パリで開催中の北野武展
もう2ヶ月近くも前の話になりますが、現在もパリ14区のカルティエ現代美術財団で開催している北野武展に行ってきました。
その名も、『Beat Takeshi Kitano, Gosse de peintre』
(ビートたけし/北野武 絵描き小僧)

大きく4つのカテゴリーに分けられています。
The Exhibition (展覧会)、Paintings (絵画)、Moving Image (動画)、Attraction (アトラクション)。
美術館の中は撮影禁止のため、外観の写真と、ネットニュースに使用された写真を掲載しています。展示品は写真がないので、文章の説明と、ガイドブックの絵を参考にしてください。
また、ガイドブックが英語のみなので、私が面白いと思った記事をピックアップし、直訳してご紹介するので、ダイレクトすぎる表現があるかもしれませんが、ご了承ください。

【北野武展のテーマは?】
エントランスを入ると、まず目に飛び込んでくるのが、こちら!!

オレを見ているオマエは誰だ?! (c)Cartier
北野武像。
手には彼自身の頭から飛び出した脳を持ち、いたずら好きな少年の頃の北野が微笑んでいます。
そしてこんなセリフが!
『Who are You Who is Looking at Me?!』
オレを見ているオマエは誰だ?!
“北野の脳の中を覗く”というのが、この展覧会の核というべきものだということが分かります。
1994年にバイク事故を起こし重体になった北野ですが、頭蓋骨を開く手術を拒否したそうです。『もしオレの担当外科医がこの絵や作品を見たら、彼は多分、すぐに手術しておくべきだったと思うだろうね』 と 変わらぬ北野節で語っています。
では、そんな北野ワールド全開、エキセントリックな魅力を放つエキシビジョン、スタート!!!!

【ユニークすぎる展示品の数々】

(c)Cartier
たとえば、こんなエキシビジョンが。

◆『最新科学が研究した恐竜絶滅の理由』◆
・宝石の鑑定ができないから。
・メタボリックになったから。
・今時タバコなんか吸っているから。
・手を上げていないように見えるから。
・お尻をうまく拭けないから。
・(じゃんけんで)いつもチョキだから。
・ドラッグに手を出したから。
・リズム感がまるでないから。
・リーチがないから。
などなど。
普通ディスカバリーチャンネルなどでは、『隕石が地球に衝突したから』とか、『惑星の温度が急激に下がって絶滅した』などの理由を語るところを、北野独自の視点で、(本人いわく、“コミック・ヴァージョン”)恐竜が健康上、衛生上の問題で消えたというストーリーになっています。

私が一番好きな展示物がコレ ↑ です!!
日本といえば、『寿司』!!!!
日本人は寿司しか食べていないんじゃないかと思われるほど、海外では日本食レストランといえば、寿司ばかり。下手すれば、『SUSHI』という文字さえ出していれば、お客さんが入ってくるほど、寿司は『客寄せパンダ』状態。
そんな、『日本人=寿司』という偏見にトドメを刺すような、シニカルで毒気のあるエキシビジョン。
『日本では既に、バイオテクノロジーの進化によって、魚の体内で寿司の養殖が始まっている』
というもの。これには思わず声を出して笑いました!!
さすが北野武!!!!!あっぱれな発想です。この展覧会を訪れた人の中に、万に一人もこの寿司養殖を信じる人はいないでしょうが、ここまで日本人への偏見を逆手にとって笑いに変える彼の奇抜なアイディアには言葉がありません。

【北野武の映画にも登場する絵画】
映画 『HANA-BI』 や 『アキレスと亀』 の中で、沢山の絵画が登場しますが、この展覧会ではそれらの実物を見ることが出来ました。私が印象に残っている絵は、『HANA-BI』で登場した、絵。
人間の身体なのに、顔が花になっていたり、動物の身体に花の顔がついていたり。動物と花を融合させた生物が登場して、映画の中で大切な何かとリンクしているような、いないような。突然画面に現れる絵画に、何か意味を求めて、自分なりの勝手な解釈で映画を捉えていたことを改めて思い出しました。
鮮やかな色彩と共に、はっきりと描かれたその実物の絵にお目にかかれたのは貴重です!『HANA-BI』 や 『アキレスと亀』をご覧になっていない方は、一度観てから、この展覧会に行かれることを強くオススメします!
【北野武の本当の仕事】
世界の北野は、映画監督であり、俳優であり、アーティストであるというイメージですが、日本ではその活躍よりももっとずっと前から、コメディアンとして、TVパーソナリティーとしての確固たる実績があり、お茶の間のスターだったことは日本人の私たちからすれば常識。そんなこれまでの北野の仕事を紹介している場所がありました。動画で昔なつかしの番組を流しています。こちらも必見!
ただ、残念なことに日本の『笑い』と欧米のそれとではやはり大分違うようで、作品を見て笑っている欧米人を一人も見かけませんでした・・・・・。
【子供たちのアクティビティー】

展覧会に来た子供たちが、実際に作品にかかわり、楽しめるように、アクティビティスペースが設けられていました。
ひとつは、古今東西で最も有名なパズルの一つ『ハノイの塔』。真剣な眼差しの子供たちで溢れていましたよ。
また、ヘッドフォンから流れてくる音を聞いてそのイメージを絵に描いてみるというコーナーもあり、私にはこっちの方がまだいいかしら・・・と挑戦。
しかし、単なる意味を持たない音を聞いて、風景や具象を描くということは、絵心のない私には全くもって至難の業。子供たちは、思い思いに彼らの絵を夢中で書き上げてました。想像力、空想力、発想力、失いたくないものです・・・・(><)
北野武展覧会は、どこか不可思議で刺激的で、新しい気づきのある場所でした。アーティスト、クリエーターの脳を覗いてみると、やはり凡人には驚くことばかり。彼の映画が時々私にもたらす感覚と酷似していました。今後も北野武の動向・映画作品から目が離せませんね!!
◆詳細◆
北野武展『Beat Takeshi Kitano, Gosse de peintre』
2010年9月12日まで
Fondation Cartier pour l’art contemporain(カルティエ現代美術財団)
261 Bd Raspail 75014 Paris
メトロRaspail駅下車
http://www.fondation.cartier.fr






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