■映画と旅するヨーロッパ

2011年3月 1日 (火)

ツーリスト

『ツーリスト』

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2011年3月5日より日劇3ほか全国にて公開
2011,アメリカ、フランス,SPE

美しいヴェネツィアを舞台に、ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーの夢の共演で贈るラブサスペンス!!

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絶世の美男美女と、素晴らしい景色、もうこれだけで娯楽映画の条件を十分満たしていて、観る価値ありの四半期一押し映画です☆欧米や中東では昨年末にひと足お先に公開したので、私はドバイで堪能して来ました。

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さてその気になる内容ですが、まずは、あらすじを簡単にご紹介します。

傷心を癒すためイタリアを訪れたアメリカ人旅行者・フランク(ジョニー・デップ)は、謎の女性・エリス(アンジェリーナ・ジョリー)と出会います。ヴェネチアで2人は恋に落ちますが、同時にある陰謀と危険な罠に落ちていく――。

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エンディングの大どんでん返しには、思わず面食らい、『は???どういうこと 』とキツネにつままれた気分でした。少々無理がある展開なのですが、そんな脚本の穴さえもヨシとしてしまえるのは、やっぱりデップとアンジーコラボの成せる技。

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またヴェネツィアの世界遺産、観光名所もくまなく登場するので、まるで旅行しているような気分にもなるはずです。迷路のような入り組んだヴェネツィアの街並みは実に魅惑的で、最後まで謎に包まれているアンジーの正体とシンクロします。

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写真は、ヴェネツィア映画祭へ行った時に私たちが撮った風景です。

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ハリウッド映画の醍醐味を是非味わってくださいね!

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2011年2月19日 (土)

ベルリン映画祭・コンペ部門(4)-Odem-

Odem

監督: Jonathan Sagall
脚本: Jonathan Sagall
出演: Clara Khoury, Nataly Attiya, Moran Rosenblatt, Ziv Weiner, Daniel Caltagirone ほか
オリジナル言語: 英語・アラビア語・ヘブライ語
2010年/イスラエル・イギリス/90分

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【作品のあらすじ】

ララは、パレスチナ人で、13年前にロンドンに移り住む。幼馴染のイナムの元彼と関係を持ち、子どもができて結婚。一見幸せそうな家庭を築いているものの、夫は長年浮気をしていて夫婦仲はもはや冷め切っていた。しかしララはそれでも良かった。見て見ないふりをすることで、この物質的に豊か生活が安定しているならそれで十分だった。
ある日、アパートの前にイナムが現れる。彼女の登場によって、大きな緊張が生じる。2人には過去に秘密があった・・・。


【所感】

脚本構成が素晴らしく、あっという間にストーリーの中に引き込まれていきました。幼なじみである2人の女性の記憶と現在の状況をこまめにリンクさせることで、彼女たちの間にあった悲しい過去がつまびらかになっていくストーリー展開は、観客を惹きつける見事な演出でした。

そして、過去に起きたある事件の記憶が、2人の間で大きな食い違いを見せているところが、この映画における最も特出すべき見どころだと感じます。それぞれの人生に影を落としている事件であり、後の人生が大きく隔たっているその起点に、様々な想いが宿りました。

暗さだけが漂う作品の中にも、どこか救いのあるラストは、必見です。

2011年2月18日 (金)

ベルリン映画祭・コンペ部門(3)-Coriolanus-

Coriolanus

監督: Ralph Fiennes
脚本: John Logan
出演: Ralph Fiennes, Gerard Butler, Vanessa Redgrave, Brian Cox, James Nesbittほか
オリジナル言語:英語
2010年/イギリス/122分/Presentation of European Shooting Stars

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【作品のあらすじ】

シェクスピアの『コリオレイナス』を現代に置き換えて映画化した作品です。
貧困で苦しむ民衆の間には、不満が増大し、爆発寸前の反抗的な空気が漂っていた。民衆の不満の矛先は、ケイアス・マーシアス将軍に向けられる。彼は傲慢で、庶民の声を聞くどころか、侮蔑する有様。怒りに狂った民衆は、暴動を起こしたのである。
彼らの指導者は、前に軍で指揮官を務めていたタラス・オーフィディアス。彼こそが、ケイアス・マーシアスの最大の敵であった。コリオライの町の近くで決戦が行なわれ、ケイアス・マーシアスの勇気ある闘いにより、ローマ軍は大勝。ケイアス・マーシアスには、コリオライを解放した英雄として、コリオレイナスという添え名が与えられる。この功績によって、彼は政界に入るのに十分なパワーを手に入れる。しかし、演説が不得意でな彼は、元来、人を罵倒することで勝ってきたようなところがあった。そこを、政敵に利用されて、そそのかされた彼は、公衆の面前で市民を侮蔑する発言をしてしまい、政治家への野心を潰えさせてしまう。市民からの攻撃が激しくなり、彼はローマにいられなくなった。ローマを去った彼は復讐を誓うが、彼がローマを屈服させるためには、宿敵であったタラス・オーフィディアスと手を組む必要があったのだ……。
 


【所感】

シェイクスピアの素養が無くても、十分見ごたえのある作品に仕上がっていましたが、事前にシェイクスピア作品であることや、作品内容等の情報収集をしておけば、もっとスムーズな理解が出来たと思います。現代版にしたことで、少々無理強いとも思えるシチュエーションもしばしば登場し、また何故ローマ????という疑問が終始付きまとっていました(笑)単に私の勉強不足が原因なのですが・・・。

主演を務めるイギリスの演技派俳優Ralph Fiennesが、初めてメガフォンを取った事でも注目されている作品です。劇中には、いくつかのシーンで頻繁に、古典的なニュースリールという技法が使われていました。いわゆるニュース映像がそれですが、このニュース映像を交えながらのストーリー展開は、複雑な政治的繋がりや相関図もストレートに観客に伝えることが出来るので、現代版における 『コリオレイナス』には、実に有益な演出になっていたと思います。

エンディングは、若干奇をてらい過ぎている気もするのですが、初監督作品にして、主演を務めたRalph Fiennesには、大きな拍手を送りたいと思います。今後の監督業、俳優業が楽しみです!


