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2008年2月28日 (木)

『ジャンパー』ダグ・リーマン監督 インタビュー

『ボーン・アイデンティティー』、『Mr.&Mrs.スミス』を手がけた人気監督、ダグ・リーマンが語る“リアルさ”へのこだわり

出席者:ダグ・リーマン(監督)

『ジャンパー』ダグ・リーマン監督 インタビュー

いつでもどこへでも、一瞬のうちに行ける“ジャンパー”。人類にとって究極の夢とも言える瞬間移動能力をテーマに、人気監督、ダグ・リーマンがメガホンをとった。今までにないアイディアをダイナミックに活かし、東京を含む世界の観光名所でCGなしのロケーションを敢行したリーマン監督。その空前絶後の撮影の裏には、彼のこの作品に対する“リアルさ”へのこだわりがあった。超能力を持った主人公でありながら、スーパーヒーローではない、その設定に魅せられた彼が、続編の可能性も含め、この映画の魅力を語ってくれた。

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『ジャンパー』のどこに魅かれてメガホンをとろうと思いましたか?

■リーマン監督:「とにかくデヴィッド・ライスという主人公のキャラクターに魅かれたんだ。彼が超能力を使って、まず銀行強盗をするところが気に入ったよ。僕は常々、他の映画にないものを撮りたいと思っているから、、彼のこのアンチ・ヒーロー的なところに魅力を感じたんだ。」


もともと主役に歌手のエミネムが考えられていたと聞きましたが、最終的にヘイデン・クリステンセンを選んだ理由は?

■リーマン監督:「彼の『ニュースの天才』(03)という作品を見て、起用しようと思ったんだ。今回僕は、“アンチ・ヒーロー”を描きたかった。超能力を持っていても、スーパーヒーローではない。こういうジャンルの映画はなかなかないと思うんだけど、それをヘイデンならば、演じきってくれると思ったんだ」

この映画のアクションシーンはかなりリアル感がありましたが、リアリティーというのは、この映画においてどれくらい重要でしたか?


■リーマン:「僕にとってこの映画は、可能な限り、リアルで、現実に忠実であることが重要だったんだ。というのも、他のスーパーヒーロー映画の舞台というのは、僕たちの住む世界に似ているようであっても、基本的な物理の法則なんかは違っていたりするだろう?でも『ジャンパー』の舞台は今我々の現実の世界だからね。例えば、『ボーン・アイデンティティー』で主人公ボーンがスパイとして現実世界にいたらどうだろう?と思ったのと同様に、超能力を持ったデヴィッドが、我々の住む世界にいたらどうかな?っていうことなんだ」


世界中の様々な場所にジャンプする主人公ですが、その撮影はいかがでしたか?特に、東京での撮影は?

■リーマン:「僕は実際にその場所に行って撮影をしたかったから、本当に大変だったよ。もちろんCGを使って映像をごまかしてつくることは簡単だけど、実際に行って撮ることが大事だと思ったんだ。それでいて、アクションシーンをたくさん撮ったから、本当に苦労が多かったよ。僕の基本原則は、今まで誰も見たこのないものを作ることで、東京での撮影も今までにないものだったと思うよ。CGを使わずに、実際に東京の路上で撮影をしたんだけど、よくやれたなぁ、って今でも信じられないよ。道路を閉鎖して撮影することは許されなかったから、毎回赤信号の55秒間に道に出て撮影をしたんだ。でもその短い時間で実際に、渋谷・秋葉原・銀座の路上で撮影をしたよ」


超能力として一番ほしいものはどんな能力ですか?もしも映画のように瞬間移動可能だったら、何をしたいですか?


■リーマン:「もちろん小さい頃は超能力について空想したけど、今は考えないなぁ…。でも、瞬間移動に対する空想っていうのは世界共通のものだと思うよ。瞬間的に移動ができれば、今の世界で制限されている多くのものがなくなるわけだから、僕なら今やっていることの10倍のことをやると思う。あとは映画のように、失敗してもすぐに脱出できるから、ものすごい大波でサーフィンしたり、エベレストでスキーしたり、そんなことを試してみたいね」


続編はありますか?もしそうなら、どのようなものになりますか?

■リーマン:「ああ、続編についてのアイディアがたくさんあるよ。今回の映画は“ジャンパー”の可能性のほんの表面しか出せていないからね。今回出てもらったへイデン、ジェイミー、レイチェルがすごく気に入っているから、また一緒に作品をつくりたいと思っているよ」


ご自身では、映画を撮るにあたって、純粋なアートとしての映画と商業的な映画を区別していますか?

■リーマン:「自分自身や一つのメディアとして限界に挑戦していれば、それはアートだと思っているよ。だから、僕が誰もが作るようなアクション映画をつくってしまったら、それはもうアートじゃないと思うんだ。その点で、『ジャンパー』は誰もが見たことのないアクションヒーロー映画になっていると思うから、この映画は僕にとってアートと呼べるものになっているよ」


今後の作品の予定について教えてください。

■リーマン:「僕は他の監督みたいに、次々と作品を手がけるタイプじゃなくて、一つの映画を撮り終わって、それから次の構想を考え始めるタイプなんだ。だから今はまだ構想中なんだけど、同時進行している二つの計画があって、一つはジェイク・ギレンホール主演の月への探検の話で、もう一つは、二コール・キッドマン主演の、実在したCIA捜査官の話。この二つの映画の構想を進めているところだよ」

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『ジャンパー』
配給:20世紀フォックス映画
公開:2008年3月7日
劇場情報:日劇1他全国ロードショー
公式HP:http://www.jumpermovie.jp

■あらすじ
普通の高校生デヴィッドは、ある日凍結した川に落ち、図書館への瞬間移動を体験した。そして彼はその力を悪用し、銀行から大金を盗み取る。その後、母の失踪から人が変わってしまった父との生活を離れ、ニューヨークで「世界中のどこへでも瞬時に移動できる」という自由を満喫していたデヴィッド。しかし、パラディンというグループの存在と、その組織に自分が追われていることに気づく。そして、偶然出会った同じジャンパーと協力し、何千年も続くというジャンパーとパラディンとの戦いに巻き込まれていく。


■人物紹介
ダグ・リーマン(監督)
1965年ニューヨーク生まれ。7歳の時から短編映画を撮り始める。96年にロサンジェルスの青春を描いた低予算映画の快作『スィンガーズ』を監督し、その自由で革新的な映像スタイルが注目の的に。続いて、凝った構成の犯罪映画『go』(99)で独自の映像センスと才能を見せつけ、ハリウッドきっての人気監督としての地位を確立。その後、『ボーン・アイデンティティー』(02)、『Mr.&Mrs.スミス』(05)の大ヒットで常に期待を裏切らない監督として高い評価を得ている。


取材・文:田辺奈緒

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