ある公爵夫人の生涯

『イギリス中に愛されても、ただ一人夫に愛されなかった夫人』
そんな宣伝文句と共に、ダイアナ元妃の直系の先祖で、酷似した愛と葛藤の人生を生きた『もうひとりのダイアナ』という言葉が躍るプレス資料を前に、興味本位で覗いたデヴォンシャー公爵夫人の華麗でスキャンダラスな生涯。でも、見終わった後は、彼女を一人の女性として尊敬し、母として、女性として、人間としての愛情の深さに敬意を表したい気持ちでいっぱいになりました。たくさんの涙が私の頬を伝ったエンディング。もう一度見たい作品です。

『ある公爵夫人の生涯』
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
公開情報:2009年4月よりBunkamuraル・シネマ、銀座テアトルシネマ、新宿テアトルタイムズスクエアほか全国にて

18世紀後半、世界でもっとも裕福な公爵、デヴォンシャー家に嫁いだ17歳のジョージアナ・スペンサー。彼女は社交界の華であり、聡明で輝く美しさを放つ彼女は誰からも愛されていました。しかし、夫のデヴォンシャー公爵は彼女に関心を示すことはなく、ただただ、男子の後継者を生ませることだけを望み、冷淡な態度をとり続けます。さらにはジョージアナの親友レディー・エリザベス・フォスターを愛人にし、同じ屋敷に住まわせるという非情な行動を取るのです。レディー・エリザベス・フォスターは、離婚歴があり、離れ離れになった自分の子供たちに会うためには、デヴォンシャー公爵の力を借りることしか道はなく、親友ジョージアナへの裏切りに苦悩しつつも愛人として立場を貫きます。ジョージアナ自身も政治家を目指す野心家のチャールズ・グレイ(後の英国首相)への本当の愛に気づき、初めて人を愛することを知り、彼との交わりを持つのです。
この奇妙な四角関係の中には、3つの性の交わりを見ることが出来ます。そして、不器用にしか生きられない人間の弱さやはかなさを目の当たりにするでしょう。
公爵とジョージアナの子供を産むための交わり。
公爵とエリザベスの子供に会うための交わり。
ジョージアナとチャールズの本当に愛し合うための交わり。
そして、この映画の最大の見所はエンディングです。華麗でスキャンダラスなある高貴な夫人の生涯・・・・・・という安易な作品では終わらない厚みのある人生の“学び”が存在していることに気づきます。
デヴォンシャー公爵と夫人のジョージアナは、たくさん傷つき、たくさん傷つけあって、それでもデヴォンシャー家の名誉のため、未来のために、決して離れることが許されない二人。向き合って生きていかなければいけない二人。自由に生きられない高貴な人々の悲劇的な人生とその苦悩を垣間見るとともに、ラストには、僅かながら二人の人生に光を見たような気持ちになりました。どれだけ時間が経ったとしても、お互い少しでも近づこうとする意識さえあれば、遅すぎることはなく、距離は縮められるものなのかもしれない。そう思わせてくれる作品でした。
「イギリス人の昔の暮らしを懐かしく見せるような時代劇ではなく、もっと感情に訴える作品にしたかった」と語る新鋭監督ソウル・ディブの意図は見事に達成されているはず。ぜひ、彼女の人生を覗いてみてください。きっとそこから学べることがあると思います。

She’s a credit to you.
自慢の娘ですね
What do you suggest?
何がお望みですか?
Change is upon us.
英国に変革を!
You have no other option.
それしかない。
I can’t abandon my children.
子供を捨てられない
As you wish.
お望みどおりに






土屋春乃様、こんにちは、初めまして、ウィルヘルミナと申します。
この映画、特に女性の間でもう大変な注目を集めていますが、なんといっても、この映画の主人公のデヴォンシャー公爵夫人が、あのダイアナ妃の祖先だからでしょう・・・・・。
しかし、この公爵夫人、実はイギリス王室の別な女性にも大きな影響を与えているのです。それは、あのアンドリュー王子のお妃だった、セーラ妃なんです。以下のURLをご覧下さい。
http://www.dailymail.co.uk/femail/article-1058777/How-Fergie-Duchess-hit-movie-directly-related-illegitimate-child.html
なんとデヴォンシャー公爵夫人の子孫なんですよ。これから先はネタバレになるから書きませんが、この英語の記事を読むと、本当に興味深い人生を送った公爵夫人であることがわかります。
こちら、九州の田舎県ですけど、公開を待ち望んでいます。
投稿: ウィルヘルミナ | 2009年3月16日 (月) 00:39