2011年2月17日 (木)

ベルリン映画祭・コンペ部門(2)-The Future-

The Future

監督: Miranda July
脚本: Miranda July
出演: Hamish Linklater, Miranda July, David Warshofsky ほか
オリジナル言語: 英語
2011年/ドイツ・アメリカ/91分

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【ストーリーのあらすじ】

主人公は30代の男女カップル、ソフィーとジェイソン。
付き合って4年になるというのに、どうもしっくりいっていない。倦怠期の原因は、お互いの仕事を嫌っていることもにもあった様だ。このマンネリ化した関係から脱出するためには、2人で何か協力して出来ることを探そうと考える。そして2人は、傷ついた猫を引き取って面倒をみることを決めるのだ。しかし猫を引き取るためには、これまでの生活を変える必要があった。しかしこれが2人の関係を更に悪化させることに・・・。


【所感】

劇中に終始流れるファンタジックな雰囲気はとにかく絶品です!
主人公ソフィーを演じるミランダ・ジュライが脚本・監督も務めていることから、彼女のカラーが全開・炸裂の、なんとも掴みどころのない、不思議で可愛らしい作品に仕上がっていました。
小さな女の子のナレーションで始まるオープニング。その声の持ち主が、実はネコであることが分かる導入部分から、ただごとではない作品の良い香りを感じます。さらに、ソフィとジェイソンのやり取りは、幾度と無く笑いを誘っていました。2人の間に流れている間合いやトーン、抜け感とでもいうのか、ゆる~い空気感がそのままこの作品の色になり、おとぎ話のような異次元の世界を作り出すのに手伝っていました。

脚本はオープンエンディングで、彼女たちが将来どうなっていくのか・・・という余韻を残しながら幕を閉じます。かつてフェミニズムの重要性を語っていたミランダ・ジュライらしい女性の描き方にも共感を覚えます。個人的には、とても好きな作品。

2011年2月16日 (水)

ベルリン映画祭・コンペ部門(1) -Yelling To The Sky-

ベルリン映画祭では、コンペ部門作品もいくつか観に行っていますので、所感をUPしていきますね☆

Yelling To The Sky

監督: Victoria Mahoney
脚本: Victoria Mahoney
出演: Zoë Kravitz, Gabourey Sidibe, Tim Blake Nelson ほか
オリジナル言語: 英語
2010年/アメリカ/96分

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タイトル通り、空に向かって叫びたくなるほど、日常生活に鬱積したものを抱え、重圧に耐えながら必死に生きている人々のドキュメンタリームービーを見ているかのような作品でした。

ストーリーの中心人物は、ある崩壊寸前の貧困層の黒人家族。2人姉妹の妹は、同級生に日常的ないじめを受けており、オープニングからストレスフルなシーンに直面します。姉も未婚のまま妊娠。父親の家庭内暴力に耐え切れず、ボーイフレンドと駆け落ちするも、またもやそのボーイフレンドから暴力を受け、実家に出戻りしてくる始末。


母は、父親の起伏の激しさと長年の暴力に精神的ダメージを受け、失踪。時間を置いたのち家に連れ戻されますが、死んだ魚のような目と脱け殻のように動かない彼女の姿には心が痛みます。

終いには、妹が人の道を踏み外し、高校生にして、ドラッグディーラーに堕ちて往く様は、少なからず同情すら覚えます。自分の身を守るには、手段を選べなかった彼女を取り巻く環境は、実にリアリティがありました。

しかし、一度は離散し、心がバラバラになりながらも、少しずつ少しずつ再生していく彼らの絆を見るにつけ、たとえ一度壊れたもの、壊したものでも、取り戻したい、守りたいという意思さえあれば、手遅れではないのかもしれないと感じさせてくれるドラマでした。

脚本構成、カメラワークが取り立てて素晴らしいわけではないけれど、間違いなく心に留まる作品であり、単なる家族再生のドラマには終わらない力を感じる作品でした。

2011年2月13日 (日)

ベルリン映画祭リポート-ヘヴンズ・ストーリー-

昨日は、フォーラム部門に正式出品されている『ヘヴンズ・ストーリー』の監督舞台挨拶と上映会に参加してきました☆

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『感染列島』や『サンクチュアリ』の鬼才、瀬々敬久監督が送る全9章、4時間38分にわたる超長編作品で、東京では既に劇場公開が終了し、現在は地方で公開しているようですね。

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2010年10月2日よりユーロスペース、10月9日より銀座シネパトスほか全国順次公開
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© 2010 ヘヴンズ プロジェクト


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オープニングに瀬々監督が登場し、『4時間半後にまたお会いしましょう』という言葉で会場に軽やかな笑いを起こして上映がスタートしました。


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本作は、瀬々監督が日本で実際に起こった事件からインスパイアされ、事件の加害者、被害者家族、またその事件をテレビで観た第三者たちを取り囲む人間関係と彼らの心情を丹念に映し出した渾身の秀作です。複雑に絡み合っていく構成の妙は、章を追うごとに重さと密度が増す気さえします。4時間半という大作でもなお収まりきれない私たち人間の永遠の命題 『生きること、死ぬこと、』そして『善、悪』の意味を考え、正答のないトンネルへと誘われていきました。

