Dr.パルナサスの鏡


2010年1月、TOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開
2009,アメリカ,ショウゲート
© 2009 Imaginarium Films, © 2009 Parnassus Productions Inc.
ヒース・レジャー急逝によって、製作中止とまで言われた本作 『Dr.パルナサスの鏡』 は、いまやテリー・ギリアム監督最高傑作との呼び声が高いとか。確かに、最初からまるで予定されていたかのような違和感の全くない演出になっていました。
ヒース・レジャーのトニーという役どころは、鏡をくぐる度に容姿が変化し、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が演じ分けた複雑な内面を持ち合わせていて、観客にとって視覚的にそれが露呈していくのがよく分かるようになっているし、彼らの放つそれぞれの雰囲気や役作りによって、人間の二面性、ないし三面性とでもいうような入り組んだ性質が見事にこの映画のテーマとマッチしていて、まさにブラボー!!と言いたくなる作品に仕上がっていました。

ギリアムは 『彼らの参加によって、驚きに満ち、全てがほんの少し魔法にかかった』 と語っていますが、ヒース・レジャーの死と彼の演技を無駄にしたくないという監督やスタッフ、そして代役を快く引き受けた3人の深い愛情が、不思議な世界観を持つ映画に奇跡をもたらしたのかもしれません。
ちょっとひとクセあるテリー・ギリアム独自のエキセントリックな世界観やテーマを保ちながら、大衆にも受け入れられるストーリーテリングだったことが個人的には少々驚きでした(笑)今回は鏡という重要なアイテムを基軸に、人間は常に良しにつけ悪しきにつけ欲望が存在し、その欲望が想像という異次元の世界を生み出す。想像の世界に留まりきれずに理性や自制心を失った人間はあらゆる誘惑に負け、破滅の道を歩むという風刺が存在し、また鏡は人間の二面性を映し出していました。
可愛らしさの中に毒々しさをもつ幻想的な世界に、一度足を踏み入れたら間違いなく病みつきになることでしょう。






ヒース・レジャーに哀悼の意味も込めて鑑賞したいです。
投稿: シネマDVD・映画情報館 | 2009年11月20日 (金) 18:16