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2007年8月 3日 (金)

『アーサーとミニモイの不思議な国』リュック・ベッソン監督インタビュー

“いろんな人が理解し合って、もしかして、そこにリスペクトが生まれたら、この世界に犯罪や戦争が少なくなるんじゃないか、そういう風に伝わってくれたらなと思います”

2007年6月13日(水)
出席者:リュック・ベッソン

『アーサーとミニモイの不思議な国』リュック・ベッソン監督インタビュー


「これまでにないファンタジー・アドベンチャー」、これが『アーサーとミニモイの不思議な国』を観た多くの人の感想ではないだろうか。
10歳の少年、アーサーが身長2ミリの小さな姿になって、地底に広がる妖精の王国ミニモイで大冒険の旅に出るというお話なのだが、妖精たちのルックスもファンタジーの設定も、既存の映画とは一味違うのだ。
ユニークで、可愛くて、その上ちょっぴりセクシーでもある。そして、これを監督したのが、あのリュック・ベッソンであることを知って、更に驚いた。『フィフス・エレメント』から10年、ベッソン監督は、この不思議なファンタジーで、何を語ろうとしているのだろうか?

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今までにない、ちょっと変わった楽しい物語ですが、この物語をどうやって作り上げたのですか?

■リュック・ベッソン「そもそもは、『フィフス・エレメント』のデザイナーで友人でもあるパトリス・ガルシアがテレビのミニシリーズ企画として話をしてくれたのが最初なんです。
僕としては、劇場の長編作品にするべきだと説得したのですが、アーサーという小さいキャラクターを通して、色々なことを語れるんじゃないかと思ったんです」


色々なことと言うと?

■ベッソン「体の小さいミニモイでも、助け合えばこれだけのことが出来るんだということです。
誰でも10歳くらいの頃、言われたことがあると思う。まだ小さいから、あれはだめ、これはだめ、って。それをひっくり返して、小さくてもこれだけのことが出来るんだ、ということが言いたかったんです。
人と人との距離だったり、時間だったり、そういうものを縮めて、いろんな人が理解し合って、もしかして、そこにリスペクトが生まれたら、この世界に犯罪や戦争が少なくなるんじゃないか、そういう風に伝わってくれたらなと思います」


環境問題へのメッセージも込められていますね。

■ベッソン「僕は、エコロジーに敏感なんです。この問題は、多くの人に正に今、語られるべきだという気持ちもありました。明日では遅いんです。
特に子供たちには自然の大切さを伝えないと。もしかしたら、彼らの方が私たちよりも更に環境を守ってくれるかもしれないしね」


地球レベルで取り組まなければいけない問題ですよね。

■ベッソン「現実に、1週間に100種類くらいの生き物が、地球上から姿を消しているんです。
人間のせいでいなくなってしまう動物たちがたくさんいる。それは間違っているんです。我々は神ではないのだから。
動物たちだって生きる理由があるし、僕からすれば、動物も人類の兄弟なんですよね。皆が繋がっている筈なんです。
それに、100カ国以上の国が捕鯨を止めたのに、日本は商業のためだと言って、まだ続けている。これを続けていけば、いつか日本人は子供たちに、鯨がなぜ滅んだのかということを説明しなくてはいけなくなる。“自分たちが殺したからだ”って」


私はセレニアが可愛くて頭がよくて好きなんですが、監督はどのキャラクターがお気に入りですか?

■ベッソン「僕もセレニアにはちょっと恋しているかもしれない。皆好きだけど、特にベタメッシュは好きですね。日本語版のベタメッシュの声(えなりかずきさん)がキャラクターにぴったり合って最高なんです。
ダルコスもかなり好きです。すごく損な役なんですよ。彼自身が悪者ではなく、その息子であるだけなんですが、一生懸命、悪人になろうとする。でも、才能がないんです。そんな、愛すべきキャラクターです」


マドンナがセレニアの声を演じていますよね。二人は似ているような気がするんですが、最初から意識していたんですか?

■ベッソン「彼女とは、20年来の友達なんです。でも、オファーしたのは、友達だからじゃなく、彼女がぴったりだと思ったから。
嬉しいのは、ほとんどの人が、セレニアの声がマドンナだと気が付かなかったことですね。それだけ、彼女のパフォーマンスが素晴らしいということですよね」


日本語版のアーサー役の神木隆之介さんが演じられていますね。神木さんと会われたそうですが?

■ベッソン「若くて才能ある素晴らしい少年ですね。それに、体つきがアーサー役のフレディ・ハイモアと似てるんです。才能を感じたし、これから長く活躍して欲しいですね」

世界の名匠、リュック・ベッソンは、いわゆる「子供のような人」。もちろん、いい意味で。『アーサーとミニモイの不思議な国』も、子供のために作った映画ではないんです。リュック・ベッソンという大きな子供が、世界中の友達のために作った物語だから、各国で大ヒットし、多くの子供たちに愛されるんですね。

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『アーサーとミニモイの不思議な国』
公開:2007年9月22日
配給:アスミック・エース エンタテインメント
劇場情報:丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にて
公式HP:http://www.arthur-movie.jp/


■あらすじ
好奇心旺盛な10歳の少年、アーサーはおばあちゃんと二人暮らし。冒険家のおじいちゃんが残した古い地図を見つけ、庭の中にあるというミニモイの国へ宝探しの旅に出かける。


■プロフィール
Cheese_070929_18リュック・ベッソン
1959年、フランス・パリに生まれる。幼い頃は、海洋生物学者になりたかった。『最後の闘い』(83)で長編映画デビュー。主な監督作品に、『グレート・ブルー』(88)、『ニキ-タ』(90)、『レオン』(94)、『フィフス・エレメント』(97)、『アンジェラ』(05)がある。


取材・文: 南野望里子

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