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2011年2月11日 (金)

ベルリン映画祭開幕!オープニング上映作『トゥルー・グリット』

昨日(10日)ベルリン映画祭が開幕し、私もオープニング上映作である『True Grit』を鑑賞してきました☆

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オープニングセレモニーやレッドカーペット後に、Friedrichstadtpalastという劇場で上映されるチケットを幸運にも入手することが出来たんです。

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なので、オープニングセレモニーの様子も生ではありませんが、映像で全て見ることが出来ました♪

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残念ながらセレモニーは7,8割がドイツ語進行なので(当たり前だけど・・・笑)、会場のあちこちで笑いが起こっているのに、一人だけ、 ポッカ~ン・・・・・な状況もしばしば。でも司会の女性が、ドイツ版・久本雅美さんのような、視聴者に親しまれるとてもユニークで明るい人柄の女優さん(どうやらコメディアンヌでもあるらしい)で、言葉が分からないのに、思わずファンになりました!

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さて、そんな余談はおいて置くとして。
早速、『トゥルー・グリット』について、少し書きますね。

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2010年9月20日 (月)

ヴェネチア映画祭体験リポート(3)

【ヴェネチア映画祭の会場&周辺】

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今月11日ソフィア・コッポラ監督の『サムウェア』が金獅子賞に輝いて幕を下ろした第67回ヴェネチア映画祭ですが、会場はどんな場所だったのか簡単にご紹介します。

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*(ロイター)


5月に行われたカンヌ映画祭と比較すると、意外と静かに開催しているという印象でした。
カンヌの場合は駅に降り立った瞬間からとにかくお祭り騒ぎで人の流れに任せれば、必然的にメイン会場へ辿り着けるほど観光客や映画祭関係者、映画ファンでごった返していました。街中の広告はほぼ全てが映画祭のポスターやロゴで埋め尽くされ、街をあげてのイベントといった雰囲気。

ところがヴェネチア映画祭はというと・・・・・・

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2010年9月17日 (金)

ヴェネチア映画祭体験リポート(2)

『Potiche』に続いて、同日21:30からの正式上映は、イタリア人監督カルロ・マッツァクラティの 『La Passione』でした。レッドカーペットでは、監督はじめ、出演陣をカメラに収めることが出来ました!

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この作品、ストーリーはかつては期待された映画監督が確かな実績も残せないまま今や50歳を迎え、最後の映画製作に躍起になっているのに、うまい具合に事が運ばずに、さらにプライベートでも問題が勃発するというお話です。なんだかこの部分だけ聞くと同じイタリア人監督だし、フェリーニの 『8 1/ 2』 のオマージュか?!なんて思ってしまいますが、 大分違ったようです。


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カルロ・マッツァクラティ監督は、1994年に「Il toro」でヴェネチア映画祭の銀獅子賞を受賞。それ以降、1996年に「Vesna va veloce 」、1999年には非コンペで『Ritratti: Mario Rigoni Stern』を出品、2000年に『聖アントニオと盗人たち』でコンペ入りと、イタリアのベテラン監督で、本作は4回目のコンペ入り!!自国イタリアの期待も相当集まっているはずだと予想していました。

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やはり予想を裏切らず、熱狂的なファンが会場に駆けつけていて、上映前から熱気に包まれていました。

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しかし・・・、作品はというと個人的には少々期待はずれだったかも。

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2010年9月11日 (土)

ヴェネチア映画祭体験リポート(1) 

◆【上映前の様子】

9月4日(土)の19:00からメイン会場で行われたフランソワ・オゾン監督のコンペティション作品『POTICHE』(邦題・“しあわせの雨傘”)を見てきました。

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5月のカンヌ映画祭では会場に入る観客たちが綺麗に正装していたもんだから、今回土屋もそれなりにめかしこんでメイン会場へ行くと・・・あれ??意外に浮いてる??(苦笑)ジーパンを履いている人や、普段着全開で涼しい顔をしている人たちも多く、頑張りすぎた私、ちょっぴり恥ずかしい・・・。しかもこの会場では、アジア人を全く見かけなかったので余計に浮いていたような・・・。


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・・・とまぁ、そんな話は置いといて、

レッドカーペッドで待つこと15分。予定時刻を過ぎてもなかなか主演のカトリーヌ・ドヌーヴやオゾン監督一行が現れません。スクリーンには映らない映画関係者たちもこのレッドカーペッドを歩くので、来る人来る人にカメラを向けるのですが、一体あなたはどなた様??状態でした。(ちなみに写真は、会場内。コンペの上映チケットを持っている人しか入れません。)

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進行状況を気にしてか、係員から 『会場に入ってください』 と散々促され、当の主役たちがやって来ないまま、会場内の指定席で待つことに・・・。

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でも素直に係員の指示に従ったのは、この通りごくわずか。

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さすがはイタリアン。心の欲するままに、レッドカーペットに現れるであろう大物たちを見逃すまいと、粘っていたようです。
素直で真面目?!(規律に従うのが得意)な日本人代表の私。座席にて待ちぼうけ・・・なんか損した気分。


でもここであの方を見つけちゃいました!!!!
そうです!!!今回のヴェネチア映画祭の運命の女神?!ならぬ神。クエンティン・タランティ~ノ!!!彼が微笑むのは一体誰(どの作品)なんでしょうかねぇ~?!

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近くの席に座っていたので、観察モード全開の私。よくよく見ていると、タランティーノ監督はとてもナイスガイだということが分かりました。


観客が次から次へと彼の席を取り囲み、写真を撮ったり、握手をねだったり、しまいには係員からペンまで借りてきて 『チケットにサインしてくれ』 と頼むファンに、嫌な顔ひとつせず、終始笑顔で対応している姿は印象的でした。プロ根性にアッパレ!!


