« 2010年3月 | メイン | 2010年5月 »

2010年4月

2010年4月29日 (木)

ベルリン映画博物館で感じたこと

いつも私がベルリンで映画を見に行く場所が、ポツダム広場。以前も書きましたが、ベルリン市内で唯一ドイツ語吹き替えをしていない、オリジナル作品が見られる映画館がこのポツダム広場のソニーセンター内にあるからです。詳しくは『ベルリンの映画事情』をご覧ください。


そのソニーセンターの一角に、ベルリン映画博物館があります。この博物館は主にドイツ映画の歴史、ドイツテレビの歴史と二つの大きな軸に分けて、最先端の斬新な展示方法で分かりやすく見せています。

私は映画のエリアを中心に見て廻ったのですが、じっくり観るとかなりの時間を要するほど内容の濃いものばかりが展示されています。

20100428_025


続きを読む »

2010年4月22日 (木)

日曜はダメよ

晴乃の総合評価:3.5(5点満点)

『日曜はダメよ』

Never


1960年に製作されたギリシア映画で、アテネから南西へおよそ10キロ、地下鉄だとアテネ中心部から20分ほどで着くピレウスという港町が舞台になった作品です。

188

まずはこのピレウス港に触れておくと、アテネの外港としての歴史は古く、遡るとなんと紀元前490年にもなります。現在は商業港としての役割が主で旅行客にとってはエーゲ海の島々へ船出する港として一度は立ち寄る場所になっているものの、お世辞にも洗練された港とは言えず、なんとなくどんよりした雰囲気が漂っていて、場末の港町という印象を拭えませんでした。

194


映画の中で、このピレウスに住む娼婦のイリアが、『世界中どこを探したって、こんな港は他にないの。 私を虜にする不思議な力を持つピレウス』と、ピレウスへの愛を歌っています。この主題歌 『Never on Sunday』 は、1960年に外国映画で初のアカデミー歌曲賞を受賞しています。イリアが見えていた素晴らしいピレウス、でも私には見えなかったピレウスの魅力とは何なのか、旅を通して考えてみました。

190


続きを読む »

2010年4月 1日 (木)

映画の舞台を取材中

みなさん、ご無沙汰しています。ベルリンに引っ越して1週間が経ちました。最近は取材の一環でお天気のいい日にあちこちベルリンの街を散策しています。ベルリンが舞台になった映画のロケ地を廻り、その空気を感じに行っているんです。手には地図とカメラを持ってキョロキョロ・キョロキョロ・・・。

Berlin_057


今は主に『ベルリン・天使の詩 』(1987)、 『ラン・ローラ・ラン』(1998)、『グッバイ、レーニン!』(2002)、『善き人のためのソナタ』(2006)そして『クリスチーネ・F』(1981)などの舞台となっているエリアを探索中です。ベルリンは戦争という暗い過去をけして忘れない街。そして、その過去を背負いながら、そこから新しい文化が生まれている街でもあります。この街を舞台にしている映画は、歴史的背景を深く勉強しなければ分からない、語れない作品ばかりです。また、この国やベルリンが持つ問題を多く含んでいるので、毎日勉強の日々です。


学生の頃は歴史に興味が薄く、“授業中も遠い世界で昔起こったこと”、くらいの意識で単にテストのために勉強をしていましたが、今は知りたいこと、学びたいことが沢山あります。あの頃、もっとちゃんと勉強しとくんだったな。


さて、それぞれの映画の詳しいレビューや取材内容については個々に記事をUPしていきますが、今日はちょこっとだけ写真と共にご紹介しますね。


こちらが↓ブランデンブルク門の近くで見つけた『ラン・ローラ・ラン』の壁画。映画の中で、ローラはフリードリヒ通りやベーレン通りあたりを、こんな風に赤い髪の毛を振り乱し、今にもはだけそうなキャミソールのようなランニングシャツを着て駆け回っています。

Berlin_047


こちら↓は『善き人のためのソナタ』のエンディングで、主人公が店の前を通りかかり本を買うシーンで登場する“カール・マルクス書店”の跡。実は2008年に移転してしまったようで、今は違うお店になっていました。このカール・マルクス大通りには巨大なアパート群が連なり、旧東ベルリンの姿をそのまま保存した場所になっています。行きかう人も少ない中、この建物の前に立つと、不思議なほど抑圧された空気を感じずにはいられません。社会主義国家の理想がこの巨大な建物なのだとしたら、ここに漂うもの悲しさと閑散とした空気は、紛れも無い現実。メトロから地上に出た瞬間に、一帯が時代錯誤を感じる場所です。


Berlin_007

そして、こちら↓は、『ベルリン・天使の詩 』の冒頭シーンに登場する“カイザー・ヴィルヘルム教会(左)と鐘楼(右)”。白黒映画の中で、ひときわ目を引いた個性的な建物のシーン、一度見たら忘れられませんでした。白黒映像の影響なのか、この街の闇を表現しているようにも見えるその重々しい建物の正体を、作品を観ている時は分かりませんでした。

ベルリンで実物を目の前にした時、思わず息を呑んだのを憶えています。1943年11月23日、連合軍の爆破によってこの教会は一夜にして廃墟になりました。今も爆撃の生々しい傷跡がこの教会には刻まれていて、戦争への警告碑として保存されています。

Berlin_050


そしてこちらが、↓同作『ベルリン・天使の詩 』で天使の棲家として描かれていた“国立図書館”。実際に中に入ってみましたが、入り口付近にはソファーもいくつか並んでいて、静寂の中サンドイッチを頬張っている人もいました。閲覧室へは図書館カードがないと入ることが出来ないようですが、映画のシーンを思い起こしながら同じ空間で同じ静寂に包まれることに意味があると感じました。

Berlin_075


今後は、それぞれの映画のレビューと絡めながら、実際に映画の舞台となった土地に立ち、匂いを嗅ぎ、この目で見て、触って、感じたことを綴っていくつもりです。取材に時間がかかりそうですが、随時UPしていくつもりですので、気長にお待ちください。

またドイツ映画に限らず、今後ヨーロッパの色々な国を訪れて、その土地に関連した作品も取り上げていきたいと思います。今後もお付き合い頂ければ嬉しいです♪


2010年4月1日
土屋晴乃

最新映画ナビ

最新映画ナビ関連ブログ

2020年9月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30