『ココ・シャネル』 VS 『ココ・アヴァン・シャネル』


2009年8月8日よりBunkamuraル・シネマ、TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開
2008,アメリカ、イタリア、フランス,ピックス
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2009年9月18日より全国にて公開
2009,フランス,ワーナー
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ココ・シャネル生誕125周年を記念して、ガブリエル・シャネルの人生を描いた2つの作品が製作されました。私が感じた作品の違いを簡単に表現するならば、『大衆受けする興行的な映画』 と 『玄人受けするアート色の強い映画』 ということになるでしょうか?皆さんはどちらがお好みですか?

8月8日に公開になった 『ココ・シャネル』 はアメリカ・イタリア・フランス合作映画で、15年間の沈黙を経て71歳で復帰コレクションを開催するところをストーリーの起点とし、シャネルの悲しい生い立ちやシャネルというブランドの成功に至るまでの回想シーンに戻ったり、再びシャネル71歳の起点に戻り復活後に大成功をおさめるまでの展開を交互に映し出したりと、テンポよく鮮やかにシャネルの生涯を描いています。

一方、9月18日に公開するフランス映画 『ココ・アヴァン・シャネル』 は、孤児院育ちの少女が世界のシャネルになるまでの多難の道のりにフォーカスをあて、当時の世相や、上流社会、女性の生き方を通して、シャネルの生き様をきめ細やかに丁寧に映し出しています。

シャネルの伝記を元に描いた2つの作品ですが、事実関係の詳細には多少食い違いがあります。例えば、前者では「妹」と一緒に孤児院に預けられたことになっていますが、後者の作品は「妹」ではなく「姉」として描かれています。またシャネルが、郊外にあるエチエンヌのシャトーで暮らすことになったきっかけも両作品間には相違があります。前者は、エチエンヌに愛され懇願されてシャトーで暮らすことになったという展開ですが、後者では、エチエンヌのシャトーにシャネルが突然訪問し、半ば強引に居座って、次第にエチエンヌが彼女の存在を必要としていくという風に描かれています。
シャネルが当時の社会の中で、特異な個性と精神を持った女性として描かれている点ではもちろん共通していますが、彼女の内面をよりリアルに表現し、そこにこそ重点を置いているのは後者の 『ココ・アヴァン・シャネル』 だと思います。これは、監督の性別によるところも大きいのではないでしょうか?後者は、女性監督アンヌ・フォンテーヌの手によって製作された作品であり、自ら脚本も担当しているほど全身全霊をかけて挑戦した映画です。当時の女性は、がんじ絡めの堅苦しい服装やモラルによって縛られていました。そんな社会の中で、自力で成功を掴み取り、現代女性のパイオニアとして生きたシャネルを尊敬し、敬意を表している監督の眼差しを、カメラの奥に見ることが出来ます。
前者 『ココ・シャネル』 は、観客を惹き付けるストーリー展開や演出、そしてココ・シャネルの残した有名な語録をふんだんに取り入れることで、作品に説得力をもたせています。
両作品ともにシャネルへの愛を感じますが、私の個人的好みでいえば、前者『ココ・シャネル』は全編英語なのに対し、後者 『ココ・アヴァン・シャネル』 は全編フランス語であることも加味して、後者の方が興行的に脚色するよりもむしろギラギラしていない静かな芸術作品として上質に仕上がっているのではないかと感じます。
皆さんの軍配はどちらに?






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