ただ、相手がニコラス・ケイジならチキンの私でもサインをねだって写真もお願いしていたでしょうが、今回は遠目のみで。


そうそう、余談ですが・・・。タランティーノ監督、この作品上映中に席を(多分トイレ)立ったんです。ストーリーが佳境に入ってきたところで。作品中のある部分を見逃しちゃったと思うんですけど・・・採点には影響しないんでしょうかね?まぁ、全体を通しての評価でしょうから、多少は観なくても大丈夫ということなのか?(笑)


ようやく主賓登場!!!

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カトリーヌ・ドヌーヴの年を経た魅力とオーラは遠くからでも目を惹きました。
近年の作品でも『ポーラX』 とか 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』、『8人の女たち』 や 『輝ける女たち』 などでその華麗な姿を拝見していましたが、来月で御歳67才。これからも輝き続ける女優でしょうね。

* 蛇足ですが、本作『しあわせの雨傘』は、カトリーヌ・ドヌーヴの往年の名作『シェルブールの雨傘』とかけてこの邦題に決まったそうです。

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2010年9月 8日 (水)

ヴェネチア映画祭体験リポート ~はじめに~

先週末、ヴェネチア映画祭に潜入してきました☆

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早速、『体験リポート』と題して、以下の4つのトピックに分けて綴っていきたいと思います。ヴェネチア映画祭に興味のある方、来年は行ってみようかな?!と思っている方、土屋の視点から見た、ごく一部の狭い範囲の情報ではありますが、もしよければお付き合いくださいませ☆

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■ヴェネチア映画祭体験リポート(1) 

 【フランソワ・オゾン監督のコンペ作品 『しあわせの雨傘』 と カトリーヌ・ドヌーヴ登場!】

レッドカーペットから、上映終了後の会場の様子、私の映画批評を含めてリポートします。

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■ヴェネチア映画祭体験リポート(2)

【イタリア人監督 カルロ・マッツァクラティの コンペ作品 『La Passione』 と作品批評&反響】  


こちらもレッドカーペットを合わせた上映会の様子をお届けします☆

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■ヴェネチア映画祭体験リポート(3)

【ヴェネチア映画祭の会場&周辺】

リド島で開催中の映画祭の会場を歩いてみました。意外にもお祭り騒ぎは会場内だけ?!現場の様子をお伝えします☆

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■ヴェネチア映画祭体験リポート(4)

【番外編 ヴェネチア観光スポット】

せっかくヴェネチアに行ったからには、映画祭だけじゃなく、ヴェネチアの街を堪能したい!!というわけで、観光スポットをはじめ、地元人しか知らないというお薦めレストランをご紹介します☆

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2010年8月26日 (木)

ベルリンの北野人気に圧倒☆ファンタジーフィルムフェスタにて

つい先日、ベルリンで開催中の 『ファンタジーフィルムフェスタ』 へ行ってきました♪ 

見た映画はカンヌ映画祭コンペティション部門に出品された北野武監督の 『アウトレイジ』です。


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2010,日本,ワーナー・ブラザース、オフィス北野
© 2010『アウトレイジ』製作委員会

映画の開始時間は19:00から。チケットは既にインターネットで購入済み。
座席はフリーシートだったのですが、ベルリン映画祭よりも規模も話題性も小さいので観客もあまり居ないんだろうと、高をくくっていましたが・・・。いやぁ~!!驚きの混雑振りでした。


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友人夫妻と会場入りしたのは、19時ちょうど。200人以上収容できる大会場にもかかわらず、最前列を除く全ての席が満席でした。 (まぁ、開始時間ちょうどに行く私たちも私たちですが・・・。) 一度は最前列に座ってみたものの、あまりの巨大スクリーンに目が痛すぎて、脇の通路階段部分に座ることに・・・(笑)


さて映画がスタート。私は内容もさることながら、ドイツ人の反応が気になって仕方ありませんでした。

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2010年8月23日 (月)

ヴェネチア映画祭に乗り込む前に、知っておくこと(2)

ヴェネチア映画祭に乗り込む前に、知っておくこと(2)は、チケット入手方法書いておきます!


・・・な~んてもったいぶってみましたが・・・、私が説明するまでのことはなく、ヴェネチア映画祭での一般チケットは、取り立てて難しい購入方法は何一つありません。と~っても簡単!オフィシャルホームページのサイトにアクセスして、そこからチケットを購入すればいいのです・・・・・・(笑)


ヴェネチア映画祭 チケット購入ページ


チケットは8月19日のイタリア時間正午12時から発売を開始しました。


私も初日の販売開始15分前からPCの前に座り、12時ちょうどに戦闘突入!!なんとか2作品分のチケットをゲットしました!!!でもこれがなかなか大変な戦いでしたよ。1分1秒を争う戦いとはこのことです。あれよあれよという間に、どんどん席が埋まっていく上、私のパソコンのデータが重いせいか思うように動いてくれず、泣きそうになりました。

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2010年8月21日 (土)

ヴェネチア映画祭に乗り込む前に、知っておくこと(1)

来月1日~11日まで、第67回ヴェネチア映画祭が開催されますね!カンヌ映画祭に続き、今回も映画祭会場に乗り込みまーす!!


