ベルリンの北野人気に圧倒☆ファンタジーフィルムフェスタにて
つい先日、ベルリンで開催中の 『ファンタジーフィルムフェスタ』 へ行ってきました♪
見た映画はカンヌ映画祭コンペティション部門に出品された北野武監督の 『アウトレイジ』です。

2010,日本,ワーナー・ブラザース、オフィス北野
© 2010『アウトレイジ』製作委員会
映画の開始時間は19:00から。チケットは既にインターネットで購入済み。
座席はフリーシートだったのですが、ベルリン映画祭よりも規模も話題性も小さいので観客もあまり居ないんだろうと、高をくくっていましたが・・・。いやぁ~!!驚きの混雑振りでした。

友人夫妻と会場入りしたのは、19時ちょうど。200人以上収容できる大会場にもかかわらず、最前列を除く全ての席が満席でした。 (まぁ、開始時間ちょうどに行く私たちも私たちですが・・・。) 一度は最前列に座ってみたものの、あまりの巨大スクリーンに目が痛すぎて、脇の通路階段部分に座ることに・・・(笑)
さて映画がスタート。私は内容もさることながら、ドイツ人の反応が気になって仕方ありませんでした。
カンヌでは激しい暴力シーンに、気分が悪くなり席を立つ観客が続出したという話を聞いていたので、はてさてベルリンはどうかしら・・・?!と思っていましたが、意外や意外、皆さん最後までスクリーンにかじりつきでした。
そして北野監督の意図したシニカルな表現描写は、狙い通りあちこちで笑いを起こしていたことに、なぜか私まで嬉しくなりました。でも中には、ちょっと行き過ぎたジョークも。 黒人に向かって 『夜は暗いから、お前は見えない』 という内容の暴言を吐くシーンです。これには、会場がどよめきました。『オォ~』 というあからさまに不快感を表す声が洩れ聞こえました。日本の映画館で見るのとは間違いなく違う反応だと思います。
それから1つ残念だったのは、画面に登場する 『看板』 の文字が英語字幕にされていないことです。これがシーンの理解のために必要であるにも関わらず訳されていないため、日本語を知らない人間が、その場面のどこに面白みがあるのか、けして分からなかったでしょう。私は思わず、『クスっ』と笑ってしまったシーンですが、周りの反応を見ると静かで実に冷ややかなものでした。
劇中に2度、そのシーンは登場します。あえて2度登場させるからには、監督としてもそこにある種の計算があったはず。しかしその製作者の意図も伝わっていないことになります。
そのシーンとは・・・・・・
警察署の前で、大友組の組長(ビート・たけし)を待つ若頭・水野(椎名桔平)が、警官に向かってタバコを投げ捨てるというもの。
署前に警備として立っている一人の警官がいて、その背後に 『暴力団撲滅』 などの暴力団に関する標語が映し出されています。奥に看板が見えつつ、警官の目の前には、“暴力団”たちがタバコをふかしながら親分を待っているわけです。さらにタバコを警官の前に投げ捨てるのですが、その警官は見てみないフリをします。
北野映画の得意とする『非言語コミュニケーション』。 いわゆるセリフのない静寂の中で、人の目の動き、顔の表情、しぐさ、背景、周囲の音 などで互いの心理を表す描写です。ここで最も必要な情報が、背景の看板であるにも関わらず字幕にされていないというのは、残念でなりませんでした。
暴力シーンは、前評判通り過激で、見ていて痛い箇所は全て目を背けてしまいましたが、私の率直な感想は、「その男、狂暴につき」での初監督以来、彼が手がけてきたバイオレンス作品、ヤクザ映画の中では、『アウトレイジ』が最高傑作と言えるのではないでしょうか?21年間の集大成を見たような気がします。
テンポのよさ、間合い、シニカルなユーモア、劇中に流れる哀愁、冷酷で実に非情、そして不思議なことに、悪者同士の殺し合いによってカタルシスが起こる様な、謎の感覚を与えられました。
個人的には、今後バイオレンスやヤクザ映画じゃない北野作品を切望しています!!






こんにちは。バイオレンスが大の苦手の私は北野作品を見たいと思ったことはないのですが、春乃さんに「彼が手がけてきたバイオレンス作品、ヤクザ映画の中では、『アウトレイジ』が最高傑作」といわしめたこの作品には興味を持ちました。バイオレンス部分がぼかされているDVDが出たら(出るわけないですが)ぜひ見たいです。
看板の件はさすがにするどいつっこみですね。こんな重要な意味をもつのになぜ字幕つけなかったのか不思議ですね。外国のファンのために、ぜひ看板の字幕をつけるよう、春乃さんから映画関係者に働きかけてはいかがでしょう。
ドイツでは特に外国人差別には敏感なので、そのジョークは不快に聞こえたのでしょうね。日本人は差別には鈍感で平気でそういうところで大笑いしますよね。ドイツで邦画を見ると無神経だなと思うことがよくあります。
投稿: ラケル | 2010年8月28日 (土) 13:23
土屋さん、ベルリンでの生活、いかがお過ごしですか。
日本は、猛暑が続き、雨も降らない日が続いています。
最高気温も30度越えが続いています。
野菜やハンバーガー等、おいしい物も見つかり、楽しそうですね。
土屋さんが朝まるを卒業して1年が経過します。後任の河村和奈さんも継続中です。センセグで見られるといいですね。
私の方は、鉄道旅行や撮影等を楽しんでいます。
9月5日、私の33回目のバースデーを迎えます。祝福お待ちしています。
土屋さんも、お母様になる日が来るかもしれませんね。
素敵な、ベルリン生活、お楽しみ下さい。
投稿: 桜井智之 | 2010年9月 3日 (金) 11:40