『サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生-』ヤン・シュヴァンクマイエル監督 初日舞台挨拶

日時:8月27日
場所:渋谷シアター・イメージフォーラム
登壇者:ヤン・シュヴァンクマイエル監督

『サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生-』ヤン・シュヴァンクマイエル監督 初日舞台挨拶

チェコのシュールレアリストとして知られ、映画人やクリエイターたちに多大な影響を与え続けるアートアニメーションの巨匠、ヤン・シュヴァンクマイエル監督による5年ぶりの長編作品『サヴァイヴィング ライフ ―夢は第二の人生―』。現実と夢の世界の“二重生活”を送る主人公が、夢の中で出会った美しい女の正体を探っていくうちに、自分のルーツに辿り着き――突拍子もない奇想天外なイメージを次々に繰り出しながら、時にグロテスクに、時に滑稽に、夢の世界を描き出していく。『サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生-』公開初日の8月27日に、ヤン・シュヴァンクマイエル監督が登壇し、初日舞台挨拶が行われた。


あなたにとって「夢」は、どのようなものですか?

■ヤン・シュヴァンクマイエル監督:今の文明は、夢と現実を完全に分離していて、夢ではお金を稼ぐことができないので、現実の方を重視するようになった。しかし、私たちの先祖たちは、夢をとても重視していた。夢を軽視することは、私たちの人生を貧しくしてしまうことである。私は、夢とは本当に重要な私たちの想像力の源泉であると考えています。

映画の他にもコラージュやオブジェ、ドローイングなどを手がけられ、多方面にわたる創作活動の中で、映画製作の位置づけはどのようなものですか?

■ヤン・シュヴァンクマイエル監督:私は、自分のことを映画の作り手とか映画監督であると捉えたことはなく、芸術というものはどのような方向でも芸術だと思っている。もともと、映画学科ではなくて、演劇学科を卒業している。1970年代に7年間、映画製作を禁止された時期がありましたが、私にとっては大きな打撃でもなく、かわりにり触覚と想像力を働かせて仕事を発表していました。

非常に長い間、創作活動を続けられていますが、創作意欲が衰えない理由は?

■ヤン・シュヴァンクマイエル監督:私は、ある種の妄想に執着している。妄想や執着するものにとらわれていると思う。もし、体が動かなくなっても、そういうものがなくならない限りは、映画ではなくても何か違う形で創作を続けると思う。私にとっては、とらわれているものから解き放たれる過程が創作であり、自己セラピーでもあり、終わりが尽きないものだと考えている。

映画の中では、母親という存在が大きなテーマとなっていますが、それはなぜ?

■ヤン・シュヴァンクマイエル監督:母親というのは絶対なる存在だからです。我々にとっては、父親が誰かがわからなくとも、母親が誰かは明らかでしょう。「男が本当に成人するのは、母親が死んでからだ」という格言がチェコにはあります。

これから映画を観る日本の観客の皆様にメッセージを。

■ヤン・シュヴァンクマイエル監督:これから映画を観る方々にメッセージというのは非常に難しい。映画の冒頭で、私が映画を紹介するシーンがあるからです。つまり、今ここでお話ししている私自身が、これから暗くなってスクリーン上にそのまま出てきて、映画の説明をするわけです。ですからそれを見てほしい。そして、さらに付け加えるなら、この映画は、想像的な映画であり、観る皆さんにも想像力を要します。そして、皆さんひとりひとりがどのような解釈をしても、その解釈はすべて正しいのです。


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『サヴァイヴィング ライフ ―夢は第二の人生―』
2011年8月27日より シアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開
配給:ディーライツ
公式HP:http://www.survivinglife.jp/

(C)ATHANOR

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