『Lily』中島央監督、電子書籍「絶対、映画を撮ってやる!~映画『Lily』中島央監督自伝」について語る

『Lily』中島央監督、電子書籍「絶対、映画を撮ってやる!~映画『Lily』中島央監督自伝」について語る

幼少期から親の影響で多くの映画を観て育った中島央監督は、その映画愛に支えられ映画監督を目指してアメリカの大学の映画学科に入学。そこで映画を学び、学生時代に作った映画がハリウッドでリメイク権が買われ脚本家としてキャリアをスタート。その後、監督した短編映画『リリィ』が数多くの映画祭で賞を受賞し、この作品を基にした長編映画『Lily』が、遂に4月2日(土)からシアターN渋谷にて公開になる。また先日、生い立ちからハリウッドで映画監督になるまでの道のりが書かれた『絶対、映画を撮ってやる!~映画『Lily』中島央監督自伝』がアクセルマーク株式会社より電子書籍で配信された。その中島監督に、自伝本のことを中心に話を聞いた。

まず最初に、なぜ映画監督を目指したんですか?

■中島:「やっぱり映画が好きで映画が作りたかったんでしょうね。ハリウッドで脚本家としてプロジェクトに参加していた時も、ずっと監督になりたいと思っていました。やっぱり物語を作り出したいんですよ。脚本と監督はセットでありたいと思いますね。自分の好きな世界・・・ブルーっていうか、触れたらこわれてしまいそうな、そういう世界観の映画を作りたいです。」

自分の表現したい世界観に徹底的にこだわって映画を作っていきたいと言う中島監督。だが監督になるまでには苦難と苦労の連続だった。日本の高校を入学してすぐドロップアウトし、その後親の勧めもありニュージーランドの高校へ留学。その後アメリカ西海岸の大学に映画を学びに入学、在学中父親が病気で倒れるも何とか卒業し脚本家の仕事を始める。

本にも書かれていましたが、学生時代はどういう生活だったんですか?

■中島:「ニュージーランドの高校に入学した時は刺激も多かったし、あと音楽にのめり込みましたね。でもその頃から自分は映画の仕事をやる、究極的に言うと映画監督になるんだろうなと思ってました。10代の頃、日本にいるときは何か抑圧されている感じがあったんですけど、海外に行ってからかなり解放された気分になりました。OCC(オレンジ・コースト・カレッジ)の時は、実際に自分で映画を撮れるクラスが好きでした。それで自分で脚本を書いて、クルーを集めて、オーディションして。またその時は映画もたくさん観てました。もっともっと面白いものを求めて・・。映画はとても自由で大きいものだと思うんです。自分もその中に入りたいとずっと思っていました」

映画が大好きな気持ちが原動力となり、ストレートに映画の道を突き進んできた様子が伝わってくる。しかし監督へ近づいたと思った矢先プロデューサーに騙されたり、生活苦が続いたりと、また幾度の困難が待っていた。自伝本でも「うまく物事が進んだ後には必ず最悪な事がおしよせる」とも書かれているが、その度に「絶対あきらめない」強い気持ちをもって乗り越えてきた。そしてついに初の劇場用長編『Lily』を完成し、間もなく公開となる。自伝にも熱く書かれていた、映画製作への考え方。人に見せる事こそ映画だ、と強く語っている。

“あとがき”に映画とビジネスのことが書いてありましたが。

■中島:「ベルトルッチ監督の発言で、「映画はお客さんに見せることで初めて完成する」っていう言葉があるんです。なぜかそれがずっと心にひっかかっているんですよね。『Lily』を作ろうとしていた前後の時期は、脚本を書くときに予算の問題があるから、どうしても書けないことも多くなっちゃうんですよね。今の自分は予算が低い所しか見れないから、できればいつか予算が高い所の景色を見てみたいと思っています。その景色の中では、自然と考えることも違ってくるだろうし、映画の質もまた変化すると思うんです。それが良いか悪いかは別問題として。」

常に上を目指す姿勢からも映画監督への高い志が伺える。最後にどんな犠牲を払ってもこの物語を伝えなくてはならない、と言っている『Lily』について聞いた。

『Lily』に込めた思い、そして今後の展望について教えてください。

■中島:「この脚本はずっと自分の探していたものだったんだなと、書き上げた瞬間に感じました。やっぱり探し求めて来た自分の物語を初めて映画に出来た、だから公開までに時間がかかっても力を注いでこれたんだなと。キャスト、そしてプロデューサー、全てのスタッフの方たちに感謝してます。あえて『Lily』の作風を語るなら、この作品はアメリカだからこそやりたかった作品であると言えるかもしれません。アメリカという大きな国の中で、あえてこんなに個人的な作品を作ってみたかったという欲求がありました。またこれもよく言われる事なのですが、主人公はどうしてこんなに情けないのか?と。それはこれまで生きてきた中でどこかで感じた、自責の念みたいなものが意識しないまま作品の中に出てしまったのかもしれません。自分の人生が上手くいかない時に、人のせいにしたり、自分の周りの環境のせいにしたりする瞬間が多いかもしれませんが、よくよく自分を見てみれば、結局、自分の人生を壊してるのは何者でもない、自分自身だっていう。逆説的に言うと、どんな環境で生きても、それを良くするも悪くするも自分の生き方、見方次第であるのかなとも思います。でもやっぱりこの作品で伝えたいのは愛ですね。非常に重くて大きい言葉で軽々しく使うにはためらわれますが、最終的に人は愛に戻ると思ってます。今後はもちろん日本でも積極的に映画を作りたいと思っています。今の自分のイメージでは、もし自分が作るとしたら、どこかアメリカ映画っぽい作品を日本で作りたいですね。ある程度商業的に面白くて、これこそ自分自身だなって言える作品を作る事ができたら幸せです。」

既に次の合作映画の脚本も完成しているという、中島監督に今後も注目していきたい。

「絶対、映画を撮ってやる!~映画『Lily』中島 央監督 自伝~」
「挫折した僕をいつも映画が助けてくれた。」
ハリウッドから登場した日本人監督、中島央氏の原点がここに。
映画ファンの父親に影響を受け、米サンフランシスコ州立大映画学科で映画製作を学び、ハリウッドでキャリアをスタートさせた映画監督、中島央氏の自伝 世界中で今後の活躍が期待されている同氏だがその道のりはとんとん拍子とはいかず、落ちこぼれ人生を歩んできた。都立高校へ入学するも、突然理由なく学校へ通うことが出来なくなり、生きる目標もなく苦悩の青春時代を過ごす。そんな時、幼少の頃から好きだった映画が支えとなり、映画監督になる夢に向かってひたむきに突き進み出す。本作品では、高校をリタイヤした苦悩の日々から、父の危篤、生活苦、映画を撮ることができない焦りなど、苦労と不運の連続に見舞われながらも、あきらめないで行動する気持ちを持ち続けた結果、ハリウッドで華々しく映画監督デビューするまでの軌跡が描かれてい。物事が上手く運ばない時も「あきらめないで行動する」挑戦する勇気が共感できる作品。

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『Lily』
2011年4月2日より シアターN渋谷にて
配給:アルゴ・ピクチャーズ
公式HP:http://www.lily-movie.com/

©2011SUPERFILMMAKER INC.

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