*5月のカンヌ映画祭の珍リポートはこちら ↓ をご覧ください。

カンヌ映画祭のススメ ~招かれざる客・珍リポート①~
カンヌ映画祭のススメ ~招かれざる客・珍リポート②~
カンヌ映画祭のススメ ~招かれざる客・珍リポート③~


しか~し、今回はカンヌ映画祭の教訓を生かし、事前にバッチリチケットを入手しているので、“招かれざる客”ではございませんよ(笑)またまた、1泊2日の弾丸リポートではありますが、カンヌよりは少しは実のあるものをお伝えできるかと思います(笑)興味のある方は、是非今後の 『シネマグラス』 をこまめにチェックしてくださいね!

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さて、ヴェネチア映画祭に乗り込む前に、ここで予習しておこうと思います。


◆『ヴェネチア映画祭に乗り込む前に、知っておくこと(1)』と題した今回は、
ヴェネチア映画祭で出品される全コンペティション作品をザッと簡単にご紹介します。コンペティション部門以外も山ほどありますが、全部紹介しきれないので・・・あしからずです。


◆『ヴェネチア映画祭に乗り込む前に、知っておくこと(2)』では、
今からでも間に合う、一般のチケット入手方法をご紹介します。現地でも運がよければ入手可能です。


ヴェネチア映画祭に行く予定のある方、注目している方、少しでも参考になれば嬉しいです。

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2010年8月18日 (水)

只今、ファンタジーフィルムフェスト開催中@ベルリン!

昨日から、ベルリンでは『FANTASY FILMFEST』が開催しています!

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ファンタジーフェストというから、例えば『ハリーポッター』とか、『ロード・オブ・ザ・リング』、『ライラの冒険』や、壮大なスケールが魅力の『スターウォーズ』など、SF系を思い描いてしまいましたが・・・、どうやらこのフェストの内容は毛色が違うみたいです。ファンタジー作品よりはホラーが半数を占めています。またヴァイオレンス系、サイコスリラー系も目立ちます。まぁ、そういうのもファンタジーといえば、ファンタジーか・・・。正確なジャンル分けって難しいですね。

そんな中、日本作品・日本関連作品は、以下の通り。


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2010年8月 4日 (水)

パリで開催中の北野武展 

もう2ヶ月近くも前の話になりますが、現在もパリ14区のカルティエ現代美術財団で開催している北野武展に行ってきました。


その名も、『Beat Takeshi Kitano, Gosse de peintre』
(ビートたけし/北野武 絵描き小僧)

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大きく4つのカテゴリーに分けられています。
The Exhibition (展覧会)、Paintings (絵画)、Moving Image (動画)、Attraction (アトラクション)。

美術館の中は撮影禁止のため、外観の写真と、ネットニュースに使用された写真を掲載しています。展示品は写真がないので、文章の説明と、ガイドブックの絵を参考にしてください。

また、ガイドブックが英語のみなので、私が面白いと思った記事をピックアップし、直訳してご紹介するので、ダイレクトすぎる表現があるかもしれませんが、ご了承ください。

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【北野武展のテーマは?】

エントランスを入ると、まず目に飛び込んでくるのが、こちら!!

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オレを見ているオマエは誰だ?! (c)Cartier

北野武像。
手には彼自身の頭から飛び出した脳を持ち、いたずら好きな少年の頃の北野が微笑んでいます。

そしてこんなセリフが!

『Who are You Who is Looking at Me?!』
オレを見ているオマエは誰だ?!

“北野の脳の中を覗く”というのが、この展覧会の核というべきものだということが分かります。

1994年にバイク事故を起こし重体になった北野ですが、頭蓋骨を開く手術を拒否したそうです。『もしオレの担当外科医がこの絵や作品を見たら、彼は多分、すぐに手術しておくべきだったと思うだろうね』 と 変わらぬ北野節で語っています。

では、そんな北野ワールド全開、エキセントリックな魅力を放つエキシビジョン、スタート!!!!

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2010年7月 9日 (金)

『かもめ食堂』に触れる旅

晴乃の総合評価:4.0(5点満点)

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7月のフィンランドは、午前0時近くまで明るく、ヘルシンキの小さな繁華街は人で溢れていました。どこにこれだけの人が隠れていたのか?と思うほどです。今回は、そんな夏のヘルシンキを舞台にした日本映画 『かもめ食堂』 のロケ地を巡りました♪

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ヘルシンキで生まれ育った日本人の知人が、この『かもめ食堂』は、日本人とフィンランド人の気質を良く表していると語っていました。はたして、『かもめ食堂』に描写される日本人らしさとは?そして、フィンランド人の気質とは?

ヘルシンキの美しい景色を眺めながら、『かもめ食堂』のファンタジーワールドに浸ります。


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1.【あらすじ】

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フィンランドのヘルシンキで、サチエは小さな店 『かもめ食堂』を営んでいる。この食堂のメインメニューはおにぎり。日本人のソウルフードだからだとサチエは自信を持っているが、お客が来る気配はない。ある日初めてのお客がやって来た。日本かぶれのフィンランド人青年だ。彼に『ガッチャマンの歌詞』を全部教えて欲しいと言われるが、サチエはどうしても思い出せずに悶々としていた。書店に立ち寄ると、店内のカフェに日本人女性ミドリを見かける。思い切って『ガッチャマンの歌詞』を教えて欲しいと話しかける。驚くべきことに、ミドリはガッチャマンの歌詞を全て覚えていた。この出会いがきっかけになり、サチエはミドリを家に招き、やがてミドリはサチエの店を手伝うようになる。

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(c)かもめ商会 photo:高橋ヨーコ

一方、両親の看護を終え、フィンランドに癒しと、自分が満たされる何かを求めてやってきたマサコは、ロストラゲッジに合う。航空会社に問い合わせをするが3日経ってもいっこうにマサコの荷物は出てこない。街を歩いていて偶然、『かもめ食堂』を見つけ、サチエやミドリと知り合う。奇妙なめぐり合わせで知り合った3人トリオが織り成す普通の日常生活は、ゆっくりと、ほんの少しずつ好転していく。


