかないだろうし、両方をやっていけるのがいいのかなあと思います、非常に難しい問題ですけどね。今回は阪本組に参加させていただいて本当に面白い現場だったんですよ。1か月2か月集中して撮影して、その間、めちゃくちゃ充実していた。こういう現場になら1年中、ずっといたいなという気持ちはありましたね」

______________________________________________________________________

『カメレオン』
配給: 東映
公開日: 2008年7月5日 (土)
劇場情報: 全国にて
公式HP: http://www.c-leon.jp/

©2008「カメレオン」製作委員会

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://www.typepad.jp/t/trackback/306383/12960650

『カメレオン』藤原竜也インタビューを参照しているブログ:

» 『カメレオン』塩谷瞬インタビュー (映画最新ニュース)
“映画の‘匂い’を感じてほしい” 出席者:塩谷瞬 故・松田優作のために書かれた幻 [続きを読む]

コメント

コメントを投稿

最新映画ナビ 特集





最新映画ナビ関連ブログ

最近の記事