BOY A

監督:ジョン・クローリー
出演:アンドリュー・ガーフィールド/ピーター・ミュラン/ケイティ・リオンズ/ショーン・エヴァンス/シヴォーン・フィネラン
人生のほとんどを少年院で過ごし、二十歳になった青年。そんな青年が初めて社会に出て、人生をやり直したいと願い、名前を替え、仕事をし、人を愛し、愛される喜びを知ります。しかし社会が彼を許すことはないのです。かつて「悪魔」と呼ばれた少年は、どんなに時が経とうとも、犯した罪と心の傷が消えることはありません。この作品は、少年犯罪を社会派映画として捉えたものではなく、彼の希望や孤独を痛いほどエモーショナルに描いたブリティッシュ・インディーズの傑作です。

(C)THE WEINSTEIN COMPANY ,FILMFOUR CUBA PICTURES
『BOY A』
配給:シネカノン
公開:2008年11月15日
劇場:シネ・アミューズほか全国にて順次公開
公式HP:http://www.boy-a.jp/

『ボーイズ・ドント・クライ』を観た時のあの息苦しさに似た、暗くて切なくて再び大きな闇に突き落とされた気分を味わいました。この映画の中には、容易に答えが出せない数多くの問題が内包しています。
ただひとつ言えることは、主人公ジャックの幼少時代の家庭環境や彼の境遇を見るにつけ、同情の念すら感じるのです。ただただピュアで、親から愛されたいと純粋に望んでいるだけの気弱な少年。彼を受け入れ、守ってくれた唯一の友達が、悪の種を持っていたのです。「白」い布は、簡単にどんな色にでも染められてしまう。もちろん受け身ではなく、自らが望んで、悪に染まったのですが。
彼を悪に染めた少年フィリップもまた、兄からの性的虐待を受け、その鬱積した怒りと悲しみが他人や社会へ向けられた時、大きな被害者を生むことになります。
彼らの不幸な境遇をかさに、犯した犯罪が肯定されることは決してありません。しかしこの映画は、加害者を糾弾することよりも、むしろ彼らの心の内を表現することを優先しています。
二十歳の彼を追っていくことで徐々につまびらかになっていく、彼の過去。その脚本構成も素晴らしい。そしてなにより、主人公ジャックを演じたアンドリュー・ガーフィールドの繊細で情緒的で、陰影に彩られた演技力、その表現力は、さすが将来のスター候補であり、映画デビューを果たした『大いなる陰謀』でロバート・レッドフォード監督に「たいへんな掘り出し物の発見!」と言わしめただけの逸材です。彼の今後にも期待したいところ。
この映画に出会えたことを感謝すると共に、多くの人と作品を通して共有したい想いがあります。ぜひ、ご覧になってください!!

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