2.【土屋的作品解説】

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この映画を例えるなら、『真冬の日光浴』のような、『都会の喧騒から離れた森林浴』のような心地よさと癒しを感じずにはいられません。随所にファンタジー性を帯びていて、大きな事件が起こるわけでもないのに、忘れることが出来ない作品。都会のあくせくした窮屈な日常から抜け出して、この作品に触れるなら、それはマイナスイオンたっぷりのヒーリングムービーになること間違いなし。

監督は、2003年に長編デビュー作『バーバー吉野』がベルリン国際映画祭で児童映画部門特別賞に輝いた荻上直子。また、『ヤマダ一家の辛抱』などで人気の作家、群ようこが、本作のためにオリジナル・ストーリーを書き下ろしました。女性ならではの感性が凝縮した、母性に包まれるような、柔らかなぬくもりを感じる作品です。

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2010年6月15日 (火)

『善き人のためのソナタ』 から、旧東ドイツをたどる

晴乃の総合評価:4.5(5点満点)

善き人のためのソナタ

現在私は、ベルリンの旧東ドイツ地区にあるプレンツラウアーベルクというエリアに住んでいます。少し歩けば街中の至るところに旧東ドイツ時代の名残を見つけることが出来ます。今回は、映画の舞台になった場所や、関連博物館などを訪れ、『善き人のためのソナタ』を通して、旧東ドイツの国家システム、“自由のなかった恐るべき監視国家”を見つめてみました。

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2006,ドイツ,アルバトロス・フィルム
©2007 ALBATROS Co., LTD. All Rights Reserved.


1.【あらすじ】

1984年、東西冷戦下の東ベルリン。国家保安省局員(シュタージ)のヴィースラー大尉は、劇作家のドライマンと舞台女優である恋人のクリスタが反体制的であるという証拠をつかむよう命じられる。成功すれば出世が待っていた。あるとき盗聴器から流れてきた美しいピアノの音色を耳にする。それは、ドライマンが友人から「この曲を本気で聴いた者は、悪人になれない」という言葉と共に贈られた、“善き人のためのソナタ”という曲だった。

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毎日盗聴を続けるうちに、予期していなかった感情がヴィースラー大尉の中に生まれ始める。彼らの世界に近づき、人間らしい自由な思想、芸術、愛に溢れた生活に影響を受け、監視する側であった彼に変化が生じる。いつの間にか今まで知ることのなかった新しい人生に目覚めていくヴィースラー大尉。監視相手の男女を通じて、これまで信じて来た国家に、初めて背くことに・・・。

エンタメーテレ最新ナビから引用)

2.【土屋的作品解説】

この作品は、強固な共産主義体制の中枢を担っていたシュタージ(国家保安省)という監視システムに初めてメスを入れ、その実態を克明に描いた歴史ドラマです。国家に翻ろうされた恋人たちや、芸術家たちの苦悩を浮き彫りにした問題作として、第79回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した傑作です。

シュタージは、1950年に創設された国家保安省であり、秘密情報機関として国内の反体制の人々を徹底的に監視し、摘発していた組織です。最終的には9万1000人の正規職員の他、約18万9000人の非公式協力者からなるシュタージネットワークが、1600万人の東ドイツ国民を24時間監視していたそうです。

親しい友人や愛する恋人、そして家族の中でさえも、反体制の人間を政府に密告していたといいます。その悲しい現実の数々が、、壁崩壊後に公開された 『シュタージ文書』 から明らかになっています。まさに、この作品の主人公ドライマンとクリスタの関係も、シュタージによって悲劇的な結末を迎えます。自分以外の誰も信じることの出来ない世界とは一体どれだけの息苦しさなのか、想像に及びません。人間の心を蝕み、懐疑心だけがはびこる社会が実際に存在したかと思うと、とても恐ろしいです。

壁が崩壊してから、17年という歳月を経てようやくドイツが世界に向けて、“監視国家”の実態を明らかにしたという事からも、いかに旧東ドイツ市民の心に、この監視システムが深い影を落としていたかということを感じます。そして、この悲しい過去を世界に公表していくことで、ドイツが新たに歩みだした証明でもあります。

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2010年5月21日 (金)

カンヌ映画祭のススメ ~招かれざる客・珍リポート③~

“カンヌ映画祭のススメ ~招かれざる客・珍リポート”は、この記事が最終回です!今回は、『カンヌ市内観光/映画の舞台を歩こう』と題して、カンヌの街をご紹介します☆

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世界のセレブリティが集う華やかなリゾート地のカンヌですが、カンヌ映画祭開催期間以外でも1年中様々なイベントを開催しています。これからの時期は夏の野外音楽祭などもありますし、カジノや、海水浴、ショッピングの他、これまでにも色々な映画のロケ場所に使われてきたこともあり、楽しめる場所は意外に豊富。小さな街ですが、数週間滞在しても飽きずに過ごせる魅力的な場所です☆映画の舞台やショッピング通りをセレブ気分でアイス片手に歩いてみてはいかがでしょうか?


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とにかく今回の実質滞在時間わずか10時間という怒涛のスケジュールの中、女一人、いかにカンヌを楽しむか!!というのが私の最大のテーマでした。そこで!↑手っ取り早くカンヌ市内の主要エリアを1周出来るこちらの観光用の車に乗ることにしたんです。


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この車、1時間でカンヌ市内を全て見て周れるという触れこみで、観光客には有難い存在。途中下車が出来るチケットも販売しているみたいですが、私は1時間の1周コースという10ユーロのチケットを購入。更に何がイイって、走行中に変わる景色を見ながらそれに合わせてヘッドフォンで音声ガイドを聞くことが出来るんです。もちろん、日本語もありますよ!!

