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2008年3月17日 (月)

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

晴乃の総合評価:4.0(5点満点)

『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』

監督:マイク・ニコルズ
出演:トム・ハンクス/ジュリア・ロバーツ/フィリップ・シーモア・ホフマン

2004年に双子ちゃんを産んだ後、2007年にも男の子を出産し、しばらくスクリーンから姿を消していたジュリア・ロバーツが、久々に帰ってきた~! と思ったら、う~ん、随分老け込んじゃいましたね……。『プリティー・ウーマン』時代には、大きな口を開けてカラッと笑う百万ドルの笑顔がトレードマークだった彼女も、その輝きに鈍りが出てきたことに時代の移り変わりを感じてしまいました。今後の映画界で、彼女がどういったポジショニングを図るか、キャリアチェンジも楽しみにしたいところ。
さて、今作はトム・ハンクス演じるお気楽議員チャーリー・ウィルソンが、世界を劇的に変えた嘘のような本当の話。1989年、アフガニスタンでのソ連敗退の影には、チャーリーの驚くべき功績があったのです!

『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』
配給:東宝東和
公開:2008年5月17日
劇場:日劇1ほか全国にて
公式HP:http://www.charlie-w.com/

【エンターテインメント View】)

テキサス州選出の下院議員チャーリー・ウィルソンというたった一人の男によって、1979年からアフガニスタンに侵略を開始していたソ連を10年越しで打ち負かし、アフガニスタンの人々を救った実話。しかし、最後の最後でアメリカは大きな失態を犯してしまいます……。そんな暗雲立ち込めるエンディングは実に感慨深いもの。また、のちの9.11を予感させるような含蓄ある言葉がポツポツ登場しています。

『ボールは弾み続ける』
『神はいずれ彼らの味方になる』
『いずれ分かる』
『学校を作れ』

それぞれのシーンで是非、考えてみてください。

映画のエンディングにおけるチャーリーの後悔は、重たいメッセージとして私たちの心にズッシリ響きます。
『最後でしくじってしまった……』

チャーリーはアフガニスタンに『学校』を建設し、本当の意味で復興させることを目指していました。しかし実現することはなかったのです。
ソ連が撤退した当時、アフガニスタンの国民の半分が14歳以下だったそうです。10年にも及ぶソ連の侵略、冷戦の中で育った彼らにとって、ソ連が撤退したあとに残されたものは自由や平和ではなかったのだと思います。肉親や友を失い、絶望・貧困・憎悪・悔恨しか残されていなかったのではないでしょうか? そんな子供たちの怨念を「ボール」に喩えているのだと私は感じました。
『ボールは弾み続ける』
彼らの怨念は、ずっと心の中で生きつづけ、弾み続け、ボールが自然に止まることはないということ。そんな子供達が大人になった今、アフガニスタンがテロリストの巣窟と化してしまったのかもしれません。

彼らにもたらした心の傷は余りにも深かったのです。戦争が終わったことで全てが元通りになると安易に解決したアメリカの誤算は、約20年後の現在に及ぶほど計り知れないほど大きかったのです。
『神はいずれ彼らの味方になる』
「神」という絶対的なものを笠にして、「神」の名の元に、よそ者は殺し、テロリズムを働く現況を表したように思えてなりません。
『いずれ分かる』その「いずれ」が、9.11が起きてしまった今になってしまったことを考えると、最後の最後で「学校」を作らなかったことや、アメリカの多大なる極秘支援を世界中のイスラム教徒に知らされなかったこと、その事実を闇に葬られていたことが悔やまれます。もしもこの事実が周知のものであったなら、9.11は起きなかったかもしれないから……。


【English Expression View】

How do I suppose to know?
そんなの知るか

We’ll see.
いずれ分かる
seeは「見る」という意味だけではなく、ここでは「わかる」という意味。

A ball keeps bounding.
ボールは弾み続ける
【エンターテイメントView】にも書きましたが、この映画の要となるセリフです! 是非チェックしてください。

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コメント

またまたこんばんは!本作も楽しみに待っている1本です。
オスカーに助演でノミネートされたホフマンの演技に注目しています。

それはそうと、本作は軽いタッチの風刺のきいた政治コメディなんだろうと思っていたのですが、晴乃さんの感想を読むに真摯にテーマと向き合っている作品のようですね。

昔、森住卓さんの写真展「イラク・湾岸戦争の子供たち」に行った際のことを思い出しました。森住さんが撮影でイラク入りした際、親しくなった子がいて、その子に夢を聞いたそうです。そしたらその子は恥ずかしそうに「大きくなったら医者になりたい」と答えた。それから数年後にまたイラクに撮影に行ったらば、偶然彼に会うことができたそうなんです。彼は立派な青年になっていてこう言ったそうです。「空軍のパイロットになってアメリカと戦いたい。復讐したい」と。

多くの友人を白血病で失ってきた彼が、その理由をアメリカがばら撒いていった劣化ウラン弾だと知ってしまった時、何かが変わってしまった。森住さんは「復讐では解決しないよ」とは言ってこれなかったそうなんです。晴乃さんの感想を読んでいたら思い出しました・・・。

変な話しですいません。

>たまさん

  「本作は軽いタッチの風刺のきいた政治コメディなんだろうと・・・」
私もそう思っていたので、意外でした。

武力で解決することからは、憎しみや復讐心しか生み出されないような気がしてなりませんね・・・。

 今、チャーリーウィルソンの映画を見終わったところです。文章、拝見しました。自分も全く同感です。難しい作品、と言えるでしょうけれど、平和ボケの日本人がこの作品を観ても、おそらく何も感じないんじゃないのかなーと思ったり。
 戦争は無くならない。いずれ、日本も痛い目を見るのかも知れないですね。物騒なことを書きました。不必要なら削除を。

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