エレジー

年齢差30歳という男女。男は自分の老いに初めて引け目を感じ、これまで自由な恋愛を楽しんできたはずの日常に嫉妬が生まれ、苦しむことになります。 一方、女はまるで“芸術品”のような完璧な肉体と美貌を持ち、男に駆け引きのない揺るぎない愛を一心に求めますが、やがて2人の見つめる未来には大きな隔たりが存在していきます。
今週は、本作『エレジー』を通して「老い」を見つめました。

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『エレジー』
配給:ムービーアイ エンタテインメント
劇場:シャンテシネ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて
公式HP:http://elegy-movie.jp/

「老い」という自然の摂理は、肉体的な面を指すものではないと感じてなりません。
大学教授であるデヴィッドは若くて美しい教え子のコンステラに強くひかれ、密接な関係を結ぶようになります。彼女の眩いばかりの若さに羨望を抱く一方で、自分の老いに引け目を感じ、いつか彼女は必ず自分から離れていくと決め込み、自ら彼女との関係に距離を作っていくのです。
30歳年上だということを言い訳にして彼女の本心と向き合わず、ただ独りよがりの結論を出して彼女と別れるデヴィッドは、肉体よりも精神が老いているのだと痛感します。 「老い」というのは、自分自身の心に鎧をつけていくことかもしれません。これまで生きてきた沢山の辛い悲しい苦しい経験が古傷として残っている熟年者は、それが重石になって、もうこれ以上傷つかないように、 よりスマートにかっこよく装って生きていくための鎧を纏い、年と共にその鎧の厚みは増していくのです。
でも人を真剣に愛したり、一生懸命生きることは、そんなきれい事で片付けられるほど美しいことばかりではないはず。 嫉妬したり、懐疑したり、不安定になったり、そういった陰の気持ちが生まれるのは愛するがゆえ。そして何より生きている証だと思います。
そして「老い」というのは、「足かせ」だとこの作品を見て感じずにはいられませんでした。
若く完全な肉体と美貌をもったコンステラが、乳癌になり、片方の乳房を失った時、彼女は彼にとってようやく不完全な存在になり得たのです。デヴィッドにとって老いていく自分、30歳年上の自分は不完全であり、そのことが足かせであった彼にとって、コンステラが乳房を失ったことで、不完全な者同士が寄り添い、お互いを補い合う存在になることが出来たのかもしれません。
哀しいかなそう心に訴えてくる作品でした。
コンステラを演じたペネロペ・クルスと、デヴィッドを演じたベン・キングズレーの演技は強烈で、官能的で、心揺さぶられる最高の姿でした。そんな二人の大人の恋愛、苦悩を是非ご覧になってください!!

I freeze.
緊張する
Who am I for you?
私はあなたにとってなに?
You're such a cynic.
皮肉屋ね。
Why are you doing this to me?
あんまりだわ
You mean everything to me.
あなたは私の全て。
Time heals wounds.
時が全てを癒す






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