カンヌの歴史から、セレブたちのトリビア、映画の撮影秘話などなど、それぞれの場所と照らし合わせて、堅苦し内容ではなく小話として聞けるのでとても興味深いです♪


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ただ、ちょっと難点は街中が混んでいるので、渋滞で停まることはあっても、この景色を撮りたい!!!という場所では素通りしてしまうことも多々あり、じっくり写真撮影をしたい方は、自分の足でもう一度その場を訪れることをオススメします。

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2010年5月18日 (火)

カンヌ映画祭のススメ ~招かれざる客・珍リポート②~

昨日に引き続き、『カンヌ映画祭のススメ ~招かれざる客・珍リポート②~』と題して、『 “招かれざる客” がカンヌ映画祭を楽しむには?』をテーマに、今日は “正式上映チケット入手の裏技?!”と、“一番の見どころ・レッドカーペットで”の2つに絞ってお届けします♪

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◇正式上映チケット入手の裏技?!◇

前回の記事でも書いたように、正式上映作品はIDを持っているプロフェッショナルが鑑賞出来るもので、一般ではほぼ不可能に近いんです!!“ほぼ”と書いたのは、実はカンヌで、“不可能を可能にした”ツワモノに出会ったんです。彼女は27歳のスペイン人エンジニアで、映画が大好きで一人でカンヌ映画祭にID無しでやって来たそうですが、その行動力には見習うべきことがたくさんありました。大き目の画用紙に目立つ太字で・・・


『Please give me a ticket of “YOU WILL MEET A TALL DARK STRANGER”』

と掲げていました。何時間ここに立っているのか聞いてみると、もうかれこれ4時間もパレの前でこうやって誰か心優しい人がチケットを譲ってくれるのを待っているとの事でした。


実は、意外と余ったチケットや行けなくなって無駄になっているチケットはあるようで、私もたまたま道を聞いたオジサンから 『日本からわざわざ来たのなら、行かないチケットがあるから譲ってあげようか?』と幸運なオファーを頂いたものの・・・・・・そのチケットは、私がベルリンに戻ってしまった後のものだったので、涙をのんでお断りをしたんです。縁が無かったのね・・・・・・と無理やり自分を納得させている時に画用紙を掲げている彼女を発見しました。

実質のカンヌ滞在時間が、2日間合わせてもわずか10時間程しかない強行スケジュールの中やってきた私は、正式上映作品の潜入はとっくに諦めて、とりあえずレッドカーペットとこのお祭り騒ぎのカンヌの街だけでも満喫しよう!なんてパレのレッドカーペット周辺で、カメラを構えスターたちが登場する時間を今か今かと待ち構えていた時・・・・

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あのスペインからやってきた彼女が、綺麗に正装し、レッドカーペット脇にある入場口から入っていく姿を発見!!!!すごーーーーい!!!ついにチケットを手に入れたんだ!!!!!と驚きと尊敬、羨望、そして若干の後悔も混じりながら彼女の後姿を見送りました。 『成せば成る、成さねば成らぬ、何事も』という言葉をこの時ほど感じた瞬間はありませんでした。


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さて、私はというと・・・一般人らしく、レッドカーペットに登場したスターたちを裸眼で確認し、カメラを向け、大騒ぎに紛れてとにかく奮闘してました(^^;) 詳しくは↓続きを・・・。

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2010年5月17日 (月)

カンヌ映画祭のススメ ~招かれざる客・珍リポート①~

◇はじめに◇

2010年5月12日(水)~23日(日)まで南フランスのカンヌで開催中の、第63回カンヌ国際映画祭へ行って来ました♪今回は、日本が世界に誇る北野武監督の新作映画 『アウトレイジ』がコンペティション部門に選出されたことや、、「ある視点」部門では中田秀夫監督の「チャットルーム(原題)」等もラインナップしていることから、今年も非常に注目が集まっていますよね☆


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私がカンヌを訪れたのは15日(土)・16日(日)のわずか2日間。ホテルや飛行機などの関係で、北野監督がカンヌに姿を現す17日まで滞在できなかったのが心残りではありますが、興奮冷めやらぬうちに、私の目で見たカンヌ映画祭をリポートします♪コンペティション部門参加作品の内容やカンヌ映画祭の詳しい情報は記者の皆さんにお任せして、このブログでのテーマは、ズバリ!!

『“招かれざる客”がカンヌ映画祭を楽しむには?』

土屋の目から見たカンヌ映画祭なので、サイド情報としてお楽しみいただけたら嬉しいです。


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内容は以下の3つに分けてお届けします♪

☆カンヌ映画祭のススメ ~招かれざる客・珍リポート①~
 ・カンヌへのアクセス
 ・カンヌ映画祭は業界人のための祭典


☆カンヌ映画祭のススメ ~招かれざる客・珍リポート②~
 ・上映チケット入手の裏技?!
 ・一番の見どころ・レッドカーペットで


☆カンヌ映画祭のススメ ~招かれざる客・珍リポート③~
 ・カンヌ市内観光/映画の舞台を歩こう


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2010年4月29日 (木)

ベルリン映画博物館で感じたこと

いつも私がベルリンで映画を見に行く場所が、ポツダム広場。以前も書きましたが、ベルリン市内で唯一ドイツ語吹き替えをしていない、オリジナル作品が見られる映画館がこのポツダム広場のソニーセンター内にあるからです。詳しくは『ベルリンの映画事情』をご覧ください。


そのソニーセンターの一角に、ベルリン映画博物館があります。この博物館は主にドイツ映画の歴史、ドイツテレビの歴史と二つの大きな軸に分けて、最先端の斬新な展示方法で分かりやすく見せています。

私は映画のエリアを中心に見て廻ったのですが、じっくり観るとかなりの時間を要するほど内容の濃いものばかりが展示されています。

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2010年4月22日 (木)

日曜はダメよ

晴乃の総合評価:3.5(5点満点)

『日曜はダメよ』

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1960年に製作されたギリシア映画で、アテネから南西へおよそ10キロ、地下鉄だとアテネ中心部から20分ほどで着くピレウスという港町が舞台になった作品です。

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まずはこのピレウス港に触れておくと、アテネの外港としての歴史は古く、遡るとなんと紀元前490年にもなります。現在は商業港としての役割が主で旅行客にとってはエーゲ海の島々へ船出する港として一度は立ち寄る場所になっているものの、お世辞にも洗練された港とは言えず、なんとなくどんよりした雰囲気が漂っていて、場末の港町という印象を拭えませんでした。

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映画の中で、このピレウスに住む娼婦のイリアが、『世界中どこを探したって、こんな港は他にないの。 私を虜にする不思議な力を持つピレウス』と、ピレウスへの愛を歌っています。この主題歌 『Never on Sunday』 は、1960年に外国映画で初のアカデミー歌曲賞を受賞しています。イリアが見えていた素晴らしいピレウス、でも私には見えなかったピレウスの魅力とは何なのか、旅を通して考えてみました。

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2010年4月 1日 (木)

映画の舞台を取材中

みなさん、ご無沙汰しています。ベルリンに引っ越して1週間が経ちました。最近は取材の一環でお天気のいい日にあちこちベルリンの街を散策しています。ベルリンが舞台になった映画のロケ地を廻り、その空気を感じに行っているんです。手には地図とカメラを持ってキョロキョロ・キョロキョロ・・・。

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今は主に『ベルリン・天使の詩 』(1987)、 『ラン・ローラ・ラン』(1998)、『グッバイ、レーニン!』(2002)、『善き人のためのソナタ』(2006)そして『クリスチーネ・F』(1981)などの舞台となっているエリアを探索中です。ベルリンは戦争という暗い過去をけして忘れない街。そして、その過去を背負いながら、そこから新しい文化が生まれている街でもあります。この街を舞台にしている映画は、歴史的背景を深く勉強しなければ分からない、語れない作品ばかりです。また、この国やベルリンが持つ問題を多く含んでいるので、毎日勉強の日々です。


学生の頃は歴史に興味が薄く、“授業中も遠い世界で昔起こったこと”、くらいの意識で単にテストのために勉強をしていましたが、今は知りたいこと、学びたいことが沢山あります。あの頃、もっとちゃんと勉強しとくんだったな。


さて、それぞれの映画の詳しいレビューや取材内容については個々に記事をUPしていきますが、今日はちょこっとだけ写真と共にご紹介しますね。


こちらが↓ブランデンブルク門の近くで見つけた『ラン・ローラ・ラン』の壁画。映画の中で、ローラはフリードリヒ通りやベーレン通りあたりを、こんな風に赤い髪の毛を振り乱し、今にもはだけそうなキャミソールのようなランニングシャツを着て駆け回っています。

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こちら↓は『善き人のためのソナタ』のエンディングで、主人公が店の前を通りかかり本を買うシーンで登場する“カール・マルクス書店”の跡。実は2008年に移転してしまったようで、今は違うお店になっていました。このカール・マルクス大通りには巨大なアパート群が連なり、旧東ベルリンの姿をそのまま保存した場所になっています。行きかう人も少ない中、この建物の前に立つと、不思議なほど抑圧された空気を感じずにはいられません。社会主義国家の理想がこの巨大な建物なのだとしたら、ここに漂うもの悲しさと閑散とした空気は、紛れも無い現実。メトロから地上に出た瞬間に、一帯が時代錯誤を感じる場所です。


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そして、こちら↓は、『ベルリン・天使の詩 』の冒頭シーンに登場する“カイザー・ヴィルヘルム教会(左)と鐘楼(右)”。白黒映画の中で、ひときわ目を引いた個性的な建物のシーン、一度見たら忘れられませんでした。白黒映像の影響なのか、この街の闇を表現しているようにも見えるその重々しい建物の正体を、作品を観ている時は分かりませんでした。

ベルリンで実物を目の前にした時、思わず息を呑んだのを憶えています。1943年11月23日、連合軍の爆破によってこの教会は一夜にして廃墟になりました。今も爆撃の生々しい傷跡がこの教会には刻まれていて、戦争への警告碑として保存されています。

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そしてこちらが、↓同作『ベルリン・天使の詩 』で天使の棲家として描かれていた“国立図書館”。実際に中に入ってみましたが、入り口付近にはソファーもいくつか並んでいて、静寂の中サンドイッチを頬張っている人もいました。閲覧室へは図書館カードがないと入ることが出来ないようですが、映画のシーンを思い起こしながら同じ空間で同じ静寂に包まれることに意味があると感じました。

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今後は、それぞれの映画のレビューと絡めながら、実際に映画の舞台となった土地に立ち、匂いを嗅ぎ、この目で見て、触って、感じたことを綴っていくつもりです。取材に時間がかかりそうですが、随時UPしていくつもりですので、気長にお待ちください。

またドイツ映画に限らず、今後ヨーロッパの色々な国を訪れて、その土地に関連した作品も取り上げていきたいと思います。今後もお付き合い頂ければ嬉しいです♪


2010年4月1日
土屋晴乃

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